レクサスは2023年12月19日、新型UX300hおよびUX300eの国内仕様を発表し、2024年1月に発売予定としました。この新型UXは、2018年に登場したモデルのマイナーチェンジ版で、レクサスLBX登場以前はレクサス最小のSUVであり、エントリーモデルということで価格の安さやコンパクトさが人気のモデルです。
今回のマイナーチェンジでは見た目の変化はあまり無いですが、中身が大きく進化しています。特にハイブリッドやEV性能が向上しており、よりパワフルで便利なモデルになりました。また、今回の変更より新型UXは全モデルがバッテリーEV(BEV)とハイブリッド(HEV)となり電動化されました。

車の概要:レクサスUXとは?
レクサスUXとは、トヨタ自動車が展開する高級車ブランドレクサスによるコンパクトクロスオーバーSUVです。福岡県のトヨタ自動車九州宮田工場で生産されています。UXは、2016年にコンセプトカー(UX Concept)として公開され、2018年11月27日に初代UXが日本で発売されました。トヨタのコンパクトクロスオーバーSUVであるC-HRをベースに開発され、レクサスLBX登場まではレクサスSUVラインナップ(レクサスLX、レクサスGX、レクサスRX、レクサスNX、レクサスRZ)の中で最も小型のモデルとして位置付けられていました。レクサスUXはレクサス初の女性がチーフエンジニアとなり開発されたモデルでもあります。それもあって、女性にも乗り降りしやすく、小回りが利く設計になっています。
レクサスUXの初期ラインアップは、直列4気筒2.0Lエンジンを搭載する「UX200」と、直列4気筒2.0Lハイブリッドシステムを搭載する「UX250h」の2タイプで、2010年10月22日にはレクサスで初となるEVモデル「UX300e」が発表されました。
レクサスUXは、2018年の販売開始以来、世界80カ国以上の国と地域で展開されており、累計約34万台を販売してきました。特に電動モデルが90%以上選択されています。これはレクサスの電動化戦略の重要な一環を担っており、若者をはじめとする幅広い層からの支持を受けています。

レクサスUXのエクステリアデザイン
レクサスUXのエクステリアデザインは、都会派コンパクトクロスオーバーSUVとして、洗練されたデザインと機能性を兼ね備えています。レクサスデザインは相反するモノを掛け合わせる二律双生がテーマの一つです。この車両のデザインコンセプトは「セキュア(secure)」をキーワードに、「タフな力強さ」と「守られている安心感」、そして「アジャイル(agile)」を掛け合わせたスタイルを表現しています。
レクサスUXは縦方向の厚みを持たせたボディデザインを採用しており、これにより安心感のあるタフな力強さが強調されています。ボディの形状は、大胆かつ洗練された外観を生み出し、視覚的にも印象的なスタイルを形成しています。

ライトのデザインにおいても、レクサスUXは独自性を持っています。三眼LEDヘッドランプの上部にアローヘッド形状のクリアランスランプが配置され、これがUXのフロントフェイスに精悍な表情を与えています。この独特のライト配置は、夜間の走行時においてもUXの個性を際立たせる重要な要素です。
リヤコンビネーションランプのデザインも注目に値します。レクサスUXでは、左右一体の翼形状を採用しており、両端は立体的な縦フィン造形になっています。このデザインは、操縦安定性に寄与する空力性能を確保するとともに、独創的な外観を実現しています。
さらに、「F SPORT」モデルでは、エクステリアデザインがさらに強調されています。グリルメッシュとサイドグリルはブランド統一の新しいFメッシュパターンに進化し、フロント・リヤバンパー下部は漆黒メッキで仕上げられています。また、専用のアルミホイールとの組み合わせで、下部がダークトーンにコーディネートされ、スポーティな印象を強化しています。
ボディサイズは全長4495mm、全幅1840mm、全高1540mm、ホイールベース2640mmです。
今回のマイナーチェンジではエクステリアデザインに関しては特に変更はありません。

