新型ダッジチャージャーデイトナ 世界初のEVマッスルカー:価格は890万円から

2024年モデルの新型ダッジ チャージャーは、世界初かつ唯一の電動マッスルカーとして発表されました。この次世代チャージャーは、電動化モデルと内燃機関モデルを組み合わせたマルチエネルギー・ラインアップとして登場します。

車の概要:ダッジ チャージャーとは?

ステランティスグループに属するダッジブランドのダッジ チャージャー(Dodge Charger)は、1966年に初代モデルが登場して以来、約60年の歴史を持つアメリカンマッスルカーの象徴的存在です。今回フルモデルチェンジを実施した2024年モデルは、5代目チャージャーです。新型チャージャーは、ダッジブランド初の完全電動車として登場する「チャージャー デイトナ」シリーズと、内燃機関を搭載する「チャージャー シックスパック」シリーズで構成されています。EVモデルのラインアップは以下の通りです:

  1. チャージャー・デイトナ スキャットパック:670馬力を発揮し、0-60mph加速は3.3秒、1/4マイル加速は11.5秒を記録する世界最速・最強のマッスルカー。
  2. チャージャー・デイトナ R/T:496馬力を発揮するエントリーモデル。

内燃機関モデルには以下が含まれます:

  1. チャージャー・シックスパック H.O.:3.0L ツインターボ ハリケーンエンジンを搭載し、550馬力を発揮。
  2. チャージャー・シックスパック S.O.:420馬力を発揮するスタンダードモデル。

新型チャージャーは、ステランティスの新プラットフォーム「STLA Large」を初めて採用し、全モデルに四輪駆動を標準装備しています。また、電動モデルには特許出願中のフラッツォニック・チャンバード・エキゾーストを搭載し、従来のEVにはない迫力ある排気音を再現しています。

ダッジ チャージャーのエクステリアデザイン

新型チャージャーのエクステリアは、機能性を重視しつつ、過剰な装飾を排除した洗練されたデザインとなっています。歴代モデルのタイムレスなラインを巧みに取り入れながら、現代的な解釈を加えています。

チャージャー・ダイトナモデルの最大の特徴は、特許出願中のフロントR-ウィングです。これは初代チャージャー・ダイトナへのオマージュであると同時に、空気力学的な機能も果たしています。フロント部分に設けられたパススルーエリアにより、ダウンフォースを高めながら、ユニークなビジュアルを生み出しています。

全モデルに共通する特徴として、フロントには白色LEDのクロスカーフルワイドライティング、リアには赤色LEDの「リング・オブ・ファイア」テールランプを採用しています。さらに、フロントとリアのライトの中央には、次世代ダッジ車のシンボルである点灯式フラッツォグロゴが配置されています。

新型チャージャーは、純粋なワイドボディスタンスを特徴としています。2ドアクーペと4ドアセダンは共通のホイールベースを採用しています。標準装備のグロスブラックルーフに加え、オプションでフルレングスのガラスルーフも選択可能です。これにより、キャビン内の開放感が高まるとともに、大型リアハッチと相まって広大なガラスキャノピーを形成しています。

ダッジブランドの特徴である大胆なカラーリングは新型チャージャーでも健在です。エクステリアカラーは8色用意されており、アフターダーク、ブルーディクラス(後日追加予定)、デストロイヤーグレー、ダイヤモンドブラック、ピールアウト、レッドアイ、トリプルニッケル、ホワイトナックルから選択できます。新型ダッジ・チャージャーのエクステリアデザインは、マッスルカーの伝統を受け継ぎながらも、現代的な解釈と革新的な機能性を融合させた魅力的なパッケージとなっています。

