アウディ新型RS3:ニュル最速コンパクトカー 価格は1,070万円 セダン&スポーツバック

2024年8月20日、アウディは高性能コンパクトスポーツモデル アウディ RS 3のマイナーチェンジを発表しました。アウディ RS 3はA3をベースとした高性能セダンとスポーツバック(ハッチバック)モデルです。改良新型アウディRS 3はニュルブルクリンクで最速のラップタイムを更新した、最速のコンパクトカーになりました。

車の概要:アウディ RS 3とは?

アウディ RS 3(Audi RS 3)は、コンパクトカーセグメントにおける高性能モデルとして、2011年に初代モデルが誕生しました。今回発表された改良新型RS 3はのは、3代目のRS 3スポーツバックと2代目のRS 3セダンのマイナーチェンジモデルです。

新型RS 3の特徴は、そのパワートレインの2.5リッター直列5気筒TFSIエンジンにあります。このエンジンは、アウディスポーツの象徴的な存在として、数々のモータースポーツでの成功を収めてきました。初代モデルでは340PSだった出力は、第2世代で367PS、そして400PSへと進化。現行モデルでは400PSの最高出力と500Nmの最大トルクを誇り、クラストップの加速性能を実現しています。

今回のアップグレードでは、エクステリアデザインの刷新、インテリアの高級感向上、そして走行性能のさらなる向上が図られています。特筆すべきは、トルクスプリッターの採用により、コーナリング性能が大幅に向上した点です。これにより、ニュルブルクリンク北コース(ノルトシュライフェ)でのラップタイムを7分33.123秒まで短縮し、コンパクトカークラスの最速記録を更新しました。RS 3は2011年の発売以来、約8万台が生産されるほどの人気モデルとなっています。今回のアップグレードモデルは、2024年10月からディーラーでの販売が開始される予定です。

アウディ RS 3のエクステリアデザイン

新型RS 3のエクステリアは、スポーティさと力強さを強調したより攻撃的なデザインとなっています。

フロントデザインの中心となるのは、六角形のシングルフレームグリルです。以前のモデルよりもフラットで幅広くなり、菱形パターンのグリルと相まって、コンパクトスポーツカーのダイナミズムを強調しています。サイドエアインテークは、垂直に配置された黒いブレードによってさらに際立たされています。フロントスプリッターは車両全幅に広がり、RS 3をよりローダウンした印象に仕上げています。これは1987年のアウディスポーツクワトロS1パイクスピークを彷彿とさせるデザインとなっています。ヘッドライトには新しいデイタイムランニングライトのデザインが採用され、24個の要素からなるデジタルシグネチャーがRS 3のチェッカーフラッグを表現しています。マトリクスLEDヘッドライトと組み合わせることで、MMIタッチディスプレイから3種類のデイタイムランニングライトデザインを選択することができます

リアデザインもモータースポーツを意識したものとなっており、以前のモデルよりも存在感が増しています。垂直に配置されたサイドリフレクターがフロントのエアインテークのデザインを引き継いでいます。大型のRS専用ディフューザーには中央に赤いリフレクターが組み込まれ、両サイドにはRSエキゾーストシステムの2つの楕円形テールパイプが黒いフレームに収められています

ボディカラーには、RS専用のキャラミグリーンとケモラグレーに加え、新しいメタリックカラーのアスカリブルーとプログレッシブレッド、そしてマット仕上げのデイトナグレーが新たに追加されました

新型RS 3はよりアグレッシブで魅力的なエクステリアとなり、コンパクトスポーツカーとしての存在感を一層高めています。

アウディ RS 3のインテリアデザイン

新型RS 3のインテリアは、ダークカラーを基調とした、パフォーマンスを重視したデザインとなっています。特筆すべき新機能として、新しいステアリングホイール、RSスポーツシートまたはバケットシート、カーボン素材の採用、そしてスポーティなディスプレイが挙げられます。

新しく採用されたステアリングホイールは、上下がフラットな形状のフラットトップ&フラットボトムステアリング、よりスポーティな印象を与えています。標準装備のパンチングレザーか、オプションのDinamicaマイクロファイバー素材に12時位置のアクセントカラーマーカーを組み合わせたものが選択可能です。このデザインにより、シャープなコーナリング時にもドライバーの手にしっかりとフィットします。

オプションで選択可能なRSバケットシートは、さらに優れたサポート性を提供します。シートセンターパネルにはRSハニカムステッチが施されたDinamicaマイクロファイバー素材が使用され、サイドボルスターにはパールナッパレザーが組み合わされています。ヘッドレスト下部には大きなRSバッジが配置され、シートバックレストの背面にはマットカーボンが採用されており、RS 3のスポーティな特性を強調しています。

標準装備のコントゥアアンビエントライティングは、フラットデザインのシフターの前にあるストレージボックス、カップホルダー付きセンターコンソール、ドアなどの新しいデザイン要素を照らし出します。特筆すべき夜間の機能として、「プラナーライティング」が採用されています。これは、ドアパネル背面の光源が、レーザーカットされた様々なサイズの数百個の菱形を照らし出すもので、RS 3のロック/アンロック時にダイナミックに点灯します。

ドアハンドル、エアベント、ステアリングホイールのカバークリップ、シフトパドルには、光の当たり方によって輝きが変化するアンスラサイトエフェクトペイントが施されています。デコレーションインレイには、標準のパラジウムグレー2ピースバージョン(カーボンインサート付き)に加え、マットカーボンの1ピースRS専用トリムストリップや、新しく黒のDinamicaバージョンが用意されています。

赤と緑のデザインパッケージでは、シートベルト、シートショルダー、エアベントにカラーアクセントが追加されます。さらに、シート、センターアームレスト、ドアアームレスト、ステアリングホイール、12時位置マーカーのコントラストステッチも、それぞれの色で施されています。

