2025年12月24日、レクサスは特別仕様車「レクサス RZ600e F SPORT Performance」を発表しました。
全国のレクサス店を通じて2026年3月2日に発売されるこのモデルは、レクサス初のバッテリーEV専用モデル「レクサス RZ」シリーズに新たに加わるハイパフォーマンス仕様です。

車の概要:レクサス RZ600e F SPORT Performanceとは?
レクサス RZは、レクサスブランド初のバッテリーEV(BEV)専用モデルとして2022年4月に世界初公開され、2023年3月に初代モデルが日本市場で発売された電動クロスオーバーSUVです。
発売当初はAWDモデルの「RZ450e」のみの設定でしたが、その後2023年11月に航続距離を伸ばしたFWDモデル「RZ300e」を追加し、2024年1月には100台限定で初のパフォーマンスモデル「RZ450e F SPORT Performance」を導入してきました。
最新のレクサス RZについては以下の記事で詳しく紹介しています。
今回発表された「RZ600e F SPORT Performance」は、BEVシステムを全面刷新した「RZ550e F SPORT」をベースに、エアレースパイロットの室屋義秀選手とレーシングドライバーの佐々木雅弘選手との協働により、空力性能と走りの質を極限まで磨き上げた特別仕様車となっています。

レクサス RZ600e F SPORT Performanceのエクステリアデザイン
レクサス RZ600e F SPORT Performanceのエクステリアは、空力性能を徹底的に追求したデザインが特徴です。
ボディには「特別仕様車 ブラック&HAKUGINⅡ(白銀Ⅱ)」と「ブラック&ニュートリノグレー」の2色が用意され、いずれもマットクリア塗装が施されています。ブラックとのコントラストが際立つボディには、爽やかな運転体験をイメージさせるブルーのアクセントが配されました。
空力パーツには徹底的にカーボン素材が採用されており、カーボンフードバルジ、カーボンヘッドランプベゼル、カーボンルーフ、カーボンウイング(ルーフ・リヤ)、カーボンスポイラー(フロントロア・フロントサイド・リヤロア)、カーボンターニングベイン(フロント・リヤ)が装備されています。これらのパーツが強力なダウンフォースを生み出し、高い操縦安定性を実現します。
足元にはENKEI製マットブラック塗装の21インチアルミホイールが装着され、フロントには対向6ポッドアルミモノブロックブルーキャリパー(LEXUSロゴ入り)が採用されました。大型アーチモールやドア下モールなど、細部に至るまでスポーティさが追求されています。
レクサス RZ600e F SPORT Performanceのボディサイズは、全長4,860mm、全幅1,965mm、全高1,615mmです。





レクサス RZ600e F SPORT Performanceのインテリアデザイン
レクサス RZ600e F SPORT Performanceのインテリアは、スポーティさと上質さが融合した空間に仕上げられています。
最大の特徴は、一体成型を用いた「F SPORT Performance」専用のウルトラスエード®スポーツシートです。このシートはスポーツ走行時にはしっかりと身体をホールドし、日常使いでも快適な座り心地を提供します。運転席にはポジションメモリー機能が備わり、運転席・助手席にはベンチレーション機能も搭載されています。

シート素材にはブラックをベースにブルーのステッチが施され、ダイヤル式シフトやインストルメントパネルにもブルーアクセントが配されました。ドアトリムにもウルトラスエード®が採用され、フロントカップホルダーにはブラックヘゼル仕上げが施されるなど、細部まで質感にこだわった仕立てとなっています。
次世代の操舵感覚を象徴するステアバイワイヤ用ステアリングホイールと、走る楽しさを具現化したインタラクティブマニュアルドライブが採用され、ドライバーに新たな運転体験をもたらします。