レクサスUXのインテリアデザイン
レクサスUXのマイナーチェンジでは液晶メーターの大型化(12.3インチ)、HEVモデルへのエレクトロシフトマチック導入など、機能性や上質さにおいてレベルアップしました。また、インテリアの詳細についてみていきましょう。
レクサスUXのインテリアデザインは、内と外の境界を曖昧にする日本の建築思想に着想を得た「内と外の双生」をコンセプトにデザインされています。このコンセプトは、インストルメントパネルの上部からフード・フェンダーへと車内外が連続して見えるような造形や外形が持つ強さを感じられるような内装の骨格を通じて表現され、運転席からのタイヤ位置の認識のしやすさや視覚的な開放感を実現し、ドライビングの高揚感を演出しています。

レクサスらしい日本の美意識が内装全体に満ちており、シートには日本伝統の籠目(KAGOME)文様が施されています。これは竹で籠を編んだ編目文様で、デジタル技術によって緻密なデザインが表現されています。また、インストルメントパネルの和紙調シボは、微細な繊維が織りなす和紙の風合いを高いクオリティで再現し、空間に穏やかな温もりをもたらします。センタークラスターなどには、金属の素材感を表現したデザインが施されており、細部にわたる質感のコントラストが感性を刺激します。

コックピットとシートデザインでは、スタイリッシュな黒のベースと明るすぎない赤の組み合わせが採用され、F SPORTのモデルではフロントシートのヘッドレストにF SPORTのロゴが刻まれています。これらのデザインは、都会派コンパクトクロスオーバーとしてのトレンドを押さえたスポーティなデザインを実現しています。ステアリングやシフトレバーブーツ、インパネ周辺に赤色のステッチが施され、F SPORTモデルのスポーツ感を強調しています。


進化したコックピット空間には12.3インチ大型フル液晶メーターが新たに採用されました。大型ディスプレイを活かしたわかりやすいグラッフィックが表示されます。ノーマルモード、スポーツモード、エコモードで異なる表示に切り替わります。
また今回よりHEVモデルにもエレクトロシフトマチックが採用され、シフトポジションを電動で制御することで確実ですばやいシフト操作が可能に。シフトのぶは無垢の金属を本革で包んだ、高級感のあるデザイン。ステアリングは握り心地のいい本革で、F SPORTモデルでは専用デザインが設定されています。

インフォテインメントシステムは12.3インチタッチディスプレイが採用されておりいます。
レクサスUXの走行性能
今回のマイナーチェンジでは、走行性能の大きなアップデートがありました。ハイブリッドモデルではハイブリッドシステム刷新によりシステム出力が向上され、それに伴い車名もUX250hからUX300hへと変更されました。また電気自動車モデルのUX3003では急速充電時間が約25%短縮され、使い勝手が向上されました。他にもドライビングダイナミクスや安全技術などの性能が向上しました。以下で詳しくみていきます。
新型UX300hは「2.0L 直列4気筒エンジン+モーター」のハイブリッドシステム搭載でで効率のいいパワートレインとなっています。最高出力153PS、最大トルク188Nmのエンジンとフロント(83PS、206Nm)+リアモーター(30PS、84Nm)によってシステム最高出力199PS(146kW)のパワーを生み出します。燃費性能は23.4~26.3km/L。

新型UX300eは高出力と高効率を両立した軽量コンパクトなモーターと大容量バッテリーを搭載しており、最高出力203PS(150kW)、最大トルク300Nmを発揮します。航続距離は512kmです。急速充電では約60分で約80%まで充電することができます。UX300eはBEVならではのアクセルレスポンスや加減速フィーリングなどドライバーの感性に寄り添ったダイレクトな走りが楽しめます。

新型UXはボディ剛性が向上し、走りの質が進化しました。具体的にはラジエターサポートブレースの追加やロアバック強化、サスペンション締付トルク強化などが実施されました。
加えてライントレース制御やフラットボディ制御を織り込みなどの強化によって操縦安定性が向上。ブレーキ前後制動力配分制御の採用により安心感のある制御姿勢を実現。これらによりリニアな応答性の向上が期待されます。
レクサスUXの安全性能・運転支援
UXのマイナーチェンジではレクサスの予防安全技術「Lexus Safety System +(レクサスセーフティシステムプラス)」もアップデートされ各機能が進化しました。
またプリクラッシュセーフティ(PCS)機能も進化。ミリ波レーダーと単眼カメラを組みわせたセンサーで認識性能を向上、作動対象を拡大し、自動二輪車や自転車運転者など検出対象を拡大。また、交差点衝突回避支援機能も新たに装備。交差点で交差する車両・自動二輪車に対しても、衝突回避の支援を行うようになりました。

