2024年8月8日、アメリカのテキサス州オースティンに拠点を置くリンクスモータース(Lynx Motors)が、待望の新型電気自動車「デロリアン DMC-EV」を2025年から納車すると発表しました。これまで数々のメーカーが往年の名車デロリアンの復活にチャレンジしつつも消えていきました。今回のリンクスモータースのデロリアンはついに復活が実現しそうです。
また、この高性能な電気自動車は、限定生産されるエクスクルーシブなモデルとして注目を集めています。
車の概要:リンクスモータース デロリアンDMC-EVとは?
新型デロリアン DMC-EV(DeLorean DMC-EV)は、かつて映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」で一世を風靡したデロリアン DMC-12の魂を受け継ぎつつ、現代の技術で完全に再構築された電気自動車です。

オリジナルのDMC-12は、1981年から1983年にかけて約9,000台が生産された2ドアのスポーツカーでした。その特徴的なガルウィングドアとステンレス鋼のボディで知られていましたが、会社の経営破綻により生産が中止されました。今回のデロリアン DMC-EVは、オリジナルモデルから約40年の時を経て登場する、実質的な第2世代モデルと言えるでしょう。Lynx Motorsが手がけるこの新型車は、クラシックな外観を維持しながら、内部は最新のテクノロジーで刷新されています。
デロリアン DMC-EVは、2ドア2シーターのスポーツカーシルエットを踏襲しつつ、完全な電気自動車(BEV)として生まれ変わりました。4つのインホイールモーターによる全輪駆動システムを採用し、70kWhのCATLバッテリーパックを搭載することで、1回の充電で最大約400キロメートルの走行が可能です。性能面では、0-96km/h(0-60マイル)加速を4秒未満で達成する圧倒的な加速性能を誇ります。また、NAS(TESLA)充電規格に対応し、最新のLEDライティングを採用することで、現代の法規制にも適合しています。内装は高級感あふれるデザインに一新され、LEDインストルメントディスプレイやタッチスクリーンインターフェースを装備。さらに、サイド衝突保護やトラクションコントロールなどの最新の安全機能も搭載し、スリリングな走りと安全性を両立させています。
リンクスモータース デロリアンDMC-EVのエクステリアデザイン
新型デロリアン DMC-EVのエクステリアデザインは、オリジナルのDMC-12の象徴的なシルエットを継承しつつ、現代的な要素を巧みに取り入れています。まず目を引くのは、DMC-12の代名詞とも言えるガルウィングドアです。この特徴的なドアデザインは、新型EVモデルでも健在で、乗り降りの際の華やかさと実用性を両立させています。ボディパネルには、オリジナルモデルと同様にステンレス鋼を採用しており、独特の輝きと耐久性を実現しています。
フロントエンドは、DMC-12のくさび形のシルエットを維持しながら、より洗練されたデザインに進化しています。ヘッドライトは最新のLED技術を採用し、夜間の視認性を向上させるとともに、現代の法規制に適合するよう設計されています。

サイドビューでは、オリジナルモデルの特徴的なルーフラインと低いスタンスを踏襲しつつ、よりスムーズで空力性能に優れたボディラインが採用されています。ホイールアーチは、4つのインホイールモーターを収納するために若干拡大されていますが、全体的なプロポーションのバランスは巧みに保たれています。
リアデザインも、DMC-12の特徴的なルーバーウィンドウを継承しつつ、現代的な解釈が加えられています。テールライトにもLEDテクノロジーが採用され、安全性と視認性が向上しています。充電ポートは、ナンバープレートの下に巧みに配置されており、デザインの一体感を損なうことなく機能性を確保しています。デロリアン DMC-EVのエクステリアデザインは、クラシックな魅力と未来的な要素を絶妙にブレンドした仕上がりとなっています。

デロリアンDMC-EVのボディサイズ
新型デロリアンDMC-EVのサイズは、全長4,267mm、全幅1,988mm、全高1,140mmです。
リンクスモータース デロリアンDMC-EVのインテリアデザイン
新型デロリアン DMC-EVのインテリアは、オリジナルモデルの雰囲気を残しつつ、最新のテクノロジーと高級感を融合させた斬新なデザインとなっています。
運転席に座ると、まず目に飛び込んでくるのが、ほぼ車内全幅に渡って設置された大型ワイドスクリーンディスプレイです。このディスプレイは、スピードメーターやナビゲーション、各種車両情報など、ドライバーに必要なすべての情報を表示します。従来の計器類に代わるこのデジタルコックピットは、未来的な雰囲気を醸し出しています。ステアリングホイールは、新たに3本スポークのカーボンファイバー製となり、スポーティさと高級感を両立させています。ステアリングホイールには各種操作ボタンが配置され、ドライバーは手を離すことなく様々な機能を操作できます。