12.3インチのアウディバーチャルコックピットプラス(Audi virtual cockpit plus)は、スポーツ、パフォーマンス、ランウェイの3つのビューを標準装備しています。新たに追加された回転計は、インストルメントクラスターの中央に回転数を大きく表示します。さらに、出力、トルク、Gフォース、加速度、ラップタイムの表示も可能です。これらの洗練されたインテリアデザインと高機能ディスプレイにより、新型RS 3は運転席に座った瞬間から、ドライバーに高性能スポーツカーならではの興奮と期待感を与えます。

アウディ RS 3の走行性能

新型RS 3の走行性能は、コーナリング性能の向上に重点が置かれています。その結果、ニュルブルクリンク北コースでのラップタイムを7分33.123秒まで短縮し、コンパクトカークラスの最速記録を更新しました。

RS 3の心臓部には、アウディスポーツの象徴的な5気筒の2.5リッターTFSIエンジンが搭載されています。このエンジンは最高出力294kW(400PS)、最大トルク500Nmを発揮し、0-100km/h加速を3.8秒で達成します。最高速度は290km/hに達します。

5気筒エンジン特有の1-2-4-5-3という点火順序により、RS 3は独特の力強いサウンドを奏でます。新型モデルでは、特にダイナミック、RSパフォーマンス、RSトルクリアの各ドライブモードで、より豊かで特徴的なサウンドを楽しむことができます。

新型RS 3の最大の特徴は、コーナリング性能の向上です。これは以下の要素によって実現されています:

  1. トルクスプリッター:後輪間で完全可変のトルク配分を行います。
  2. 電子制御スタビリティコントロール(ESC)
  3. ホイールセレクティブトルクコントロール(ブレーキトルクベクタリング)
  4. RSスポーツサスペンションのアダプティブダンパー

これらのコンポーネントは、モジュラードライビングダイナミクスコントローラーによってネットワーク化され、さらに進化したアルゴリズムにより、各走行状況により鋭敏に反応します。

  • コーナー入口でのアンダーステアを抑制
  • より早い段階でのコーナーへのターンイン
  • コーナー出口でのより早いアクセル開始
  • より高速でのコーナリング

これらの改善により、特にレーストラックでの走行時に、ESCをオフにした状態で顕著な効果を発揮します。

新型RS 3では、ステアリング角度によってオーバーステアを容易に誘発できるようになりました。これにより、ドライバーはより素早くドリフト角を得ることができます。

新しく採用されたCレートタイヤは、日常的な快適性を向上させつつ、高い横方向サポートを提供します。RS 3専用にチューニングされたこのタイヤは、乾燥路面と濡れた路面の両方で優れたグリップを発揮し、全速度域で正確なハンドリングを実現します。これらの改良により、新型RS 3はさらにスポーティで魅力的な走行性能を獲得し、コンパクトスポーツカーとしての地位を一層強固なものにしています。

アウディ RS 3の価格

ドイツでの新型アウディRS 3 スポーツバックの価格は約1,070万円(66,000ユーロ)からです。新型RS 3 セダンは約30万円(2,000ユーロ)の追加料金となっています。

アウディ RS 3の発売時期

欧州市場では新型RS 3は8月末に注文開始され、10月からディーラーに並ぶ予定です。新型RS 3はインゴルシュタット工場で生産されます。

アウディ RS 3は日本で発売される?

現時点で、新型RS 3の日本での具体的な発売時期は明らかにされていません。しかし、アウディジャパンはRS 3を日本市場に導入しており、現行モデルも販売されていることから、新型モデルも日本で販売される可能性が高いと考えられます

アウディ RS 3の辛口評価

新型RS 3をあえて辛口で評価します。

まず、インテリアの質感に関しては、RS 3の価格帯を考えると、一部の素材が安っぽく感じられます。高級感を求めるユーザーにとっては、やや物足りない印象を受ける可能性があります。

また、走行性能は確かに高いレベルにありますが、ドライビングエクスペリエンスにやや個性が欠けているという指摘もあります。競合車と比較すると、ドライバーの感情を掻き立てるような特別な魅力に欠ける面があるかもしれません。

アウディ RS 3のライバル車

新型アウディRS 3の主要なライバル車として、以下のモデルが挙げられます:

  1. BMW M2:
    • 3.0リッター直列6気筒ツインターボエンジンを搭載し、460馬力を発揮。
    • リアホイールドライブで、よりピュアなドライビング体験を提供。
    • クーペボディスタイルで、よりスポーティな外観。
  2. メルセデスAMG A45 S:
    • 2.0リター直列4気筒ターボエンジンで421馬力を発揮。
    • 0-100km/h加速は3.9秒と、RS 3に迫る性能。
    • より高級感のあるインテリアデザイン。
  3. フォルクスワーゲン・ゴルフR:
    • 2.0リッター直列4気筒ターボエンジンで320馬力を発揮。
    • アウディと同じVWグループの車両で、似たようなプラットフォームを使用。
    • より控えめなデザインで、目立たないパフォーマンスカーを求める層に人気。
  4. ルノー・メガーヌR.S.:
    • 1.8リッターターボエンジンで300馬力を発揮。
    • フロントホイールドライブで、よりピュアなホットハッチ体験を提供。
    • 価格面でRS 3よりも手頃。
  5. CUPRA Leon:
    • ゴルフRと同じ2.0リッターターボエンジンを搭載し、310馬力を発揮。
    • スポーティなデザインと高性能を兼ね備えた、新興ブランドの注目モデル。

これらのライバル車と比較すると、RS 3は独自の5気筒エンジンと quattroオールホイールドライブシステムによる卓越したトラクション性能で差別化を図っています。

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