新型ミニクーパー(MINI 3ドア)発表:オールEVへ進化して登場 [徹底解説]

愛らしいデザインとスポーティな走りが楽しめるコンパクトな英国車ミニクーパー(MINI Cooper)。レトロな印象が強いこの車ですが、新型車は先進的で洗練された現代の車に進化しました。

5代目となる新型ミニクーパー(日本名:MINI 3 DOOR/ミニ 3ドア)は、2023年9月1日に英国で発表され、電動化とデザイン革新を遂げた魅力的なモデルになりました。この車はMINIハッチバックの新世代モデルとして位置づけられ、海外での車名が「MINIハッチバック」から「MINIクーパー」へと原点回帰しました。新しいEVパワートレインを搭載し、快適性を向上させつつ、レザーフリーのインテリアや大型インフォテインメントディスプレイの搭載により、持続可能性と最新技術を融合させた新型車です​​​​。

車の概要:新型ミニクーパーとは?

MINIの小型3ドアハッチバックモデル「新型ミニクーパー」は、MINIの長い歴史における最新作です。MINIの起源は1959年に遡り、当時の燃料危機を背景に、コンパクトで燃料効率の高い車として誕生しました。タイヤを四隅に配置して、小型でも広い室内を作り上げたのです。その革新的なデザインと走行性能で、すぐにカルト的な人気を博し、イギリスを代表する車種の一つになりました。時を経て、BMWグループの傘下に入り、さらに進化を遂げたMINIは、高い運動性能とプレミアムな質感で世界中に愛され続けています。

新型ミニクーパーは、この歴史あるブランドのDNAを受け継ぎつつ、現代の技術とデザインを融合させています。伝統の「MINIハッチバック」から名称を変更し、新たな時代の「MINIクーパー」として再生しました。最新のEVパワートレインの採用により、持続可能性と走行性能のバランスを高めました。MINIは2030年までにオールEVブランドになると宣言しており、新型ミニクーパーはその戦略を推し進める重要なモデルとなっています。この新型車は、MINIの伝統を守りながらも、新しい価値観と先進技術を融合させることで、自動車業界の新たな標準を設定しています​​​​。

新型ミニクーパーのエクステリアデザイン

新型ミニクーパーのエクステリアデザインは、「カリスマティック・シンプリシティ(Charismatic Simplicity)」と名付けられたMINI独自のデザイン言語に基づいています。これは、モダンでデジタルな特徴とMINIの伝統的な要素を巧みに融合させたものです。新しいデザインは、MINIの歴史にインスパイアされたものであり、未来志向のテクノロジーと、ブランドの原点を組み合わせています​​。

フロントデザイン

新型ミニクーパーのフロントエンドは、特徴的な円形ヘッドライトと新しい八角形フロントグリルによって特徴づけられます。この八角形のグリルは、先代モデルの六角形のグリルから進化しており、力強い印象を与えます。フィリグリー(線細工)のような輪郭と新しいアクセントカラーのバイブラントシルバーが、エクステリアにユニークなハイライトを加えています。LEDヘッドライトのデイタイムランニングライトは、新しいビームとユニークなライトシグネチャーで外観に新たな輝きを添えています​​。

サイドビュー

サイドビューでは、大径ホイールとロングホイールベースのコントラストが、新型MINIクーパーの魅力を一層引き立てます。ショートオーバーハング、ショートボンネット、対照的なロングホイールベースにより、俊敏でコンパクトなシルエットが特徴です。フラッシュドアハンドル、ウイングフレアの廃止、クラシカルなサイドスカットルの削除などのディテールが、クリアな表面処理によるモダンなエクステリアデザインを支えています​​。

リアデザイン

リアセクションは、クリアな表面とフラッシュリアライトで新しいMINIの美学を表現しています。縦型のライトクラスターは、クラシックなMINIのライトを引用し、さまざまな設定に切り替えることが可能です。サードブレーキライトとリアフォグライトは、リアデザインと一体化されており、モダンなリアデザインの高い質感を際立たせています​​。

