BMW改良新型3シリーズ:2度目のマイナーチェンジ 欧州価格は約788万円

2024年5月29日、BMWは改良新型3シリーズを発表しました。BMWの看板モデルである3シリーズがマイナーチェンジを実施し、新型モデルは2024年7月から生産開始されます。セダンとツーリングの両モデルが、内装デザインのアップグレードや最新のテクノロジーの搭載などで進化しています。特筆すべきは、プラグインハイブリッドモデルの電気走行可能距離が最大101kmまで延長されたことです。また、シャシーチューニングの最適化によって、スポーティな走りと快適性のバランスがさらに向上しています。

車の概要:BMW 3シリーズとは?

BMW 3シリーズ(BMW 3 Series)は、BMWのスポーツセダンで、1975年のデビュー以来、BMWブランドの中核を担う存在として、スポーティな走りの楽しさとプレミアムな品質を体現してきました。7世代にわたる進化を経て、現行モデルは世界中で約300万台を販売する人気モデルとなっています。

7代目3シリーズでは、エクステリアデザインの洗練、インテリアの高級感の向上、そして最新のBMW Operating System 8.5を搭載したデジタルコックピットの採用など、多岐にわたる改良が施されています。パワートレインラインナップも充実しており、4気筒および6気筒エンジン、プラグインハイブリッドシステム、そしてBMW xDriveインテリジェント4輪駆動システムなど、多彩な選択肢が用意されています。特に注目すべきは、プラグインハイブリッドモデルの進化です。新型の高電圧バッテリーの採用により、電気走行可能距離が大幅に延長され、都市部での走行はもちろん、より長距離のドライブでもゼロエミッションでの走行が可能になりました。

そして2024年に2度目のマイナーチェンジを実施し、内装を中心にアップデートされました。このように、新型BMW 3シリーズは、BMWの伝統的な「駆けぬける歓び」を継承しつつ、最新のテクノロジーと環境性能を融合させた、次世代のプレミアムスポーツセダン/ワゴンとして生まれ変わりました。

BMW 3シリーズのエクステリアデザイン

7代目BMW 3シリーズは、スポーティでエレガントなエクステリアを維持しつつ、より現代的で洗練されたデザインへと進化しました。今回のマイナーチェンジでは、エクステリアには大きな変更はありません。

フロントエンドでは、BMWの象徴的なキドニーグリルとツインサーキュラーヘッドライトが、ブランドの特徴を鮮明に表現しています。グリルとヘッドライトのデザインは洗練され、独特の存在感を放っています。サイドビューでは、彫刻的な面と明確なラインが融合し、ダイナミックなプロファイルを生み出しています。新しく設計されたフロントとリアのエプロンが、車両の動的な印象をさらに強調しています。

カラーバリエーションも充実し、2種類のソリッドカラーと7種類のメタリックカラーが用意されています。新色として、Arctic Race Blue metallicとFire Red metallicが追加され、選択肢が広がりました。さらに、オプションのMスポーツパッケージやMスポーツパッケージProを選択することで、よりスポーティな外観を演出することができます。

ホイールデザインは一新され、Mスポーツパッケージ装着車には新しい19インチMライトアロイホイールがダブルスポークデザインで用意されています。これらのホイールは、ジェットブラック仕上げまたはバイカラー仕上げから選択可能で、サイドビューにさらなるダイナミズムを与えています。BMWインディビジュアルの選択肢として、セダンとツーリングモデル用に新しい19インチライトアロイホイールがY型スポークデザインとバイカラー仕上げで追加されました。これらの新しいホイールはすべて、ミックスサイズタイヤを採用しています。

BMW 3シリーズのボディサイズ

新型BMW 3シリーズのサイズは全長4713mm、全幅1827mm、全高1440mmです。

BMW 3シリーズのインテリアデザイン

新型BMW 3シリーズは、インテリアデザインにおいて進化を遂げています。最新のテクノロジーと洗練されたデザインが融合し、より高級感のある快適な空間を実現しています。まず目を引くのは、最新世代の「BMWカーブドディスプレイ」です。12.3インチのデジタルメーターパネルと14.9インチのタッチ対応インフォテインメントディスプレイが一体となった湾曲ワイドスクリーンが、ドライバーの視線移動を最小限に抑えつつ、情報へのアクセスを容易にしています。

