2025年10月29日のプレスデーで幕を開けたジャパンモビリティショー2025のレクサスブースにて、革新的なラグジュアリーヨットのコンセプトモデルが世界初公開されました。
レクサスは「DISCOVER THE LEXUS LIFE」というキーワードのもと、自動車に限らず、空や海を含めた360度のモビリティを追求しています。

車の概要:レクサス カタマランとは?
レクサス カタマランは、レクサスが提案する双胴船(カタマラン)スタイルのラグジュアリーセーリングヨットのコンセプトモデルです。
レクサスのヨット事業は、2017年1月に発表された「LEXUS Sport Yacht Concept」から始まりました。
この42フィートのオープンエクスプレスクルーザーは、LC500やRC Fに搭載される5リッターV8エンジンを搭載していました。
その後、2019年にはより洗練された居住空間を持つ「LY650」が誕生し、全長約20メートル、価格約4億5000万円で販売が開始されました。
2024年には「LY650」を一部改良した新型「LY680」が発表され、フライブリッジとスイミングプラットフォームを拡充しています。
そして2025年、レクサスは新たな挑戦として、カタマラン(双胴船)スタイルのセーリングヨットのコンセプトを発表しました。
今回のレクサス カタマランは、レクサスとして4作目のマリンプロジェクトに位置づけられ、これまでのパワーボートから帆走を主体とするセーリングヨットへと新たな領域に踏み込んだモデルとなります。

レクサス カタマランのエクステリアデザイン
レクサス カタマランの最大の特徴は、双胴船(カタマラン)スタイルを採用していることです。
カタマランとは、細長い船体を2つ並べ、甲板で平行につないだ構造の船を指します。
この構造は安定感が高く、水の抵抗が少ないため速度が出せるというメリットがあります。
船体上部には、2本のマストが立てられており、セールにはウイングセールを採用しています。
このウイングセールには、ソーラーパネルが内蔵されており、クリーンなエネルギーを活用しながら航行することが可能です。
縦に伸びた2つの帆は、単なる推進装置ではなく、太陽光発電によって船内の電力を賄う環境配慮型のデザインとなっています。
風を受けて走るセーリングヨットは、CO2削減という観点にも合致しており、単にラグジュアリーばかりを追い求めるのではなく、これからの時代の乗り物に求められる環境性能がしっかりと反映されています。
レクサス カタマランのボディサイズは、全長24メートル以上のスーパーヨット(全長24メートル以上)の範疇に入るとされています。



レクサス カタマランのインテリアデザイン
レクサス カタマランのインテリアは、居住空間を重視した設計が特徴です。
双胴船(カタマラン)スタイルを採用したことで、従来の単胴船と比較して広大な居住スペースを確保することが可能になりました。
後部から見た限り、船内のメインサロン、そしてフライブリッジには、かなりのゆとりにあふれた空間が広がっています。
レクサスのデザインフィロソフィーであるL-finesseを具現化し、先進的なデザインと日本のおもてなし思想を融合させた空間となっています。

「海の真ん中で、本物を知る人が素の自分に戻れる、隠れ家のような空間」というコンセプトのもと、細部まで作りこんだ快適な居住空間を実現しています。
レクサスが目指すのは、「日常の生活から解き放たれたオフグリッドの豊かな環境でのくつろぎを楽しむスタイル」です。
この思想を体現するため、プライバシーと冒険の両立を海の上でも実現できる空間設計が施されています。

レクサス カタマランの航行性能
レクサス カタマランの航行性能において、最大の特徴は「自動操船」機能です。
レクサスが自動車で培った自動運転技術を活用し、長時間、船員を必要とせず移動可能な自動操船を実現しています。
これにより、海上で一人きりになるという最上級のプライバシーを確保し、コンセプトでもある日常からの「真のエスケープ」を叶えます。
ウイングセールに内蔵されたソーラーパネルにより、クリーンなエネルギーを活用しながら航行することができます。
環境負荷を低減しながら、罪悪感のない(guilt-free)クルージングを楽しむことができる設計となっています。
双胴船構造による安定性の高さと、水の抵抗が少ない船体形状により、優れた航走性能を実現しています。