エアロダイナミクスとホイール

新型ミニクーパーでは、エアロダイナミクスの改善も重要な要素です。空気抵抗のCd値は0.28に低減され、効率的な走行が可能になっています。足元には16インチから18インチまでのホイールが設定され、全体のバランスを整えることで、引き締まったスタイルを実現しています​​。

新型ミニクーパーのインテリアデザイン

新型ミニクーパーの内装は、伝統的なシンプルなデザインが踏襲されており、その中に現代の最新のデザインが融合しています。特にダッシュボード中央の大型有機ELディスプレイが印象的な室内空間になっています。

ミニマリストデザイン

インテリアでは、クラシック・ミニの有名なミニマリスト デザインが引用されています。1959年の初代モデルのためにアレック・イシゴニスによってデザインされた中央の円形ディスプレイと特徴的なトグル・スイッチ・バーが現代版に反映されています。この伝統的なエレメントは、ステアリング・ホイールと共に、極めてピュアなインテリアデザインを形成しています​​。

先進的なダッシュボード

ダッシュボードは、初めてテキスタイル素材が採用され、暖かみのある心地よいデザインを特徴づけています。この特別に開発されたニッティング・プロセスにより作られたリサイクル・ポリエステルのデザイン・テキスタイルは、手入れが簡単で汎用性の高い構造を持っています。このテキスタイルの使用は、インテリアの新しい、家庭的で心地よい雰囲気を演出しています​​。

高解像度有機EL(OLED)ディスプレイ

中央には直径240mmの円形有機ELディスプレイが配置され、車両関連情報の表示に加え、ナビゲーション、メディア、電話、気候制御などの各種メニューへのアクセスが可能です。MINIオペレーティング・システム9により、すべての車両機能をタッチまたは音声で直感的に操作することができ、ディスプレイの操作ロジックはスマートフォンを彷彿とさせます​​。

MINIエクスペリエンス・モード

標準装備のMINIエクスペリエンス・モードには、「コア、グリーン、ゴーカート」のモードが用意されており、それぞれ固有のユーザー・インターフェース・デザインが施されています。オプションのMINIプロジェクターは、OLEDディスプレイの背面に設置され、ダッシュボードにマッチした色の世界とパターンを映し出します。この没入感のあるユーザー・エクスペリエンスは、インテリアの表現力をさらに高め、新型ミニクーパーの個性化のためのまったく新しい可能性を実現しています​​。

再設計されたトグル・バー

新型ミニクーパーでは、ダッシュボードの下に整然と配置された再設計されたトグル・バーが特徴です。このトグル・バーは、MINIの伝統的なデザイン要素を現代的な解釈で再構築しています。5つの個別にデザインされたトグルスイッチは、最も重要な運転機能に直接アクセス可能となっており、パーキングブレーキ、ギアセレクター、スタート/ストップキー、エクスペリエンスモードトグル、ボリュームコントロールが含まれています​​。

新型ミニクーパーのドライビング性能

新型ミニクーパーのドライビング性能は、その電動化によって進化しています。

モデルによって異なるパワートレインが用意されており、ベースモデルのクーパーEでは184PSの最高出力と290Nmの最大トルクを、パフォーマンス仕様のクーパーSEでは218PSの最高出力と330Nmの最大トルクを実現しています。
クーパーEは0-100km/h加速が7.3秒、クーパーSEでは6.7秒という数値を達成しており、EVならではの高い加速性能を誇っています。
さらに、クーパーEの航続距離は305km、クーパーSEでは402kmと、それぞれのバッテリー容量に応じた長距離走行が可能です。

新しいMINIエクスペリエンスモードではコア、グリーン、ゴーカートの3つのモードで異なるドライビング体験ができます。ゴーカートモードではミニクーパーのDNAであるカーレースを意識したエモーショナルなドライビングが楽しめます。グリーンモードでは効率を最優先して、エコな運転を楽しめます。

