2025年4月17日、スバルは新型「フォレスター」を発表しました。1997年の初代デビューから数えて6代目となる今回のモデルは、ストロングハイブリッドシステムを新たに採用し、デザインや安全性能を大幅に進化させた正統派SUVとして生まれ変わりました。

車の概要:スバル フォレスターとは?
スバル フォレスターは、1997年2月に初代モデルが登場して以来、スバルの中核を担うクロスオーバーSUVとして進化を続けてきました。初代はインプレッサをベースに開発され、「どこにでも行ける、どこでも使える」というコンセプトのもと、ステーションワゴンとSUVの長所を融合させたモデルとして誕生しました。2002年に2代目、2007年に3代目、2012年に4代目、2018年に5代目とフルモデルチェンジを重ね、今回発表された新型は6代目に当たります。
第6世代となる新型フォレスターは、2.5リッター水平対向エンジンとモーターを組み合わせたストロングハイブリッドシステム「e-BOXER」を採用した「X-BREAK S:HEV」「Premium S:HEV」と、1.8リッター直噴ターボエンジンを搭載した「SPORT」の3グレードをラインアップしています。新世代アイサイトやサイクリスト対応歩行者保護エアバッグなど、先進の安全装備を充実させ、日常から非日常まで幅広いシーンで活躍する正統派SUVとして、さらなる進化を遂げました。

スバル フォレスターのエクステリアデザイン
新型フォレスターのエクステリアは、「Ready for Adventure〜いつでも冒険に出られる、頼れるGEAR〜」というデザインコンセプトのもと、量感と頑丈さを追求したボリューム感のある堂々としたプロポーションを実現しています。
フロントビューでは、大型フロントグリルとヘッドランプを連続させた造形により、ワイド感を強調しました。上下分割タイプのフロントバンパーを採用し、フロントマスクの厚みを表現することで、安定感と頑丈さを感じさせるデザインに仕上がっています。LEDヘッドランプは全車標準装備で、シグニチャーランプを上部に集約することでシャープな眼力を実現し、SUVらしい堂々とした存在感を生み出しています。

サイドビューでは、フェンダーの張り出し感を強調し、サイドウインドゥ周辺の造形に厚みを持たせることで、フロントからリヤまで軸の通った力強いボディを表現しました。キャビンとボディの役割を分けた造形構成により強い骨格を表現し、乗員がしっかり守られている安心感を演出しています。ルーフレールはロープロファイル仕様とラダー仕様の2種類を設定し、デザイン性と実用性を両立させました。
リヤビューでは、左右のコンビネーションランプをリヤゲートガーニッシュでつなぎ、ボディの高い位置に軸を配することで、ワイド感とボディ下部の厚みを強調しています。リヤゲートガーニッシュに堀り込んだ「FORESTER」オーナメントを採用することで、力強さと存在感を強調したクリーンなデザインに仕上がりました。
ボディカラーは、新色のリバーロック・パールを含む全11色を設定しました。さらに、ブラックルーフによりキャビンを引き締め、ボディの厚みを際立たせる2トーンカラーを新たに展開し、よりスタイリッシュな外観を実現しています。アルミホイールはグレードごとに専用デザインを採用し、Premiumグレードにはフォレスターとして初となる19インチホイールを装備しました。
スバル フォレスターのボディサイズは、全長4655mm、全幅1830mm、全高1730mmです。





スバル フォレスターのインテリアデザイン
新型フォレスターのインテリアは、「SUVの本質的価値を表現し、タフ(頑丈)で安心感あるたたずまい」をコンセプトに、デザイン性と実用性を兼ね備えた室内空間を創出しています。
インストルメントパネルは、立体的な面構成を強調することでタフさがもたらす安心感を表現し、ドアへと造形を連続させることで、ワイドで広がりのある居住空間を実現しました。インパネアッパー部にはソフトパッドを採用し、高い質感を確保しながら軽量化も実現しています。インパネミッド部には上下方向に厚みを持たせ、ヘキサゴンパターンを配置することで、SUVらしいタフさの表現と質感向上を図りました。グレードごとに専用の加飾パネルを採用し、それぞれのキャラクターを際立たせています。

