2024年2月21日、イタリアの名門カロッツェリア、ザガートが最新作を発表しました。その名もAGTZツインテール(Zagato AGTZ Twin Tail)。この新型車は、イタリアのファッションとデザインの都、ミラノでそのヴェールを脱ぎました。

ザガートは、1919年にミラノで創業された老舗カロッツェリアです。カロッツェリアとは自動車のデザインや製造、板金修理などを行う業者のイタリア語です。航空機の機体開発で培った軽量設計のノウハウを活かし、1929年のアルファロメオ『6C 1750 GS』や1932年のアルファロメオ『8C 2300』をはじめとする多くの伝説的な自動車を世に送り出してきました。また、アストンマーチンやマセラティ、フェラーリ、アバルト、フィアットとの共同作業などを通じて、その名声を世界中に広めています。

この度発表されたAGTZツインテールは、ポーランドのスーパーカーディーラーであるラ・スクアドラ(La Squadra)との共同開発により誕生しました。このモデルは、コーチビルダーならではの繊細で高度な技術が注ぎ込まれており、新時代の技術の粋を集めた作品として位置づけられています。
AGTZツインテールの特徴は、その名の通りツインテールデザインにあり、またボディの長さを変更できるという画期的な機能を持っています。


AGTZツインテール、ザガートとLa Squadraの共同開発モデルが、そのインスピレーションの源を1968年から1969年にかけてルマン24時間耐久レースに挑んだアルピーヌ『A220』に求めていることが明らかになりました。A220はルマンでの栄光を手にすることは叶いませんでしたが、その後、車体の長さを300mm短縮し、より短距離のレースやラリーでの活躍を見せ、表彰台にも何度も上がりました。
この歴史的な背景を受け継ぎ、AGTZツインテールはアルピーヌ『A110』をベースにしています。この車は、ダイナミックな外観とともに、革新的な機能を備えています。特に注目すべきは、ロングテールとショートテールの間で容易に切り替えることができる取り外し可能なリアボディです。ショートテールは俊敏性を持つスポーツカーに、ロングテールはエレガントな車になります。これにより、ドライバーは車の性能を路面状況やレースの特性、気分に合わせて最適化することが可能になります。

この特別なモデルは、世界にわずか19台の限定生産となります。発表時点ですでに完売しているとのことです。AGTZツインテールの価格は約1億円(65万ユーロ)からとなっています。AGTZ ツインテールは、2024年10月からデリバリー予定。2024年5月にコモ湖畔で一般公開も計画されています。
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