ステアリングホイールも新デザインとなり、スポーティさと機能性が向上しました。標準モデルには2スポークデザインの新型スポーツレザーステアリングホイールが、Mスポーツパッケージ装着車には3スポークデザインの新型Mレザーステアリングホイールが採用されています。後者は、フラットボトムデザインと12時位置のセンターマーキングが特徴で、よりスポーティな雰囲気を演出しています。

インテリアの質感を高める新しい装飾トリムも導入されました。ダークグラファイトマットが標準装備となり、オプションでフィンラインライトオープンポアやグレーブルーアッシュオープンポアのファインウッドトリム、カーボンファイバー、アルミニウムロムビクルアンスラサイトなど、多彩な選択肢が用意されています。

シート表面には、新素材「Mパフォーマンテックス(M Performtex)」が採用されました。この素材は、高品質とスポーティなデザインを兼ね備えつつ、軽量で持続可能な生産方法で製造されています。Mスポーツパッケージ装着車やMパフォーマンスモデルに標準装備されます。

さらに、インテリアの雰囲気を演出するアンビエントライティングも特徴的です。中央のエアベント周辺に統合されたカスケードライティングが標準装備となり、9種類のカラーワールドから好みの色と明るさを選択できるようになりました。操作性の面でも大きな進化が見られます。

最新世代の「BMW iDrive」と「QuickSelect」の導入により、デジタルクライメートコントロールや各種機能の操作が直感的になりました。温度調整、シートヒーター、ステアリングホイールヒーターなどの操作が、タッチスクリーンや音声コマンドで簡単に行えるようになっています。

BMW 3シリーズの走行性能

新型BMW 3シリーズは、スポーティな走りと快適性のバランスが一段と向上し、BMWならではの「駆けぬける歓び」を高いレベルで実現しています。シャシーチューニングが最適化され、路面からの衝撃を効果的に吸収しながらも、ダイナミックな走りを楽しめるようになりました。特に、リアダンパーのボディへの取り付け部分が剛性アップしたことで、全体的な走行安定性が向上しています。これにより、路面状況や選択した走行モードに関わらず、快適性が大幅に向上しました。

BMW 3シリーズのパワートレインは、ガソリンエンジンモデルでは、2.0L直列4気筒ターボエンジンを搭載した318iが115kW(156hp)、320iが135kW(184hp)、330iが180kW(245hp)の最高出力を発揮します。最上級モデルのM340i xDriveは、3.0Lの直列6気筒ターボエンジンを搭載し、275kW(374hp)の最高出力と500Nmの最大トルクを誇ります。
ディーゼルエンジンモデルでは、2.0L直列4気筒ターボディーゼルエンジンを採用した318dが110kW(150hp)、320dが140kW(190hp)の最高出力を発揮します。上位モデルの330d xDriveは3.0L直列6気筒ターボディーゼルエンジンを搭載し、210kW(286hp)の最高出力と650Nmの最大トルクを実現。最上級のM340d xDriveは、同じく3.0Lの直列6気筒ターボディーゼルエンジンで250kW(340hp)の最高出力と700Nmの最大トルクを発揮します。
プラグインハイブリッドモデルの330eは、2.0Lの直列4気筒ターボエンジンと電気モーターを組み合わせ、システム合計で215kW(292hp)の最高出力と420Nmの最大トルクを実現。新型の高電圧バッテリーの採用により、電気走行可能距離が最大101kmまで延長されました。
全モデルに8速ステップトロニックトランスミッションが標準装備され、xDriveモデルではBMWのインテリジェント4輪駆動システムが採用されています。また、ディーゼルエンジンモデルと6気筒エンジンモデルには、48Vマイルドハイブリッドシステムが搭載され、8kW(11hp)の追加出力を発生させることで、効率性と動力性能の向上に貢献しています。

ステアリング操作に必要な力も、コンフォートモードでは軽減されており、日常走行時の快適性が高まっています。一方で、スポーティな走りを楽しみたい時には、精確なハンドリングと優れたコントロール性を発揮します。パワートレインラインナップも充実しており、4気筒および6気筒エンジン、プラグインハイブリッドシステムなど、多彩な選択肢が用意されています。

特筆すべきは、プラグインハイブリッドモデルの進化です。新型の高電圧バッテリーの採用により、電気走行可能距離が最大101kmまで延長されました。これにより、都市部での走行はもちろん、より長距離のドライブでもゼロエミッションでの走行が可能になりました。

