トヨタ自動車は2025年11月10日、タイ・バンコクで開催された新車発表イベントにおいて、新型「ハイラックス」を世界初披露しました。今回発表されたモデルは、ディーゼルモデルに加えて初のBEVモデルを設定し、さらにFCEVモデルの開発も進めるなど、カーボンニュートラル社会の実現に向けた多様なパワートレーン展開が大きな特徴です。
アジアでは2026年以降順次発売される予定で、日本向けのディーゼルモデルは2026年年央に発売が予定されています。

車の概要:トヨタ ハイラックスとは?
トヨタ ハイラックス(Toyota Hilux)は、1968年3月に初代モデルが登場した、トヨタを代表するピックアップトラックです。
誕生から50年以上の歴史を持ち、クラウンやランドクルーザー、カローラと並ぶトヨタの長寿モデルとして世界中で愛されてきました。
初代はブリスカのモデルチェンジに際して名称をハイラックスに変更し、日野自動車が生産を担当しました。その後、1972年に2代目、1978年に3代目、1983年に4代目、1988年に5代目、1997年に6代目、2004年に7代目、2015年に8代目と進化を遂げてきました。
日本市場では7代目まで販売されていましたが、一時販売が終了。8代目で2017年9月に13年ぶりに日本市場に復活し、タイからの輸入車として販売されました。
今回発表された新型は第9世代目となり、10年ぶりの全面刷新となります。新型ハイラックスは「マルチパスウェイ」の取り組みを一層加速させ、ディーゼルモデル、BEVモデルに加え、FCEVモデルの開発も進めています。FCEVモデルは欧州、オセアニアに2028年以降の投入が予定されています。
トヨタは1968年から続くハイラックスの歴史を「品質、耐久性、信頼性で高い評価を得てきた」と振り返り、農家、家族、建設現場で働く人々など、世界中のあらゆる用途で信頼されるパートナーとして活躍してきたことを強調しています。

トヨタ ハイラックスのエクステリアデザイン
新型ハイラックスは、伝統的なタフネスさを継承しながら、現代的なデザインを融合させたエクステリアが特徴です。
BEVモデルのプロトタイプとして公開された車両は、力強さと先進性を兼ね備えた迫力あるフロントフェイスを採用しています。
ピックアップトラックとしての実用性を重視しつつ、スタイリッシュな印象を与えるデザインは、ビジネスユースからアウトドアレジャーまで幅広いシーンに対応します。
頑強なセパレートフレーム構造を採用し、過酷な環境下でも高い耐久性を発揮する設計となっています。
BEVモデルでは、バッテリーパックをフレーム幅を最大限生かしつつ床下に収めることで、ピックアップトラックとしての荷台空間を犠牲にしない設計が施されています。
トヨタ ハイラックスのボディサイズは、全長5,320mm、全幅1,855mm、全高1,800mmです。




トヨタ ハイラックスのインテリアデザイン
新型ハイラックスのインテリアは、タフネスと洗練性を両立させた設計が施されています。
従来のハイラックスが持つ無骨さを残しつつ、現代のユーザーが求める快適性や機能性を高めた室内空間となっています。

ダブルキャブ仕様の4枚ドア・2列シートを採用し、ビジネスでの移動からファミリーユースまで、幅広いニーズに対応できる居住性を確保しています。
ブラックを基調としたインテリアには、シルバーの装飾やブルーのイルミネーションなどが施され、洗練された雰囲気を演出しています。
操作系は視認性と使いやすさを重視した配置となっており、過酷な環境下での使用を想定した耐久性の高い素材が採用されています。
BEVモデルでは、電動化に伴う新たなインターフェースや情報表示システムが搭載されると予想されますが、詳細については今後の続報が待たれます。
ホイールベースは3,085mmを確保し、キャビン内の足元空間にも余裕があります。

トヨタ ハイラックスの走行性能
新型ハイラックスは、多様なパワートレーンを展開することで、さまざまな地域やニーズに対応した走行性能を実現しています。
BEVモデルは、総電力量59.2kWhのリチウムイオンバッテリーを採用し、eAxleの高効率化により航続距離300km以上を実現しています。
前後に高出力タイプのeAxleを搭載し、システム最高出力144kW(約196馬力)を発揮します。
4WDシステムと進化した制御システムにより、優れた悪路走破性を実現しており、オフロードからオンロードまで幅広いシーンで高い走行性能を発揮します。
ディーゼルモデルについては、現行の8代目モデルが2.4L直列4気筒ディーゼルターボエンジンを搭載し、最高出力150馬力、最大トルク40.8kgmを発揮していますが、新型モデルの詳細なエンジンスペックについては今後の公式発表が待たれます。
ラダーフレーム構造を採用することで、高い耐久性と悪路走破性を確保し、タフな使用環境にも対応できる設計となっています。