レクサス RZ600e F SPORT Performanceの走行性能
レクサス RZ600e F SPORT Performanceは、EVならではの性能を最大限に活かした走りが魅力です。
パワートレインには、フロントとリアにそれぞれ最高出力167kW(227PS)、最大トルク268N・m(27.3kgf・m)のモーターを搭載したAWDシステムを採用しています。電池の出力限界を見直してシステム全体で最高出力313kW(425.5PS)を実現し、伸びやかで気持ちの良い加速を可能にしました。0-100km/h加速はわずか4.4秒という俊敏さを誇ります。
ベースとなる「RZ550e F SPORT」から全高を20mm低くすることで空気抵抗を軽減し、様々なシーンに応じた安定感のある走りを実現しています。エアロパーツによる強力なダウンフォースが操縦安定性を高め、高速走行時でも安心して運転できる性能を備えています。
走行性能を最大限活かすため、20インチ大型ブレーキローターを採用し制動力を向上させました。スポーツ走行に適したブレーキフィーリングを実現し、意のままに操る楽しさを提供します。
航続距離はWLTCモードで525kmを確保しており、電費は159Wh/kmです。バッテリー総電力量は76.96kWhで、急速充電規格はCHAdeMOに対応しています。車両重量は2,140kgとなっています。

レクサス RZ600e F SPORT Performanceの開発に携わった室屋義秀選手と佐々木雅弘選手とのコラボレーション
レクサス RZ600e F SPORT Performanceの開発には、異色のプロフェッショナル2名が深く関わっています。
エアレースパイロットの室屋義秀選手は、LEXUSとパートナーシップを結ぶ「LEXUS PATHFINDER AIR RACING」の代表を務める人物です。2017年には「レッドブル・エアレース・ワールドチャンピオンシップ」でアジア人パイロットとして初の総合優勝を果たした実績を持ちます。室屋選手は「LEXUS PATHFINDER AIR RACING」を通じて、航空機の空力技術をクルマづくりに織り込むなど、自動車と航空機という異なる領域における新たな可能性を追求してきました。
一方、レーシングドライバーの佐々木雅弘選手は、2007年からスーパー耐久に参戦し、2019年にはTOYOTA GAZOO Racingからニュルブルクリンク24時間レースに挑戦した経験を持つベテランドライバーです。佐々木選手はLEXUS初のBEV専用モデルRZの開発段階から走りの味磨きに携わっており、「RZ SPORT CONCEPT」のプロデュースや、RZ450e特別仕様車「F SPORT Performance」、LBX「MORIZO RR」の運動性能の開発にも参画してきました。
今回のRZ600e F SPORT Performanceでは、この2名のプロフェッショナルとともに空力と走りの性能を極限まで磨き上げました。航空機レースで培った空力技術の知見と、モータースポーツで鍛えられた走りの感性が融合することで、BEVとしての新たな運動性能の可能性が引き出されています。


レクサス RZ600e F SPORT Performanceの安全性能・運転支援
レクサス RZ600e F SPORT Performanceには、最新の「Lexus Safety System +」が搭載されています。
プリクラッシュセーフティは、進路上の車両、歩行者(昼夜)、自転車運転者(昼夜)、自動二輪車(昼)をミリ波レーダーと単眼カメラで検出し、衝突の可能性を警告します。必要に応じて自動ブレーキを作動させることで、衝突回避または被害軽減をサポートします。
交差点衝突回避支援機能により、交差点で交差する車両・自動二輪車に対しても衝突回避の支援を行います。低速時加速抑制機能は、停車または徐行状態からアクセルペダルが必要以上に強く踏み込まれた場合に、モーター出力を抑制または弱いブレーキをかけることで加速を抑制します。
ロードサインアシスト(RSA)は、単眼カメラで制限速度や一時停止などの道路標識を読み取り、メーターに表示します。見落としがちな標識を検知してドライバーに知らせ、必要に応じて警告を発することで安全運転を促します。
先行車や隣接車の割り込みを検出した際には、ドライバーのアクセルOFFに応じて車間距離が近づきすぎないように緩やかに減速する機能も備えています。
レクサス RZ600e F SPORT Performanceの価格
レクサス RZ600e F SPORT Performanceの価格は、1,216万5,000円からです。
グレード別の価格は以下の通りとなっています。
- 特別仕様車 ブラック&HAKUGINⅡ(白銀Ⅱ):1,244万円(10%消費税込み)
- ブラック&ニュートリノグレー:1,216万5,000円(10%消費税込み)
いずれもAWD(四輪駆動)モデルとなっており、マットクリア塗装を施したHAKUGINⅡカラーが27万5,000円高の設定です。


