新型プジョー E-3008:スタイリッシュなファストバックSUVのEVが登場 [徹底解説]

プジョーは、革新的なEVモデル「E-3008」を2023年9月に発表しました​​。プジョーのベストセラーであるプジョー 3008を全く新しいモデルへと進化させました。プジョーの電動化戦略をリードする重要な役割を担うこのE-3008を徹底解説していきます。

車の概要:プジョー E-3008とは?

プジョー E-3008(PEUGEOT E-3008)は、プジョー 3008の最新フル電動モデルです。モデルとしは3代目へのフルモデルチェンジとなります。2009年の初代モデルのデビューから進化を遂げ、2017年の2代目のリリースを経て、現在は全世界130ヵ国で132万台以上を販売する人気のコンパクトクロスオーバーSUVです​​。

プジョーは電動化戦略として、早ければ2025年にフルラインナップのEVを登場させ、2030年までに欧州で販売するすべてのクルマをEVにすると発表しました。このE-3008の投入はその新しい戦略を担う一歩となります。

E-3008はステランティス・グループが開発したEV専用プラットフォーム「STLA ミディアム」を採用し、最大航続距離700km、20%から80%への充電時間30分という高性能。このプラットフォームは、高い効率性と最新のコネクテッドサービスを提供することで、クラス最高のパフォーマンスを実現します​​。

また、プジョー E-3008はヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤー 2024の最終候補に選ばれました。最終候補に残っているのは7台で、最優秀賞となるカーオブザイヤーは2024年2月26日に発表されます。

プジョー E-3008のエクステリアデザイン

新型プジョー E-3008のエクステリアは、先進的でスタイリッシュなファストバックSUVスタイルが魅力的。ここでは、その特徴的なエクステリアデザインについて解説します。

ファストバックSUVスタイル

E-3008は、そのファストバックSUVスタイルで注目を集めています。ネコのような姿勢と称する躍動感のあるスタイリッシュなフォルム。全長4542mm、全幅1895mm、全高1641mmというバランスの取れたボディサイズにより、エレガンスと効率性が共存する外観を実現しています。この流線型のフォルムは、空気抵抗係数(Cd値)を0.28という高い水準に保ち、エアロダイナミクスを最適化しています​​。

フロントエンドのデザイン

フロントエンドでは、プジョーの新しいエンブレムを中心にデザインされた新形状の大型グリルを採用。象徴的な3Dの3本爪のライトシグネチャーはそのままに、ヘッドランプとグリルは全面的に刷新されています。超小型のLEDヘッドライトは、フロントセクション全体を包むスリムでエレガントなストリップに収められ、GTモデルにはピクセルLEDテクノロジーが標準装備されています​​。

リヤセクションのデザイン

リヤセクションでは、伝統的なファストバックラインがフローティングスポイラーによって現代風にアレンジされています。この革新的なデザインは、新型E-3008のボディワークのカーブを強調し、エアロダイナミクスを最適化します​​。

その他のデザイン

新型E-3008では、サイドウインドウのシールをドアに隠すことで、より流麗なサイドデザインを実現しています。また、ボディ上の装飾的なインサートの数を減らし、すべてのメッキパーツを取り除いています​​。

色と仕上げ

外装の色には、革新的な二色性顔料を使用した「オブセッション・ブルー」や「インガロ・ブルー」などの新色が含まれています。これらの色は、新型E-3008のモダンなラインを際立たせています。その他にも「オケナイト・ホワイト」「パール・ブラック」「アーテンス・グレー」「チタニウム・グレー」などがあり、GTモデルではグロスブラックのルーフとのツートーンが標準装備されています​​。

プジョー E-3008のインテリアデザイン

新型プジョー E-3008のインテリアデザインは、アルミのトリムとファブリック、LED照明が織りなす上質な空間。特に湾曲したフローティング パノラミックスクリーンが印象的な、先進技術と快適性を融合した洗練された空間です。

プジョー・パノラミックiコックピット

E-3008のインテリアの中心は、最新のプジョーブランドデザイン「パノラミックiコックピット」です。デジタルインストルメントクラスター、ヘッドアップディスプレイ、タッチスクリーンを一つのユニットに統合した21インチの曲面フローティング・パノラマスクリーンが特徴です。このスクリーンは後脚で支えられ、浮いているような効果を生み出すLEDがベースに付いています。タッチセンサー式の曲面ディスプレイの右側は、インフォテインメント、設定、空調制御にアクセス可能です​​。

