ダイハツは2025年10月29日、東京ビッグサイトで開催される「ジャパンモビリティショー2025」において、軽自動車サイズの次世代商用EV「KAYOIBAKO-K(カヨイバコ・ケー)」を世界初公開しました。このコンセプトカーは、フレキシブルな使い勝手で新しい働き方を可能にし、働く人とクルマの関係を変える軽自動車サイズの商用車として開発されています。
カヨイバコKはラストワンマイルから地域の暮らしを支える役割を担い、AI搭載の配送機能や完全自動運転機能を備えた、まさに次世代のモビリティとして注目を集めています。

車の概要:ダイハツ KAYOIBAKO-Kとは?
ダイハツ KAYOIBAKO-Kは、ラストワンマイル輸送を革新する次世代軽商用EVのコンセプトカーです。その車名は、工場や物流現場で繰り返し使用される輸送用の箱「通い箱」に由来しており、用途に応じて中身(使い方)を自由に変えられるフレキシブルな発想を根底に持っています。
「KAYOIBAKO(カヨイバコ)」という名称は、もともと2023年のジャパンモビリティショーでトヨタが初公開したコンセプトカーで採用されたものでした。今回のKAYOIBAKO-Kは、その思想を受け継ぎつつ、軽自動車規格という日本独自の枠組みのもとで、ダイハツが主導して開発した派生モデルとなります。ダイハツが長年培ってきた軽商用車のノウハウを活かし、より人々の暮らしに近いラストワンマイル領域に最適化された設計が特徴で、完全に新しい世代の軽商用車として位置づけられています。
デジタル連携を前提としており、配送効率の向上に加え、地域高齢者の見守り支援や災害時の移動サポートなど、社会課題の解決にもつながる機能を想定している点が大きな魅力です。

ダイハツ KAYOIBAKO-Kのエクステリアデザイン
ダイハツ KAYOIBAKO-Kのエクステリアは、その名の通り「通い箱」をイメージさせるスクエアで角張ったフォルムが特徴的です。カクカクとしたボディに四角丸のヘッドランプを組み合わせることで、未来感と親しみやすさを両立させたデザインとなっています。

フロントフェイスには、グリルレスで凹凸を極力抑えたスムーズなサーフェスデザインを採用し、「DAIHATSU」ロゴが印象的に配置されています。ダイハツ工業くるま開発本部デザイン部の里館ひなの氏によれば、「物を運ぶクルマであることを大切にしつつ、人と関わるクルマとして優しさを感じられるようデザインした」とのことで、フェンダー周りには柔らかなカーブを入れ、親しみやすさを表現しています。

特徴的なのは、前面のディスプレイやヘッドライトの点灯パターンで「ありがとう」や「休憩中です」といったメッセージを表現できる仕組みです。ボディ側面にはサイネージディスプレイも備わり、人と人とのコミュニケーションを円滑にする工夫が凝らされています。
ダイハツ KAYOIBAKO-Kのボディサイズは、全長3,395mm、全幅1,475mm、全高1,885mmです。

ダイハツ KAYOIBAKO-Kのインテリアデザイン
ダイハツ KAYOIBAKO-Kのインテリアは、商用車としての実用性を最大限に追求したデザインとなっています。最大の特徴は、フラットフロア構造を採用し、シートは運転席のみというシンプルなレイアウトを採用している点です。
展示車両はあえて1人乗り仕様としており、助手席をなくすことで「荷物をたくさん積める」という潔さを重視したデザインとなっています。里館氏は「将来的には4人乗りなどへの拡張も検討している」としながらも、このコンセプトカーでは商用車としての積載性能を最優先にしたレイアウトを選択しました。

室内空間は、軽規格サイズながらホイールベースを2,550mmと長く設定することで、広々とした荷室を確保しています。段ボールやケースを効率的に積み込めるスクエアな室内空間は、「アトレー」や「ハイゼットカーゴ」などで培われた商用車設計のノウハウをしっかりと継承しています。
「ダイハツの商用車は『高く積める』『使いやすい』といった点で評価をいただいてきました。その強みをしっかり受け継ぎながら、新しい『つながる働くクルマ』を目指しています」と里館氏は語っており、実用性と未来志向を両立させた空間に仕上がっています。



ダイハツ KAYOIBAKO-Kの走行性能
ダイハツ KAYOIBAKO-Kは、軽BEV(バッテリー電気自動車)として開発されており、電動車ならではの静かで力強い走りを実現しています。完全なモーター駆動により、商用車でありながら静粛性の高い走行が可能となっており、住宅街などでの配送業務にも最適化されています。
最大の特徴は、完全自動運転機能を搭載している点です。車両の呼び出しや返送などを時間と場所を選ばずに行えるため、業務への移行がスムーズになります。データセンターとの連携により、働く人に合わせたフレキシブルな利用を実現し、従来の商用車とは一線を画す運用が可能となっています。
AI搭載の配送システムは、小さなクルマしか通れない道の先にあるラストワンマイルを結ぶ役割を果たし、物流を起点として地域の暮らしを支える新しいインフラとしての活用が見込まれています。軽自動車規格を採用することで、誰でも運転しやすく、働く人の間口を広げることも大きな狙いとなっています。