センターパネルには、11.6インチの大型センターインフォメーションディスプレイを全車に標準装備し、先進性と上質感を表現しました。センターコンソールは上面の位置を高くして包まれ感と上質感を表現するとともに、操作性も向上させています。
メーターパネルは、12.3インチフル液晶メーターをフォレスターに初採用しました。運転に必要な情報をグラフィカルに表示し、少ない視線移動で瞬時に認識できます。ストロングハイブリッド搭載モデルには、システムの出力やエネルギー回収状況をリアルタイムに表示するパワーメーターを採用し、緻密なエネルギーマネジメントが一目で分かるようになっています。
シートは、仙骨を押さえて骨盤を支える構造と、シートレールを直接車体に固定する構造を採用し、身体やシートそのものの揺れを抑えることで快適な乗り心地を実現しました。ショルダーまわりのボリュームを削ることで、前後席間のアクセス性を高め、ドライバーがリラックスした姿勢で運転できるデザインとしています。Premiumは撥水ファブリック/撥水トリコットやナッパレザー/ウルトラスエード、X-BREAKには撥水ポリウレタン/合成皮革、SPORTにはウルトラスエード/合成皮革を採用し、グレードごとのキャラクターを際立たせました。

リヤクォーターガラスや大型サンルーフにはハチドリ、リヤゲートガラス下部には赤城山など、アクティブなイメージをモチーフにしたアイコンを各所に施し、SUVらしい遊び心を表現しています。







スバル フォレスターの走行性能
新型フォレスターは、ストロングハイブリッド搭載モデルと1.8リッター直噴ターボエンジン搭載モデルの2つのパワートレインを用意し、それぞれ異なる走りの愉しさを提供します。
ストロングハイブリッド搭載モデル(Premium S:HEV、X-BREAK S:HEV)は、2.5リッター水平対向エンジンとトランスアクスルを搭載し、動力源であるエンジンとモーターを効率よく使い分けるシリーズ・パラレル方式を採用しています。最高出力118kW(160PS)/5600rpm、最大トルク209N・m(21.3kgf・m)/4000-4400rpmを発生するエンジンに、最大出力88kW(119.6PS)、最大トルク270N・m(27.5kgf・m)を発生する駆動用モーターを組み合わせています。幅広い走行シーンでモーター駆動をメインとし、モーターが苦手な領域をエンジン駆動がカバーすることで、スムーズで力強い走りを実現しました。PCU(パワーコントロールユニット)をエンジンルーム内に配置することで燃料タンク容量を63リットルに拡大し、航続可能距離の延長も実現しています。

プロペラシャフトで前後輪をつなぐ機械式AWDを採用し、路面状況に合わせて後輪へ駆動力を瞬時に伝え、前後輪のトルクを適切にコントロールすることで、様々な路面でスバルらしい優れた走行安定性を発揮します。燃費性能はWLTCモードで18.4~18.8km/Lを達成しています。
1.8リッター直噴ターボエンジン搭載モデル(SPORT)は、最高出力130kW(177PS)/5200-5600rpm、最大トルク300N・m(30.6kgf・m)/1600-3600rpmを発生する高出力エンジンを搭載しています。日常での扱いやすさを重視し、低回転域から300N・mの高トルクを発生させることで、アクセルを踏み込むとしっかりとした加速感が得られ、高速道路上での合流や追い越しも気持ち良く行えます。アクティブトルクスプリットAWD制御を最適化し、精緻な前後駆動力配分により、レーンチェンジ時の操舵初期の応答性とライントレース性が向上しました。燃費性能はWLTCモードで13.6km/L(大型サンルーフ装着車は13.5km/L)を達成しています。
全モデル共通で、ボディ全体の骨格部材を強固に組み立ててから外板パネルを溶接する「フルインナーフレーム構造」を採用し、ボディの高剛性化と軽量化により路面からの振動の収束性を高めました。フロントサスペンションクロスメンバー、リヤサブフレーム、フロントシート取り付け部のウェルドナット形状を変更し、ボルト締結力を面で受ける形式に変更することで、取り付け部の剛性を高め、操縦安定性と乗り心地を向上させています。
ルーフパネルとブレースの間に、振動吸収性が高く制振性に優れた高減衰マスチック(弾性接着剤)を採用することで、ルーフの共振による音を抑制し、車内音の収束性を向上させています。ドアガラスの板厚アップや各インシュレーターの性能強化により、フロア周りの防音性能を高め、高周波音を低減することで車内における会話明瞭度を大きく向上させました。フロントフェンダー後部にダクトを配し、ホイールハウス内の空気を排出するエアアウトレットを設けることで、操舵応答性と高速走行時の安定性を高めています。