レクサス カタマランの価格
レクサス カタマランの価格については、現時点では公表されていません。
今回のジャパンモビリティショー2025での展示は、あくまでもコンセプトをイメージした模型の展示となっており、市販化に向けた具体的な価格設定は明らかにされていません。
参考までに、レクサスが2019年に発表したラグジュアリーヨット「LY650」の日本での販売価格は約4億5000万円でした。
全長24メートル以上のスーパーヨットとされるレクサス カタマランは、LY650(全長約20メートル)よりもさらに大型であることから、市販化された場合はより高額になることが予想されます。
レクサス カタマランの発売時期
レクサス カタマランの具体的な発売時期については、現時点では発表されていません。
ジャパンモビリティショー2025での展示は模型によるコンセプト提示であり、実艇の建造や市販化に向けたスケジュールは明らかにされていません。
ただし、チーフブランディングオフィサーのサイモン・ハンフリーズ氏は、レクサスが今後の展開の中でヨットを視野に入れていることを示唆しており、将来的な実現への期待が高まっています。
レクサスは2017年のコンセプト発表から2019年のLY650市販化まで約2年を要しており、同様のスケジュールで進めば、2027年前後の発売も考えられますが、現時点では不透明です。
レクサス カタマランは日本で発売されるか
レクサス カタマランが日本で発売されるかについては、現時点では明らかにされていません。
ただし、レクサスのラグジュアリーヨット「LY650」は、日本でもトヨタマリン営業所や名古屋トヨペットの船舶部門などを通じて販売されており、約4億5000万円で購入可能でした。
レクサス カタマランについても、市販化が実現すれば、同様の販売チャネルを通じて日本国内での販売が行われる可能性は十分にあると考えられます。
レクサスは日本のラグジュアリーブランドとして、国内の富裕層に向けたライフスタイル提案を重視しており、海のモビリティについても日本市場を重要視している姿勢がうかがえます。
レクサス カタマランをあえて辛口で評価します。
レクサス カタマランをあえて辛口で評価すると、いくつかの懸念点が浮かび上がります。
まず最大の問題は、今回の展示が実艇ではなく模型のみであるという点です。
具体的な仕様や性能データ、価格、発売時期など、実用面での情報が一切明らかにされていないため、現時点ではあくまで「構想」の段階に過ぎません。
全長24メートル以上のスーパーヨットとなれば、購入価格だけでなく、維持費、係留費、保険料など、年間数千万円規模のランニングコストが発生することが予想されます。
LY650でも燃料タンクを満タンにするだけで約48万円かかることを考えると、カタマランはさらに高額な維持費が必要になるでしょう。
また、自動操船機能を謳っていますが、現行の海事法規において完全無人での航行がどこまで認められるのかという法的な課題も残ります。
ソーラーパネル内蔵のウイングセールという環境配慮型デザインは魅力的ですが、曇天や夜間の航行時にどの程度の電力が確保できるのか、実用性については疑問が残ります。
レクサスブランドとして海のモビリティに挑戦する姿勢は評価できますが、市販化に向けては乗り越えるべき課題が山積していると言わざるを得ません。
レクサス カタマランのライバル
レクサス カタマランのライバルとなるのは、世界的なラグジュアリーヨットブランドが手がける高級カタマランヨットです。
ヨーロッパの名門ヨットビルダーであるラグーン(Lagoon)やファウンテン・パジョット(Fountaine Pajot)などが、全長20メートル以上のラグジュアリーカタマランを展開しており、これらが直接的な競合となります。
また、スーパーヨット市場では、フェラーリやランボルギーニといった自動車ブランドもヨット事業に参入しており、ブランド間の競争が激化しています。
レクサスが既に展開しているパワーボート「LY650」「LY680」も、別のセグメントながらラグジュアリーマリン市場における競合製品として位置づけられます。
自動操船機能やソーラーパネル内蔵ウイングセールなど、先進技術を武器に差別化を図れるかが、市場での成功の鍵となるでしょう。
まとめ
2025年10月29日のジャパンモビリティショー2025で発表されたレクサス カタマランは、レクサスが目指す「360度のモビリティ」の一環として提案された革新的なラグジュアリーセーリングヨットのコンセプトモデルです。
双胴船スタイルによる広大な居住空間、ソーラーパネル内蔵のウイングセール、自動車技術を活用した自動操船機能など、先進的な要素を数多く取り入れています。
しかし現時点では模型による展示のみで、具体的な価格や発売時期は明らかにされていません。
レクサスは2017年のコンセプト発表から2019年のLY650市販化という実績があり、カタマランについても将来的な実現への期待が高まっています。
陸・海・空を自由に移動する新たなライフスタイルを提案するレクサスの挑戦は、ラグジュアリーブランドの新たな可能性を示すものとして注目されます。



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