ダイハツ KAYOIBAKO-Kの価格
ダイハツ KAYOIBAKO-Kは、現時点ではコンセプトカーとして発表されたモデルであり、具体的な価格設定は公表されていません。ダイハツ工業のデザイン部・里館ひなの氏によれば、「市販の予定はまだありません」とのことで、あくまで「こういう未来を作っていきたい」という思いを形にしたモデルとして位置づけられています。
ただし、里館氏は「『KAYOIBAKO』という名前で登場することはないかもしれませんが、その要素は今後のクルマづくりに反映されていくと思います」とも語っており、このコンセプトカーで示された技術やアイデアは、将来のダイハツ商用車に活かされる可能性が高いと考えられます。
今後、市販化が決定した際には、軽商用EVとして競争力のある価格設定が期待されます。

ダイハツ KAYOIBAKO-Kの発売時期
ダイハツ KAYOIBAKO-Kの市販化および発売時期については、現時点で具体的な発表はありません。ダイハツ工業の開発担当者は「市販の予定はまだありません」と明言しており、当面はコンセプトカーとしての提案に留まる見込みです。
ジャパンモビリティショー2025での出展は、あくまで「わたしにぴったり」「暮らしがおもろくなりそう」と思える、ダイハツらしいハツメイ(=「ダイハツメイ」)を示すものであり、未来のモビリティ社会のビジョンを提示する意図が強いと考えられます。
ただし、このコンセプトで示された完全自動運転機能やAI搭載配送システム、デジタル連携といった要素は、今後のダイハツの商用車開発において重要な指針となることが予想されます。
ダイハツ KAYOIBAKO-Kは日本で発売されるか
ダイハツ KAYOIBAKO-Kは、軽自動車規格に基づいて開発された日本市場向けのコンセプトカーです。軽自動車という日本独自の枠組みのもとで設計されており、本来は日本国内での展開を想定したモデルといえます。
しかしながら、前述の通り現時点では市販化の予定が公表されておらず、「KAYOIBAKO」という名前での発売については未定となっています。開発担当者は「『KAYOIBAKO』という名前で登場することはないかもしれませんが、その要素は今後のクルマづくりに反映されていく」と述べており、このコンセプトカーで提示された技術やアイデアが、将来的にダイハツの市販モデルに組み込まれる可能性は高いと考えられます。
ダイハツは「アトレー」や「ハイゼットカーゴ」といった軽商用車で高い評価を得ており、KAYOIBAKO-Kで示された「つながる働くクルマ」というコンセプトは、これら既存モデルの進化形として日本市場に登場する可能性があります。

ダイハツ KAYOIBAKO-Kをあえて辛口で評価します
ダイハツ KAYOIBAKO-Kをあえて辛口で評価します。まず指摘したいのは、市販化の具体的な見通しが全く示されていない点です。コンセプトカーとしての提案は魅力的ですが、「市販の予定はまだない」という開発担当者のコメントは、実用化までの道のりが遠いことを示唆しています。
完全自動運転機能やAI搭載配送システムといった先進技術は確かに魅力的ですが、これらの技術を実用化するには法規制の整備やインフラ構築など、解決すべき課題が山積しています。特に日本の公道で完全自動運転を実現するには、まだ相当な時間を要するでしょう。
また、1人乗り仕様という割り切ったレイアウトは、商用車としての実用性を追求した結果とはいえ、実際の配送業務では助手席が必要なケースも多く、汎用性に欠ける面があります。「将来的には4人乗りへの拡張も検討している」というコメントも、まだ明確な方向性が定まっていないことの裏返しといえるでしょう。
さらに、軽BEVとしての航続距離や充電インフラの整備状況など、商用利用において重要な実用面のスペックが一切公表されていない点も気になります。配送業務では長時間の稼働が求められるため、これらの情報なしには実用性を判断できません。
ダイハツ KAYOIBAKO-Kのライバル車
ダイハツ KAYOIBAKO-Kのライバルとなるのは、まず同社の既存商用車である「ハイゼットカーゴ」や「アトレー」です。これらはガソリンエンジンを搭載する実用性重視のモデルですが、長年の実績と信頼性で市場を確立しています。
電動商用車の分野では、ダイハツ自身が市販を予定している「e-ATRAI」が直接的なライバルとなります。こちらはラストワンマイル輸送を支える軽商用BEVとして、KAYOIBAKO-Kよりも先に市場投入される見込みです。
スズキからは「エブリイ」シリーズがあり、軽商用車市場で高いシェアを誇っています。今後、スズキも電動化を進めることが予想され、軽商用EV市場での競合となる可能性があります。
また、トヨタが2023年に発表したオリジナルの「KAYOIBAKO」も、コンセプトとしては類似しており、将来的に市販化された場合は兄弟車的な関係になる可能性があります。普通車サイズのKAYOIBAKOと軽自動車サイズのKAYOIBAKO-Kで、用途に応じた棲み分けが行われることも考えられます。

まとめ
ダイハツ KAYOIBAKO-Kは、2025年10月29日のジャパンモビリティショー2025で世界初公開された、次世代の軽商用EVコンセプトカーです。トヨタが2023年に発表したKAYOIBAKOの思想を受け継ぎつつ、ダイハツが軽自動車規格で開発した派生モデルとして、ラストワンマイル配送を革新する可能性を秘めています。AI搭載の配送システムや完全自動運転機能、データセンター連携といった先進技術を備え、単なる配送車両を超えて、地域高齢者の見守り支援や災害時の移動サポートなど、社会課題の解決にも貢献できる多機能性が魅力です。スクエアで親しみやすいデザイン、フラットフロアの広々とした荷室空間、メッセージ表示機能など、働く人と地域をつなぐ様々な工夫が施されています。現時点では市販化の具体的な予定は未定ですが、このコンセプトで示された技術やアイデアは、今後のダイハツの商用車開発に反映されていくことが期待されます。



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