スバル フォレスターの安全性能・運転支援
新型フォレスターは、ステレオカメラに加えて広角単眼カメラや前側方レーダーを搭載した新世代アイサイトを装備し、プリクラッシュブレーキで対応できるシチュエーションを拡大しました。EXグレードには、渋滞時ハンズオフアシスト、渋滞時発進アシスト、アクティブレーンチェンジアシスト、カーブ前速度制御、料金所前速度制御といった機能を備えた高度運転支援システム「アイサイトX」をフォレスターとして初採用し、ドライバーの運転負荷を軽減しよりスムーズな運転をアシストします。
衝突安全性能では、バンパービームを車両外側まで拡大するとともに、衝突サブフレームを追加することで衝突エネルギー吸収効率を向上させました。ストロングハイブリッド搭載モデルでは、PCUのエンジンルーム内配置や高電圧バッテリーのリヤフロア配置に対応する構造を見直し、電気関連部品の安全性にも配慮しています。
世界初となるサイクリスト対応歩行者保護エアバッグを採用しました。エアバッグ展開領域をAピラー後方まで拡大することで、万が一の衝突時に、歩行者と頭部接触位置が異なるサイクリストも守ることができます。
視界性能にもこだわり、エンジンフード左右端とAピラー付け根部分を低くすることで斜め前方の視界を拡大し、ドアミラーを小型化することで左斜め前の死角を低減しました。運転時にフロントワイパーが視界に入らない設計とすることで、ドライバーの運転を妨げない前方視界を実現しています。リヤクォーターガラス窓肩の高さを下げることで、車線変更時など斜め後方を確認する際にも見やすい後方視界を確保しました。
ドライバー異常時対応システムとドライバーモニタリングシステムとの連携を強化し、これまでのステアリング無操作のみならず、ドライバーのわき見や居眠りでも作動するようになりました。コーストダウン(惰性走行)やパルスブレーキによる振動でドライバーにさらなる注意を促す機能を追加し、早期に周囲の車両へドライバーの異常を知らせることができます。
重大な事故や車両故障が起こってしまった場合に24時間365日コールセンターとつながるコネクティッドサービス「SUBARU STARLINK」を採用し、万が一の際にも安心して運転できる環境を提供します。

スバル フォレスターの価格
新型スバル フォレスターの価格は404.8万円からです。グレードごとの価格は以下の通りです。
ストロングハイブリッド搭載モデル(S:HEV)
- X-BREAK S:HEV:420万2000円(消費税10%込)
- X-BREAK S:HEV EX:447万7000円(消費税10%込)
- Premium S:HEV:448万8000円(消費税10%込)
- Premium S:HEV EX:459万8000円(消費税10%込)
1.8リッター直噴ターボエンジン搭載モデル
- SPORT:404万8000円(消費税10%込)
- SPORT EX:419万1000円(消費税10%込)
有料ボディカラーは、クリスタルホワイト・パール、リバーロック・パール、カシミアゴールド・オパール、クリムゾンレッド・パール、サファイアブルー・パールが3万円高(消費税抜)、2トーンカラー(クリスタルブラック・シリカとの組み合わせ)が5万円高または8万8000円高(消費税抜)となります。

スバル フォレスターの発売時期
新型スバル フォレスターの日本での発売日は、2025年4月17日です。
スバルは2025年4月3日に新型フォレスターの日本仕様について概要を公開し、同日から予約受付を開始しました。その後、2025年4月17日に正式発表と同時に発売が開始されました。
なお、2023年11月にアメリカのロサンゼルスオートショーで初披露され、2024年夏には2025年型モデルとして北米で先行販売されていましたが、日本仕様は約1年遅れての発売となりました。

スバル フォレスターをあえて辛口で評価します
スバル フォレスターをあえて辛口で評価します。まず価格面では、先代モデルと比較してストロングハイブリッド搭載モデルが約88万円高、ガソリンエンジン車が約55万円高となっており、大幅な値上げとなっています。ストロングハイブリッドシステムの採用や装備の充実化が理由とはいえ、ライバル車と比較した際の価格競争力には疑問が残ります。
パワートレインの選択肢については、ストロングハイブリッドと1.8リッターターボの2種類のみとなり、先代で人気だった2.5リッター自然吸気エンジンが廃止されたことは、シンプルさを求めるユーザーにとっては残念なポイントです。ストロングハイブリッドの燃費性能は18.4~18.8km/Lと、ライバルのトヨタRAV4ハイブリッドや日産エクストレイルe-POWERと比較すると必ずしも突出しているとは言えません。
デザイン面では、量感と頑丈さを追求した結果、従来のスマートなイメージから大きく変化し、やや無骨で重厚な印象になりました。これは好みが分かれるポイントで、従来のフォレスターのデザインを好んでいたユーザーには受け入れがたい可能性があります。
ボディサイズは全長4655mm、全幅1830mmと、先代から全長と全幅が15mmずつ拡大しており、狭い道路や駐車場での取り回しがやや難しくなっています。都市部での日常使いを重視するユーザーにとっては、このサイズ拡大はネガティブに感じられるかもしれません。
荷室容量については、具体的な数値が明記されていない点も気になります。従来モデル同等の大きな荷室開口部を確保したとされていますが、実際の使い勝手や容量の変化については実車で確認する必要があります。