新型ミニクーパーの安全性能・運転支援機能

新型ミニクーパーは新しいドライバー・アシスタンス・システムを搭載しており、安全で快適なドライビングが出来ます。
パーキング・アシスタントの自動駐車機能に加えて、パーキング・アシスタント・プラスは、駐車をさらに簡単にします。12個の超音波センサーと4個のサラウンドビューカメラにより、車両は駐車可能なスペースをより明確に識別し、狭い場所での駐車操作を開始することもできます。エクスプローラー・モードは、新型ミニクーパーの横のスペースが狭くて進入できない場合に、スマートフォンを使って簡単に駐車することができます。

新型ミニクーパーの価格

新型ミニクーパーの英国での価格は約555万円からです。

新型ミニクーパーの発売時期

新型ミニクーパーの販売時期は未発表ですが、2024年に発売される想定です。

各国での予約はすでに開始されています。

新型ミニクーパーは日本で発売される?

新型ミニクーパーは日本でも発売される予定です。

新型ミニクーパーの日本での発売時期は発表されていませんが、MINI公式サイト上で「The New All-Electric MINI Cooper」の事前予約を受付中となっています。

新型ミニクーパーの辛口評価

新型ミニクーパーをあえて辛口で評価すると、最大の課題は、伝統的なMINIの魅力を電動化という新時代の流れの中でどのように表現し、発展させるかという点にあると思います。MINIの核となる楽しさとアジリティは、新しい電動パワートレインによって異なる形で表現されており、従来のMINIファンからは物足りなさを感じられる可能性があります。
また、EVの航続距離は競合モデルに比べて長くはなく、長距離ドライブやアクティブな使用にはやや不安が残ります。
さらに安全技術に関しては、一部の最新機能がオプション扱いである点も、競合他車と比較すると劣位に立たされる可能性があります。

新型ミニクーパーのライバル車

ミニクーパーの競合モデルとしては以下が挙げられます。主に小型のプレミアムEV輸入車がライバルとなります。

メルセデス・ベンツ EQA

EQAは、メルセデス・ベンツが製造・販売するコンパクトの電気自動車です。2021年に発売されました。EQAの最大の特徴は、高級感のある内外装です。インテリアには、上質な素材や装飾が施され、プレミアムな雰囲気を演出しています。価格は782万円から。

アウディ Q2 e-tron

Q2 e-tronは、アウディが製造・販売するコンパクトの電気自動車です。2021年に発売されました。Q2 e-tronの最大の特徴は、高級感のある内外装です。インテリアには、上質な素材や装飾が施され、プレミアムな雰囲気を演出しています。また、エクステリアも、洗練されたデザインを採用しています。さらに、Q2 e-tronは、優れた運転性能も備えています。最新のエンジンとトランスミッションを搭載し、力強くスムーズな走りを実現しています。また、最新の安全装備も充実しています。日本では未販売。

BMW i3

i3は、BMWが製造・販売していたコンパクトの電気自動車です。2014年に発売されました。i3の最大の特徴は、個性的なデザインです。丸みを帯びたデザインは、他の電気自動車とは一線を画しています。さらに、i3は、優れた走行性能も備えています。最高出力170PS、最大トルク250Nmを発生する電気モーターを搭載。2022年に販売を終了しました。

まとめ

新型ミニクーパーは、革新的な電動パワートレイン、先進的なインフォテインメントシステム、そして伝統を踏襲しつつも現代的に進化したデザインを持つ一台です。ドライビング性能においては、高い加速力とそこそこ十分な航続距離を実現していますが、その一方でMINI特有の「ゴーカートフィーリング」を電動化によってどの程度維持できているかは一考の余地があります。これは一度乗って確かめたいですね。いずれにせよ、MINIの新たな時代への挑戦が楽しみな一台です。

MINI COOPER 公式ページはこちら

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