素材を組み合わせた上質で洗練されたインテリア

ダッシュボードを横切るアルミのトリム、ファブリックなどの上質な素材にLEDライティング組み合わされた、高級感のある空間が魅力的。

コンパクトなステアリング・ホイール

コンパクトなステアリング・ホイールは、プジョー i-コックピットの基本要素であり、大幅に改良されています。新しい操作系は人間工学に基づいて最適化され、ドライバーの指を自動的に検知し、誤操作を防ぐために押したときのみ作動します。E-3008 GTには、ヒーター付きのステアリングホイールが標準装備されています​​。

快適なキャビン

E-3008のキャビンは、ゆったりとした明るい空間で、リラックスした時間を提供します。新しいフロントシートは、抜群の快適性を保証し、ドイツの医師・セラビスと協会が認定したAGR (Aktion Gesunder Rücken)ラベルを獲得しています。GTバージョンでは、ベンチレーションとマッサージ機能、リアヒーターも装備されています。フロントシートには、アダプティブ・サイドボルスターが装備され、乗員の体型に合わせて電動で膨らんだり縮んだりします​​。

収納スペースと積載量

新型E-3008のパッセンジャー・コンパートメントには、17種類の収納スペースがあり、総容量は約34Lです。センター・コンソールには、ワイヤレス・フォン充電、中央アームレスト下の冷却収納スペース、ルーフ・コンソールのメガネホルダーなどがあります。パーセルシェルフ下のトランク容量は520Lで、新型STLAミディアムプラットフォームは、エンジンの種類にかかわらず、同じトランクルームを提供します​​。

プジョー E-3008のドライビング性能

新型プジョー E-3008のドライビング性能について、以下のような特徴が挙げられます。

EVパワートレイン

新型E-3008は、3種類のフル電動パワートレインを搭載し、ニーズに応じて選ぶことができます。コンパクトながら最大700kmという航続距離が実現されています。

  • シングルモーター(2輪駆動):最高出力210hp/157kW、最大トルク343Nm、航続距離525km
  • デュアルモーター(4輪駆動):最高出力320hp / 240kW、最大トルク(フロント343Nm、リア166Nm)航続距離525km
  • シングルモーターロングレンジ(2輪駆動):最高出力230hp/170kW、最大トルク343Nm、航続距離700km

今後プラグインハイブリッドモデルやハイブリッドモデルも登場予定となっています。

ドライビングダイナミクス

新型E-3008は、新しいSTLA Mediumプラットフォームを採用しています。これにより、新設計の前後軸がダイナミックな路面保持を提供し、プラットフォーム自体のアーキテクチャが車両の中心重心を低く保ちながら、軽量かつ剛性のある素材を最大限に活用しています​​。車体は重いものの、そのサイズにしては軽量化(アルミニウム製バッテリーケース、合金ボンネット、複合材製テールゲートなど)が施されており、73kWhバッテリー搭載のE-3008は約2.1トンの重さがあります​​。

ドライビングモード

ドライバーは、センターコンソールにあるコントロールを使用して4つのドライビングモードから選択できます。これにより、E-3008の性能をドライバーの希望や交通状況に適応させることが可能です。モードにはノーマル、エコ、スポーツ、4WDがあります​​。

市街地での取り回し

新型E-3008は、コンパクトでそのカテゴリーの100%電気SUVの中で最高の最小回転半径(10.6m)を誇り、市街地の交通では特に扱いやすいです。簡単な操縦を支援するために、標準装備のリアカメラが装備されており、ドライバーに2つの角度(リアビューまたはバードアイビュー)を提供します​​。

半自動運転機能

新型E-3008には、プジョーののDrive Assist Plus System(ドライブアシストプラスシステム)が搭載され、これにより半自動運転が一歩進んでいます。このシステムは、車のすべてのセンサー(カメラ、レーダーなど)と接続されたナビゲーションシステムの情報を利用して、ドライバーを支援します​​。このシステムでは以下の機能が運転支援を行います。

・ストップ&ゴーとレーンキーピングアシスト付きアダプティブクルーズコントロール
・半自動レーンチェンジ
・アーリースピードレコメンデーション(道路標識を読み取り、速度の変更を提案)

プジョー E-3008の安全性能

新型プジョー E-3008は、以下の最新のアクティブセーフティ技術を搭載しています。

衝突アラート付き自動緊急ブレーキ

この機能は、車両、歩行者、自転車を日夜問わず検出し、7km/hから140km/hまでの速度範囲で作動します。衝突の危険があると判断された場合、ドライバーに警告し、必要に応じて自動的にブレーキをかけます。