スバル フォレスターのライバル車
スバル フォレスターのライバル車として、まずトヨタ RAV4が挙げられます。RAV4はガソリン車とハイブリッド車を選べ、4WDモデルの価格帯は350~500万円前後と、フォレスターと競合します。フォレスターのターボ車の相手としては、2リッター直列4気筒自然吸気エンジンを搭載するガソリン車が該当します。
日産 エクストレイルは、フォレスターのストロングハイブリッド搭載モデル(S:HEV)のライバル筆頭です。パワーユニットはシリーズ式ハイブリッドのe-POWERで、圧縮比を変化させる機能を備えた1.5リッター直列3気筒ターボが発電を行い、発生した電気でモーターを駆動させる方式を採用しています。
マツダ CX-5も、ミドルサイズSUV市場でフォレスターと競合するモデルです。上質なインテリアと洗練された走りが特徴で、デザイン性を重視するユーザーから支持を集めています。
これらのライバル車はいずれも個性的な特徴を持ち、ミドルサイズSUV市場は群雄割拠の状況となっています。フォレスターは、スバル独自のシンメトリカルAWDや水平対向エンジン、アイサイトなどの先進安全技術を武器に、この激戦区で存在感を示していく必要があります。

主要なスペック
ボディタイプ: 5ドアSUV
乗車定員: 5名
ボディサイズ:
- 全長:4655mm
- 全幅:1830mm
- 全高:1730mm
- ホイールベース:2670mm
- 最低地上高:220mm
車両重量:
- Premium S:HEV:1750kg
- X-BREAK S:HEV:1730kg
- SPORT:1640kg
駆動方式: AWD(全グレード)
エンジン(ストロングハイブリッド搭載モデル):
- 型式:水平対向4気筒2.5L DOHC 16バルブ AVCS直噴
- 最高出力:118kW(160PS)/5600rpm
- 最大トルク:209N・m(21.3kgf・m)/4000-4400rpm
- 駆動用モーター最大出力:88kW(119.6PS)
- 駆動用モーター最大トルク:270N・m(27.5kgf・m)
エンジン(1.8L直噴ターボ搭載モデル):
- 型式:水平対向4気筒1.8L DOHC 16バルブ デュアルAVCS直噴ターボ
- 最高出力:130kW(177PS)/5200-5600rpm
- 最大トルク:300N・m(30.6kgf・m)/1600-3600rpm
トランスミッション: リニアトロニック(CVT)
燃料タンク容量: 63L
使用燃料: 無鉛レギュラーガソリン
燃費(WLTCモード):
- Premium S:HEV:18.4km/L
- X-BREAK S:HEV:18.8km/L
- SPORT:13.6km/L(大型サンルーフ装着車は13.5km/L)
サスペンション形式:
- 前輪:ストラット式独立懸架
- 後輪:ダブルウィッシュボーン式独立懸架
ブレーキ形式:
- 前輪:ベンチレーテッドディスク
- 後輪:ベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ:
- Premium S:HEV:235/50R19(オールシーズン)
- X-BREAK S:HEV、SPORT:225/55R18(オールシーズン)
価格:
Premium S:HEV EX:459万8000円(消費税10%込)
SPORT:404万8000円(消費税10%込)
SPORT EX:419万1000円(消費税10%込)
X-BREAK S:HEV:420万2000円(消費税10%込)
X-BREAK S:HEV EX:447万7000円(消費税10%込)
Premium S:HEV:448万8000円(消費税10%込)

まとめ
2025年4月17日に発表された第6世代のスバル フォレスターは、ストロングハイブリッドシステムの採用や新世代アイサイトの搭載により、環境性能と安全性能を大幅に向上させました。量感と頑丈さを追求した堂々としたエクステリアデザインと、タフで安心感のあるインテリアデザインにより、正統派SUVとしての存在感を強めています。世界初のサイクリスト対応歩行者保護エアバッグや高度運転支援システム「アイサイトX」の採用など、安全装備の充実も特筆すべき点です。価格は404万8000円からとなり、先代モデルから大幅に値上げされましたが、ストロングハイブリッドの上質な走りと充実した装備内容を考えれば納得できる価格設定と言えるでしょう。1997年の初代デビューから数えて28年、スバルの中核を担うフォレスターは、日常から非日常まで幅広いシーンで活躍する頼れるパートナーとして、さらなる進化を遂げました。




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