ダッジ チャージャーのボディサイズ

新型ダッジ チャージャーのサイズは全長5248mm、全幅2028mm、全高1497mm(スキャットパックは1499mm)です。

ダッジ チャージャーのインテリアデザイン

新型ダッジ チャージャーのインテリアは、ドライバー中心の設計思想に基づいて開発されました。ダッシュボードやコンソールのデザインは、1968年型チャージャーを彷彿とさせるレトロな雰囲気を醸し出しつつ、最新のテクノロジーを搭載しています。

コックピットには、モデルに応じて10.25インチ(R/T)または16インチ(スキャットパック)のデジタルインストルメントクラスターが搭載されています。これらのディスプレイは、クラシック、フォーカス、ナビゲーションベースのレイアウトを選択可能で、ドライバーの好みに合わせてカスタマイズできます。中央には12.3インチのUconnect 5インフォテインメントタッチスクリーンが配置され、TomTomナビゲーション、SiriusXM、Amazon Alexa、ワイヤレスApple CarPlayとAndroid Autoに対応しています。また、EVモデルでは充電ステーションの位置情報も提供します。

インテリアの雰囲気を演出する「アティチュードアジャストメント」と呼ばれる64色のアンビエントライティングシステムを採用しています。このシステムは、ドアの開閉やイグニッションのオン/オフなど、様々な車両イベントに連動して光の色や強度を変化させ、乗員に視覚的なフィードバックを提供します。

標準装備として、クロスとレザレットのコンビネーションシートが採用されています。オプションでブラックナッパレザーやデモニックレッドナッパレザーシートも選択可能です。プラスパッケージ、トラックパッケージ、カーボン&スエードパッケージを選択すると、ユニークなパススルーデザインを施したハイバックフィックスドヘッドレストシートが装備されます。

パフォーマンス指向のステアリングホイールは、フラットトップ/フラットボトムデザインを採用し、加熱機能を備えています。パドルシフターが装備され、回生ブレーキの強度調整が可能です。また、スキャットパックとR/Tモデルには、ステアリングホイールにパワーショットボタンが配置されています。センターコンソールには、モダンな「ピストルグリップ」シフターとスタート/パワーボタンが近接して配置され、操作性を向上させています。

新型チャージャーは、「隠しハッチ」デザインを採用し、クラス最高レベルの荷室容量と後部貨物容量を提供しています。リアシートを折りたたむことで、さらに広大な荷室スペースを確保できます。最大リア荷室容量は38.5立方フィートで、旧型チャージャーと比較して133%増加しています。さらに、フロントトランク(フランク)エリアには追加で1.5立方フィートの収納スペースがあります。

ダッジ チャージャーの走行性能

チャージャー・デイトナ スキャットパックは、670馬力を発揮し、0-60mph(約96km/h)加速は3.3秒です。さらに、1/4マイル(約400m)加速は推定11.5秒で走破可能です。これにより、世界最速・最強のマッスルカーの称号を維持しています。一方、エントリーモデルのチャージャー・デイトナ R/Tも496馬力を発揮し、優れた加速性能を誇ります

両モデルに標準装備されているパワーショット機能は、ステアリングホイールのボタンを押すことで15秒間、40馬力の追加出力を得られます。これにより、瞬間的な加速力が向上し、追い越しや合流時などに威力を発揮します。

新型チャージャーには、様々な走行モードが用意されています。オート、エコ、スポーツ、ウェット/スノーに加え、スキャットパックモデルにはトラックモードとドラッグモードも標準装備されています。これらのモードにより、路面状況や運転スタイルに合わせて車両の特性を最適化できます。

スキャットパックモデルには、ドーナツモードやドリフトモードなど、新しいレースオプションが追加されています。これらの機能により、サーキットやクローズドコースでより多彩な走りを楽しむことができます。

トラックパッケージオプションを選択すると、16インチのブレンボ製ベンチレーテッドローターと、フロント6ピストン/リア4ピストンの固定キャリパーが装備されます。これにより、制動力が大幅に向上し、トラック走行時の安定性が高まります。

