新型メルセデスAMG最強のSL発売：827PSのPHEV 価格は約3600万円

2024年3月9日メルセデス・ベンツの高性能部門メルセデスAMGは、高性能ロードスターシリーズのメルセデスAMG SL（Mercedes-AMG SL）最強のPHEVモデルを発売しましたラインナップに加わった「メルセデスAMG SL 63 S E パフォーマンス」は、効率とパワーを兼ね備えたプラグインハイブリッドパワートレインを搭載。4.0リッターV型8気筒ツインターボエンジンにAMGエレクトリックドライブユニットを組み合わせることで、システム最大出力600kW（827PS）、システム最大トルク1420Nmという、これまでで最も強力なSLが誕生しました。

このメルセデスAMG SL 63 S E パフォーマンスは、AMGによって特別に開発された「Eパフォーマンス・ハイブリッド・テクノロジー」を採用した第五世代のモデルです。電動モーター特有の即時反応性、急速なトルクの提供、そしてスムーズなパワーデリバリーを通じて、これまでにない走行体験を実現しています。加速性能は0から100km/hまでわずか2.9秒、最高速度は317km/hと、極めて高いパフォーマンスを誇ります。

車の概要：メルセデスAMG SL 63 S E PERFORMANCEとは？

メルセデスAMG SL 63 S E PERFORMANCEは2+2シーターロードスターのSLの最上位に位置するモデルです。車名SLの由来は「Super」と「Light（軽量）」。1952年に公道を走れるレーシングスポーツカーとして初登場。SLは従来メルセデス・ベンツブランドでしたが、7代目からAMGブランドのみの展開となりました。

メルセデスAMG SL 63 S E PERFORMANCEのエクステリアデザイン

メルセデスAMG SL 63のエクステリアは高級感や伝統、そして革新がうまく組み合わされた美しいスポーツカーです。

AMGのスポーティな要素を取り入れながら、メルセデス・ベンツのデザイン哲学「Sensual Purity(官能的純粋)」を体現しています。ボンネットのパワードームなど、SLの長い伝統を受け継ぐ特徴的な要素が随所に施されています。優れたデザインバランスにより、先代比で機能とスペースが拡大。光と影の演出で、全体的に軽やかでありながら高い質感と高級感を獲得しています。スポーツカーの原点回帰を象徴する、筋肉質なプロポーションも大きな特長です。2+2シートを収めるために拡大されたサイズコンセプトは、デザイナーの自由度も高めました。長いホイールベースと短いオーバーハング、大きく傾斜したウインドスクリーンなどで、コンパクトかつ低めのスタイリングを実現。長いボンネットや後方に大きく下がったパッセンジャーコンパートメントなど、SL独自のプロポーションでラグジュアリースポーツカーの外観が生まれました。

ビードやエッジのないフォルムの滑らかな表面は、格納式のシームレスドアハンドルにまで及び、SLの精神性を未来へと継承するデザインとなっています。ソフトトップを閉じると、軽やかなエクステリアがより際立ちます。さらに、筋肉質なホイールアーチやアルミホイールの装着で、パワーとダイナミズムを強調しています。

新型メルセデスAMG SLのフロントフェイスは、パワフルでワイドなスタイリングが大きな特徴です。AMG専用のフロントグリルが最大の見どころで、下側が幅広の輪郭と14本の垂直ルーバーを備えています。このデザインは1952年の名車「300SL」から着想を得たもので、AMGモデルの顔として近年定番化しています。新型SLではさらに立体的な形状になり、低い位置に配されることでダイナミックな印象を高めました。前後に長く平たいボンネットは、AMGのスポーツカー遺伝子を体現。2本のパワードームもSLの伝統へのオマージュとなっています。スリムでシャープな輪郭の新型ヘッドライト「DIGITALライト」も、SLの存在感を高める一役を買っています。暗色の内部にあしらわれたグラフィックスが奥行き感を生み、デイタイムランニングライトもSLらしいデザインです。

サイドビューでは力強いショルダーラインとアルミホイールのコンビネーションが、エレガンスとスポーツ性を両立させています。くびれたサイドフォルムやリアホイールアーチの大きな膨らみがSLのパワーを強調。精密に仕上げられたフェンダートリムもアクセントを与えています。格納式シームレスドアハンドルも標準装備です。

リアビューでは省スペースのソフトトップ採用により低めのスタンスが実現。リトラクタブルリアスポイラーもリッドに馴染むデザインです。丸みを帯びたリアエンドは広いトレッドと相まって、新型SLの大柄なスタイリングを強調しています。