レクサスUXの価格
新型レクサスUXの価格は456万円から705万円です。
新型レクサスUX300hの価格は456万円からで、新型レクサスUX300eの価格は650万円からです。
レクサスUX300h価格
エンジン | 駆動 | 価格 | ||
---|---|---|---|---|
UX300h | “version L” | M20A-FXS(2.0L 直列4気筒) | 2WD(FF) | 5,392,000 |
AWD | 5,657,000 | |||
“F SPORT” | 2WD(FF) | 5,241,000 | ||
AWD | 5,506,000 | |||
“version C” | 2WD(FF) | 4,803,000 | ||
AWD | 5,068,000 | |||
2WD(FF) | 4,559,000 | |||
AWD | 4,824,000 |
レクサスUX300e価格
駆動 | 価格 | ||
---|---|---|---|
UX300e | “version L” | FWD | 7,050,000 |
“version C” | 6,500,000 |
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レクサスUXの発売時期
新型レクサスUX300hは2024年1月上旬頃に発売予定です。
新型レクサスUX300eは2024年1月下旬頃に発売予定です。

レクサスUXの辛口評価
レクサスUXをあえて辛口で評価します。
まず内装の質感はモデルが古いこともあり、競合に対して見劣りする可能性があります。日本ならではのデザイン性は魅力的ではあるものの、全体的な質感やデジタル周りの性能は課題があります。
またレクサス300eの価格面でも少々課題があるように感じられます。ベース価格が650万円からとなっており、コンパクトモデルとしてはやや高価格帯の為、グレードの高いライバルとの競合になってしまいます。
レクサスUXのライバル車
レクサスUXの競合モデルとしては以下のモデルが挙げられます。
メルセデス・ベンツ GLA
メルセデス・ベンツ GLAは、メルセデス・ベンツが製造・販売するコンパクトSUVです。日本では2014年に初代モデルが発売され、2020年に2代目モデルが発売されました。GLAの最大の特徴は、高級感のある内外装です。インテリアには、上質な素材や装飾が施され、プレミアムな雰囲気を演出しています。また、最新の安全装備も充実しています。価格は599万円から。
BMW X1
BMW X1は、BMWが製造・販売するコンパクトSUVです。2009年に初代モデルが発売され、2023年に3代目モデルが発売されました。X1の最大の特徴は、スポーティな走行性能です。最新のエンジンとトランスミッションを搭載し、力強く俊敏な走りを実現しています。また、充実した装備も魅力です。価格は586万円から。
アウディ Q2
Audi Q2は、アウディが製造・販売するコンパクトSUVです。日本では2017年に初代モデルが発売されました。Q2の最大の特徴は、洗練されたデザインです。丸みを帯びたデザインは、他のSUVとは一線を画しています。さらに、Q2は、優れた走行性能も備えています。最新のエンジンとトランスミッションを搭載し、力強くスムーズな走りを実現しています。また、最新の安全装備も充実しています。価格は417万円から。
ボルボ XC40
Volvo XC40は、ボルボが製造・販売するコンパクトSUVです。2018年に初代モデルが発売されました。XC40の最大の特徴は、安全性です。ボルボの安全技術が搭載されており、高い安全性能を実現しています。また、ガソリンエンジンモデルに加えプラグインハイブリッドモデルもラインナップ。価格は529万円から。

まとめ
今回のマイナーチェンジでは見た目では感じられないですが、中身は比較的大きく変わった、いわゆるビッグマイナーチェンジと言っていいレベルです。特に全モデルが電動化となり、HVやEV性能の向上など、電動化に大きく寄せたモデルとなりました。
レクサスUXはレクサスSUVの中で最も小型のエントリーモデルの役割をになっていましたが、2023年よりさらに小型のエントリーモデル レクサスLBXが登場したことによって、若干の役割変更となりました。今回のマイナーチェンジでより電動化を推進する役割を担う形になったのではないでしょうか。
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