センターコンソールには、ワイヤレススマートフォン充電器と、ディスプレイ内蔵の回転式コントローラーが配置されています。この回転式コントローラーは、車両の各種設定やインフォテインメントシステムの操作に使用され、直感的な操作を可能にしています。
シートは、現代的なデザインに一新されています。高品質のレザーを使用し、サイドサポートを強化することで、スポーティな走行時でも体をしっかりと支えます。長距離ドライブでも快適に過ごせるよう、ergonomicsにも配慮されています。
ドアパネルも刷新され、高級感のある素材と仕上げが施されています。ガルウィングドアの内側には、操作パネルやスピーカー、収納スペースなどが効率的に配置されています。
室内照明にはLEDを採用し、ドライバーの気分や走行状況に合わせて色や明るさを変更できるアンビエントライティングシステムを搭載しています。これにより、室内の雰囲気を自在に演出することが可能です。
タッチスクリーンインターフェースを採用することで、直感的な操作が可能になっています。また、最新の安全機能として、サイド衝突保護やトラクションコントロールなどが装備されており、快適性と安全性を両立させています。
デロリアン DMC-EVのインテリアは、クラシックな雰囲気を残しつつも、最新のテクノロジーと高級感を融合させた設計となっています。
リンクスモータース デロリアンDMC-EVの走行性能
新型デロリアン DMC-EVは、クラシックな外観に最新のEV技術を融合させ、驚異的な走行性能を実現しています。
デロリアンDMC-EVは、4つのインホイールモーターによる全輪駆動システムを採用しています。この革新的なシステムにより、各車輪に直接トルクを伝達することができ、優れたトラクションと俊敏な加速性能を実現しています。
0-96km/h(0-60マイル)加速は約4秒未満で達成すると見込まれています。これは、オリジナルのDMC-12の9秒以上という加速時間と比較すると、劇的な進化を遂げていることがわかります。さらに、0-141km/h(0-88マイル)加速は約4.35秒で達成すると予想されており、映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のファンにとっては特に印象的な数字となっています。
DMC-EVの最高速度は電子制御により249km/h(155マイル)に制限されています。

70kWhのCATLバッテリーパックを搭載し、1回の充電で最大約400キロメートル(250マイル)の走行が可能です。これは、日常的な使用はもちろん、週末のロングドライブにも十分な航続距離と言えるでしょう。
DMC-EVには複数のドライビングモードが用意されています。エコ、ノーマル、スポーツの3つのモードがあり、それぞれパワー出力と回生ブレーキの設定が異なります。スポーツモードでは最大のパフォーマンスを発揮し、エコモードではバッテリーの消費を抑えた効率的な走行が可能です。
電気自動車への改造にもかかわらず、DMC-EVのサスペンションとブレーキシステムは驚くほど優れた性能を発揮します。オリジナルのDMC-12設計にロータスが関与していたことが、この優れたハンドリング特性に寄与しています。
デロリアンDMC-EVはNACS(TESLA)充電規格に対応しており、高速充電が可能です。また、V2L(Vehicle-to-Load)機能も搭載されており、外部機器に電力を供給することができます。
リンクスモータース デロリアンDMC-EVの価格
新型デロリアン DMC-EVの価格は約3,700万円(249,999ドル)からです。オプションや仕様によってさらに高額になる可能性があります。この価格帯は、高級スポーツカーやスーパーカーの領域に位置しており、デロリアン DMC-EVが限定生産のプレミアムモデルとして位置付けられていることを示しています。
リンクスモータース デロリアンDMC-EVの発売時期
Lynx Motorsの発表によると、デロリアン DMC-EVの納車は2025年から開始される予定です。。また、試乗については2024年後半から可能になるとの情報もあります。
リンクスモータース デロリアンDMC-EVは日本で発売される?
現時点で、デロリアン DMC-EVの日本での正式な発売予定については明確な情報がありません。しかし日本で発売された場合、一定程度の需要はあると想定されます。以前、デロリアン・モーター・カンパニーの日本法人が設立され、「DMCEV」という電気自動車の予約を日本で受け付けた実績があります。当時は30台の初回生産分のうち15台が日本向けに割り当てられ、960万円という高価格にもかかわらず予約が完売したという経緯があります。
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