車線逸脱修正機能付きアクティブ車線逸脱アラート

このシステムは、車両が意図せず車線を逸脱しそうになった際にドライバーに警告し、必要に応じてステアリングを調整して車両を車線内に保ちます。

ドライバー注意警告

車両の動きを分析することで、ドライバーの注意散漫を検出します。これにより、疲労や注意力の低下による事故のリスクを軽減します。

高度な道路標識認識

このシステムは、停止、一方通行、追い越し禁止、追い越し禁止終了などの道路標識をデジタル表示し、通常の速度標識に加えて、より広範な道路情報を提供します。

長距離ブラインドスポットモニタリング

最大75メートルの範囲で、車両のブラインドスポットにある他の車両を検出し、ドライバーに警告します。

ヒルディセントコントロール

この機能は、下り坂での運転時に車両のスピードを自動的に調整し、スキッドやコントロールの喪失を防ぎます。このシステムは、前進または後進時に30km/h以下の速度で作動します。

アドバンスト・トラクションコントロール

滑りやすい表面でのグリップを最適化するために設計されており、雪、泥、砂の3つの位置で活性化できます​​。

これらの安全機能は、新型E-3008を運転する際の安全性を高め、ドライバーに自信を持って運転できる環境を提供します。

プジョー E-3008の価格

英国でのプジョー E-3008の価格は約860万円から。上位グレードのE-3008 GTは約930万円。

プジョー E-3008の発売時期

英国ではプジョー E-3008は2024年2月に納車が開始されます。

プジョー E-3008は日本で発売される?

日本でプジョー E-3008が発売されるかどうか、発表されていません。

プジョー E3008の日本での価格や発売時期についても未定です。

プジョー E-3008の辛口評価

新型プジョー E-3008に関して、あえて辛口評価をまとめると以下のポイントが挙げられます。

車両重量

E-3008の最大の欠点は、その重さです。車体重量が2.1トンを超えるため、運転時にはこの重量が常に感じられる可能性があります。特にタイトなコーナーでの反応や、急な道路の凹凸に対する反応が課題です。

価格

英国での価格が約860万円からと、高級車レベルの価格帯となっています。高級EVと競合するため、求められる基準が高くなりますが、その期待に答えられるか課題になります。

プジョー E-3008のライバル車

プジョー E-3008の競合モデルとしては以下が挙げられます。主に中型のプレミアムEV輸入車がライバルとなります。

フォルクスワーゲン ID.4

ID.4は、フォルクスワーゲンが製造・販売する中型の電気自動車です。2020年に発売されました。ID.4の最大の特徴は、リーズナブルな価格です。同クラスの電気自動車と比較すると、価格を抑えたモデルとして人気を集めています。また、ID.4は、充実した航続距離も魅力です。388km~561kmの航続距離を実現しており、日常の使用に十分な距離を走行することができます。さらに、ID.4は、最新の安全装備も充実しています。全車に、自動ブレーキ、車線逸脱警報、車線維持支援システムなどの安全装備が標準装備されています。価格は500万円から。詳細は以下の記事で解説しています。

アウディ Q4 e-tron

Q4 e-tronは、アウディが製造・販売する中型の電気自動車です。2021年に発売されました。Q4 e-tronの最大の特徴は、高級感のある内外装です。インテリアには、上質な素材や装飾が施され、プレミアムな雰囲気を演出しています。また、エクステリアも、洗練されたデザインを採用しています。さらに、Q4 e-tronは、優れた運転性能も備えています。最新のエンジンとトランスミッションを搭載し、力強くスムーズな走りを実現しています。また、最新の安全装備も充実しています。欧州での価格は約835万円から。詳細は以下の記事で解説しています。

BMW iX3

iX3は、BMWが製造・販売する中型の電気自動車です。2021年に発売されました。iX3の最大の特徴は、スポーティな走行性能です。最新のエンジンとトランスミッションを搭載し、力強く俊敏な走りを実現しています。また、スポーティなデザインも魅力です。さらに、iX3は、高級感のある内外装も備えています。インテリアには、上質な素材や装飾が施され、プレミアムな雰囲気を演出しています。また、最新の安全装備も充実しています。価格は922万円から。

メルセデス・ベンツ EQB

EQBは、メルセデス・ベンツが製造・販売する中型の電気自動車です。日本では2022年に発売ました。

EQBの最大の特徴は、3列シートの広い室内空間です。2列目シートを倒すと、最大1,710Lの荷室スペースを確保することができます。また、優れた安全性能も魅力です。さらに、EQBは、最新の運転支援システムも充実しています。全車に、自動ブレーキ、車線逸脱警報、車線維持支援システムなどの安全装備が標準装備されています。価格は822万円から。

まとめ

最近のプジョーはエクステリア、インテリアともに非常に洗練されきています。プジョーの新たなデザイン言語は機能していると言えるでしょう。今回はEVのみの発表でしたが、今後PHEVモデルやHVモデルも登場予定とのことで、世界中で売れるモデルになるでしょう。

PEUGEOT E-3008 公式プレスリリースはこちら(英語)

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