さらに、Mスポーツパッケージを選択することで、よりスポーティな走行性能を楽しむことができます。アダプティブMサスペンションと可変スポーツステアリングを組み合わせることで、ドライビングダイナミクスをさらに向上させることも可能です。安全性と利便性を高める運転支援システムも充実しています。フロント衝突警告システムやクルーズコントロール、新しいインテリジェントスピードアシスト機能などが標準装備されており、オプションでさらに高度な運転支援機能を追加することもできます。

BMW 3シリーズの安全性能・運転支援機能

新型BMW 3シリーズの安全性能では、標準装備として、フロント衝突警告システム、ブレーキ介入機能、クルーズコントロール、新しいインテリジェントスピードアシスト機能などが搭載されています。これらの機能により、事故の予防や運転負荷の軽減が図られています。さらに、オプションでより高度な運転支援機能を追加することができます。Driving Assistant Professionalパッケージには、ステアリング&レーンコントロールアシスタント、アクティブクルーズコントロール(Stop&Go機能付き)、自動スピードリミットアシスト、ルートスピードコントロール、信号認識、回避アシスト、交差点警告(市街地ブレーキ機能付き)、逆走警告、前方交差交通警告などが含まれています。また、パーキングアシスタントも標準装備され、駐車操作の自動化やリバーシングアシストカメラ、リバーシングアシスタントなどの機能を提供しています。オプションのParking Assistant Plusを選択すると、サラウンドビューやリモート3Dビュー機能も利用可能になります。

BMW 3シリーズの価格

欧州での新型BMW 3シリーズの価格は約788万円(46,400ユーロ)からです。

日本での価格は発表されていませんが、現行BMW 3シリーズの価格は以下の通りです。欧州での新型3シリーズの価格は若干高くなっており、日本での価格も高くなることが予想されます。

  • セダン:574万円〜1086万円
  • ツーリング:672万円〜1116万円

BMW 3シリーズの発売時期

新型BMW 3シリーズの生産は2024年7月から開始される予定です。世界市場への導入は段階的に行われ、各国での発売時期は異なる可能性があります。

BMW 3シリーズは日本で発売される?

現時点で、新型BMW 3シリーズの日本での正確な発売時期は未定となっています。しかし、BMWの主力モデルである3シリーズは日本市場でも人気が高いため、世界市場への導入後、比較的早い段階で日本でも発売される可能性が高いと考えられます。

BMW 3シリーズの辛口評価

新型BMW 3シリーズをあえて辛口で評価します。まず、高額なオプション設定は批判の対象となるかもしれません。先進的な運転支援システムの多くが標準装備ではなく、オプション扱いとなっているため、実質的な購入価格が大きく上昇してしまう点が指摘されています。さらに、マニュアルトランスミッションの選択肢がなくなったことを惜しむ声も少なくありません。「駆け抜ける歓び」を謳うBMWにとって、マニュアル車の廃止は伝統からの逸脱と捉える向きもあります。インテリアデザインについては、高級感は向上したものの、やや個性に欠けるとの指摘もあります。特に、メルセデス・ベンツCクラスと比較した際に、インパクトに欠けるとの評価が見られます。

BMW 3シリーズのライバル車

BMW 3シリーズの主要なライバル車としては、以下のモデルが挙げられます。

  1. メルセデス・ベンツ Cクラス:
    最大のライバルと言えるCクラスは、洗練されたデザインと快適性で3シリーズに迫ります。特に内装の質感と最新テクノロジーの統合では、3シリーズを上回るとの評価もあります。
  2. アウディ A4:
    quattroシステムによる優れた走行安定性と、洗練されたインテリアが特徴です。ただし、スポーティな走行フィールでは3シリーズに一日の長があるとされています。
  3. アルファロメオ ジュリア:
    イタリアンデザインの美しさと、3シリーズに匹敵する優れたハンドリング性能が魅力です。ただし、信頼性や販売網の面では課題があります。
  4. レクサス IS:
    日本車ならではの高い品質と信頼性、そして独自の洗練されたデザインが特徴です。ただし、パワートレインのラインナップでは3シリーズに及びません。
  5. ジャガー XE:
    英国車らしい上質な乗り心地と、3シリーズに迫るスポーティな走行性能を兼ね備えています。しかし、後部座席の狭さやインフォテインメントシステムの使いづらさが指摘されています。
  6. テスラ モデル3:
    電気自動車ながら、3シリーズを凌ぐ加速性能と最新テクノロジーで注目を集めています。ただし、長距離走行時の利便性や内装の質感では3シリーズに劣るとの評価もあります。

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