レクサス RZ600e F SPORT Performanceの発売時期
レクサス RZ600e F SPORT Performanceは、2026年3月2日に全国のレクサス店を通じて発売されます。
この発表は2025年12月24日に行われており、発売まで約2ヶ月強の期間があります。
レクサス RZ600e F SPORT Performanceは日本で発売されるか
レクサス RZ600e F SPORT Performanceは、日本国内での発売が正式に発表されています。
全国のレクサス店を通じて販売されるため、日本のお客様も購入することが可能です。レクサスは日本を含む国内外でRZシリーズを展開しており、今回の特別仕様車も日本市場向けに正式導入されます。
レクサス RZ600e F SPORT Performanceをあえて辛口で評価します
レクサス RZ600e F SPORT Performanceをあえて辛口で評価します。
まず価格面では、1,216万円超という設定は決して安くありません。ライバルとなる日産アリアが600万円台から購入できることを考えると、プレミアムブランドとはいえ価格差は大きいと言わざるを得ないでしょう。特別仕様車という位置づけとはいえ、BEV市場での競争力という観点では課題が残ります。
航続距離525kmは現代のBEVとしては平均的な数値ですが、2,140kgという車両重量を考えると、軽量化の余地はまだあるのではないでしょうか。特にカーボンパーツを多用しながらこの重量というのは、バッテリーの重さが相当なものであることを物語っています。
また、今回の特別仕様車は「RZ550e F SPORT」をベースとしていますが、このベースモデル自体の認知度がまだ十分とは言えない状況で、さらにハイパフォーマンスバージョンを投入することの戦略性には疑問符が付きます。まずはベーシックなRZシリーズの普及を優先すべきだったかもしれません。
0-100km/h加速4.4秒という数値は魅力的ですが、EVではこの程度の加速性能は珍しくなくなってきており、もはや差別化要素としては弱いと言えるでしょう。むしろ長距離走行時の快適性や充電インフラへの対応など、実用面でのアドバンテージを訴求した方が説得力があったかもしれません。

レクサス RZ600e F SPORT Performanceのライバル車
レクサス RZ600e F SPORT Performanceのライバル車としては、まず日産アリアが挙げられます。
日産アリアは日産のフラッグシップBEVとして、レクサスRZと同じくプレミアムSUV市場を狙ったモデルです。価格面ではアリアの方が大幅に安く、航続距離でも競争力を持っていますが、ブランドイメージや内装の質感ではレクサスに一日の長があります。
海外勢では、テスラ モデルYが強力なライバルとなるでしょう。モデルYはBEV市場で圧倒的なシェアを誇り、航続距離や充電インフラの充実度で優位性を持っています。
ドイツ勢からは、メルセデス・ベンツ EQAやアウディ Q4 e-tronが競合します。特にメルセデス・ベンツ EQAは、プレミアムブランドとしての格を持ちながら、実用性も兼ね備えたバランスの良いモデルです。
レクサス RZ600e F SPORT Performanceの主要スペック
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| 全長 | 4,860mm |
| 全幅 | 1,965mm |
| 全高 | 1,615mm |
| ホイールベース | 2,850mm |
| 車両重量 | 2,140kg |
| タイヤサイズ(前) | 255/40R21 |
| タイヤサイズ(後) | 295/35R21 |
| 航続距離(WLTCモード) | 525km |
| 電費(WLTCモード) | 159Wh/km |
| 総電力量 | 76.96kWh |
| フロントモーター最高出力 | 167kW(227PS) |
| フロントモーター最大トルク | 268N・m(27.3kgf・m) |
| リアモーター最高出力 | 167kW(227PS) |
| リアモーター最大トルク | 268N・m(27.3kgf・m) |
| システム最高出力 | 313kW(425.5PS) |
| 0-100km/h加速 | 4.4秒 |
| 急速充電規格 | CHAdeMO |
| 駆動方式 | AWD |
| 価格 | 1,216万5,000円〜1,244万円 |
まとめ
レクサス RZ600e F SPORT Performanceは、レクサスが本気でEVのパフォーマンスを追求した意欲作です。エアレースパイロットとレーシングドライバーという異色のコラボレーションにより空力性能を極限まで磨き上げ、313kWのシステム最高出力と0-100km/h加速4.4秒という俊敏な走りを実現しました。カーボンパーツを多用したエクステリアと、ウルトラスエード®を採用したスポーティなインテリアが、このモデルの特別感を際立たせています。価格は1,216万5,000円からと高額ですが、レクサスブランドならではの上質さとBEVの先進性を両立させた一台として、2026年3月2日の発売が注目されます。




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