デュアルバルブ式セミアクティブサスペンションが採用され、走行状況に応じて減衰力を最適化します。これにより、コーナリング時の安定性と乗り心地の両立を実現しています。

新型チャージャー・デイトナ R/Tの航続距離は約510km以上、チャージャー・デイトナ スキャットパックは約418kmの航続距離を実現しています。これにより、日常使用からロングドライブまで幅広いシーンで活躍できます。新型ダッジ・チャージャーは、電動化によってパワーと効率を両立し、さらに進化したマッスルカーとしての走行性能を実現しています。従来のV8エンジン搭載モデルに引けを取らない、むしろそれを上回る性能を発揮することで、電気自動車時代におけるマッスルカーの新たな基準を打ち立てています。

ダッジ チャージャーの価格

2024年モデルの新型ダッジ・チャージャーの価格は59,595ドル(約890万円)からとなっています。グレードごとの価格は以下の通りです:

  1. チャージャー・デイトナ R/T:59,595ドル(約890万円)
  2. チャージャー・デイトナ スキャットパック:73,190ドル(約1,090万円)

ダッジ チャージャーの発売時期

新型ダッジ・チャージャーの発売時期は以下のように予定されています:

  1. 2ドアクーペ版の電気自動車モデル(チャージャー・デイトナ スキャットパックとR/T):2024年夏から生産開始
  2. 4ドアセダン版の電気自動車モデル:2025年第1四半期から生産開始
  3. 内燃機関モデル(チャージャー SIXPACK H.O.とS.O.):2025年第2四半期から生産開始

ディーラーでの販売開始は2024年第4四半期を予定しています

ダッジ チャージャーは日本で発売される?

現時点で、新型ダッジ・チャージャーの日本での正式発売に関する具体的な情報は公表されていません。ダッジブランドは日本では正規販売されていないため、新型チャージャーが日本で正規販売される可能性は低いと考えられます。ただし、並行輸入や個人輸入という形で日本市場に入ってくる可能性はあります

ダッジ チャージャーの辛口評価

新型ダッジ チャージャーをあえて辛口で評価します。

まず、伝統的なV8エンジンの轟音と振動を愛するマッスルカーファンにとって、電気自動車への完全移行は受け入れがたい可能性があります。フラッツォニック・チャンバード・エキゾーストによる人工的な排気音は、本物のV8エンジンの音に及ばないでしょう

また、670馬力を誇るスキャットパックモデルの航続距離は418kmと、同クラスの電気自動車と比較して決して長くありません。高性能を追求するあまり、実用性が犠牲になっている印象です。

さらに、重量も課題です。電気自動車特有のバッテリーの重さにより、車両重量は2,648kgにも達しています。これは、ハンドリングや俊敏性に影響を与える可能性があります。

ダッジ チャージャーのライバル車

新型ダッジ・チャージャーの主なライバル車としては、以下のモデルが挙げられます:

  1. フォード・マスタング マッハE:
    フォードの電動SUVで、最高出力は480馬力、0-60mph加速は3.5秒と、チャージャーに匹敵する性能を持ちます。SUVボディながら、マッスルカーの血統を受け継ぐモデルとして注目されています。
  2. テスラ・モデル3 パフォーマンス:
    電気自動車のベンチマークとも言えるモデルで、最高出力は450馬力、0-60mph加速は3.1秒と、チャージャー・デイトナ スキャットパックに迫る性能を持ちます。テクノロジーと充電インフラの面では、テスラに一日の長があるでしょう。
  3. BMW i4 M50:
    ドイツの高級電気スポーツセダンで、最高出力は536馬力、0-60mph加速は3.7秒と、チャージャーに近い性能を誇ります。高級感と洗練されたデザインが特徴です。
  4. キア EV6 GT:
    韓国メーカーの電動クロスオーバーで、最高出力は576馬力、0-60mph加速は3.4秒と、チャージャーに引けを取らない性能を持ちます。価格面でも競争力があり、新興勢力として注目されています。

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