メルセデスAMG SL 63 S E PERFORMANCEのインテリアデザイン

メルセデスAMG SL 63 S E パフォーマンスのインテリアは、サーキットでのスポーツ走行を楽しむユーザーからのフィードバックと、上質な快適性を兼ね備えて設計されています。ドライバー中心の設計のコクピットには、センターコンソールに縦型のディスプレイが配置され、現在のSLで採用されている「2＋2レイアウト」により、広々とした室内空間と実用性が確保されています。

特筆すべきは、電動調整機能付きの「AMGスポーツシート」です。このシートは、横方向のサポートと長時間のドライビングにおける快適性を両立させています。さらに、オプションで選べるヘッドレスト一体型の「AMGパフォーマンス・シート」には、シートバックにベンチレーション機能が搭載されています。

シートカバーには、快適性を最優先にしたものからパフォーマンスを重視したバリエーションまで豊富な選択肢があります。ワントーンやツートーンのナッパレザー、さらにはダイヤモンド・キルティング加工が施されたナッパレザーから選択することが可能です。

メルセデスAMG SL 63 S E パフォーマンスには、「MBUX」マルチメディアシステムが搭載されており、AMGやハイブリッドに特化した多数の表示オプションと機能が備わっています。ハイブリッド特有の機能として、ドライブシステムのエネルギーフローを高解像度グラフィックで視覚的に表示し、モーターの速度、パワー、トルク、温度を随時ディスプレイに反映させることができます。

メルセデスAMG SL 63 S E PERFORMANCEの走行性能

新型メルセデスAMG SL 63 S E PERFORMANCEは、4.0リッターV8ターボエンジンとAMGエレクトリック・ドライブ・ユニットによる強力なパフォーマンスを誇ります。システム全体で600kW（827ps）の出力と、最大1,420Nmのトルクを発揮。この高いパワーにより、新型モデルは過去最高のパフォーマンスを実現しています。即時に反応する電気駆動とトルクの迅速な発生、リニアなパワー供給により、圧倒的なドライビング体験を提供します。0から100km/hへの加速はわずか2.9秒、最高速度は317km/hに到達し、車の力強い外観と相まって、確固たる存在感を放ちます。

このモデルには、AMGが自ら開発した「Eパフォーマンス・ハイブリッド・テクノロジー」が搭載されており、永久磁石同期電動モーターは単体で最高出力150 kW（206PS）を発生します。また、このシステムには2速トランスミッションとリヤアクスル用の機械式LSDも組み込まれています。このコンパクトなハイブリッドシステムの採用により、車両の性能に多くのメリットがもたらされます。電気モーターが直接リヤアクスルを駆動することで、エネルギーのロスなく全てのパワーを推進力に変換できるため、ドライバーは発進時や加速時、さらには追い越し時にも、強力なブーストを実感することが可能です。

リヤアクスルのスリップ量が増えた場合、電気モーターからの駆動力は、必要に応じて前輪へと伝達されます。これは、完全に可変可能な「AMGパフォーマンス 4MATIC+」全輪駆動システムによって実現されています。ハイブリッドシステムをリヤアクスルに配置することで、重量配分と駆動力の配分が最適化され、結果としてより精確でダイレクトなハンドリングが得られます。

メルセデスAMG SL 63 S E パフォーマンスに搭載されたリチウムイオン・バッテリーは、メルセデスAMG ペトロナスF1チームがF1マシン用に開発したハイブリッドパワートレイン技術の知見を活かしています。このAMGハイパフォーマンス・バッテリーにより、迅速なエネルギー供給と消費、さらには高出力密度を実現し、全体の性能を向上させています。

バッテリーの容量は6.1kWh、連続して供給できる出力は70kW、ピーク時には150kWに達します。搭載された3.7kWの車載充電器を通じて、充電ステーションや家庭用の電源からも充電が可能です。バッテリー設計の主目的は、素早い電力供給と消費であり、航続距離の最大化ではありませんが、EVモードでは最大13kmの走行が可能です。

この高性能バッテリーの核心技術は、AMGが独自に開発したダイレクトクーリングシステムです。この先進的な冷却システムは、高技術冷却剤をバッテリー内の560個のセルそれぞれに直接流し込むことで、各セルを個別に冷却します。これにより、バッテリーは使用時に最適な温度である約45℃を維持し、これが性能の向上、寿命の延長、そして安全性の向上に寄与しています。