トヨタ ハイラックスの価格
現行の8代目トヨタ ハイラックスの価格は、約407万円からとなっています。
具体的なグレード別価格は、標準グレードの「Z」が407万円、上級グレードの「Z GR SPORT」が431万円に設定されています。
これらは2023年9月のマイナーチェンジ時に設定された価格で、8代目モデルの当初発売時は326.7万円から374.22万円でした。
新型第9世代ハイラックスの日本市場向け価格については、2025年11月10日時点では正式発表されていません。
ただし、BEVモデルの追加やパワートレーンの多様化、装備の充実などを考慮すると、現行モデルよりも若干価格が上昇する可能性があります。
日本向けには当初ディーゼルモデルのみが導入される予定で、2026年年央の発売時に正式な価格が発表される見込みです。
タイ仕様のBEVモデルやディーゼルモデルの価格設定も、日本向け価格の参考となるでしょう。
トヨタ ハイラックスの発売時期
新型トヨタ ハイラックスは、アジア地域では2026年以降順次発売が予定されています。
日本市場向けのディーゼルモデルは、2026年年央(2026年6月頃)に発売される予定です。
BEVモデルについては、アジア地域での展開が予定されていますが、日本市場への導入時期については現時点では明らかにされていません。
FCEVモデルは欧州とオセアニアに2028年以降の投入が予定されており、日本市場への導入については今後の発表が待たれます。
2025年11月10日のワールドプレミアから約7〜8カ月後の日本発売となるため、今後トヨタは特設サイトを通じて順次最新情報を更新していく予定です。
トヨタ ハイラックスは日本で発売されるか
新型トヨタ ハイラックスは、日本市場での発売が正式に発表されています。
日本向けにはディーゼルモデルが導入される予定で、2026年年央の発売が予定されています。
現行の8代目ハイラックスは2017年9月に13年ぶりに日本市場に復活し、タイからの輸入車として販売されてきました。
新型第9世代モデルも同様に、タイで生産され日本に輸入される形態となる見込みです。
BEVモデルやFCEVモデルの日本市場への導入については、2025年11月10日時点では明言されていませんが、トヨタのカーボンニュートラル戦略やマルチパスウェイの取り組みを考慮すると、将来的な導入の可能性は十分にあると考えられます。
日本ではピックアップトラックの選択肢が限られているため、新型ハイラックスの登場はアウトドア愛好家やビジネスユーザーから大きな期待が寄せられています。
トヨタ ハイラックスをあえて辛口で評価します
トヨタ ハイラックスをあえて辛口で評価します。
新型ハイラックスは多様なパワートレーン展開を打ち出していますが、日本市場ではまずディーゼルモデルのみの投入となる点は、電動化の流れが加速する現代において若干物足りなさを感じます。
BEVモデルの航続距離300km以上という数値は、ピックアップトラックとしては妥当ですが、長距離移動や荷物を積載した状態での実用性を考えると、さらなる航続距離の延長が求められるでしょう。
また、ボディサイズの全長5,320mm、全幅1,855mmという寸法は、日本の狭い道路環境や駐車場では取り回しに苦労する場面も少なくありません。
価格面でも、現行モデルが約407万円からという設定であり、新型モデルではさらに価格が上昇する可能性があることを考えると、コストパフォーマンスの面で競合他車との比較が重要になります。
三菱トライトンなどの競合車と比較すると、ターボエンジンの搭載やより高い動力性能を求めるユーザーには、ハイラックスでは物足りない部分もあるかもしれません。
FCEVモデルの投入が欧州とオセアニアに限定されており、日本市場での展開が不透明な点も、トヨタの本拠地である日本市場をどのように位置づけているのか疑問が残ります。
トヨタ ハイラックスのライバル車
トヨタ ハイラックスの主なライバル車は、同じく日本市場で販売されている三菱トライトンです。
トライトンは2024年2月から日本国内での販売が開始され、ハイラックスと同様にタイで生産される輸入車として展開されています。
トライトンは2.4L直列4気筒ディーゼルターボエンジンを搭載し、最高出力204馬力、最大トルク47.9kgmを発揮しており、動力性能ではハイラックスの150馬力、40.8kgmを大きく上回っています。
一方、燃費性能ではトライトンが11.3km/L、ハイラックスが11.7km/L(ともにWLTCモード)とハイラックスがやや有利です。
海外市場では、日産ナバラも強力なライバルとして位置づけられています。
ナバラはハイラックスとほぼ同等のボディサイズで、日産のダットサン直系モデルとして世界中で販売されています。
その他、フォード レンジャー、フォルクスワーゲン アマロック、マツダ BT-50、いすゞ D-MAXなども、世界市場でハイラックスと競合するピックアップトラックとして知られています。
韓国の起亜もブランド初のピックアップトラックを開発中で、今後ハイラックスやトライトンの強力なライバルとなる可能性があります。
トヨタ ハイラックスの主要スペック(BEVモデル・タイ仕様プロトタイプ)
| 項目 | 諸元 |
|---|---|
| 駆動方式 | 4WD |
| 全長 | 5,320mm |
| 全幅 | 1,855mm |
| 全高 | 1,800mm |
| ホイールベース | 3,085mm |
| バッテリー容量(総電力量) | 59.2kWh |
| 航続距離 | 300km以上(NEDCモード、開発目標値) |
| システム最高出力 | 144kW(約196馬力) |
| バッテリータイプ | リチウムイオンバッテリー |
| 前後eAxle | 高出力タイプ |
まとめ
トヨタは2025年11月10日、タイ・バンコクで新型ハイラックスを世界初披露しました。第9世代となる新型モデルは、ディーゼルモデルに加えて初のBEVモデルを設定し、さらにFCEVモデルの開発も進めるなど、カーボンニュートラル社会の実現に向けた多様なパワートレーン展開が大きな特徴です。1968年の初代モデル誕生から50年以上の歴史を持つハイラックスは、世界中で品質、耐久性、信頼性の高さで評価されてきました。新型モデルは伝統的なタフネスさを継承しながら、現代的なデザインと先進技術を融合させ、ビジネスユースからアウトドアレジャーまで幅広いニーズに対応します。日本市場向けのディーゼルモデルは2026年年央に発売予定で、BEVモデルやFCEVモデルの将来的な導入も期待されています。三菱トライトンや日産ナバラなどの競合車との戦いも激化する中、新型ハイラックスがどのような評価を得るのか、今後の展開に注目が集まります。



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