2026年5月21日、ホンダは小型EV「ホンダ スーパーワン(Super-ONE)」の発売を正式に発表しました。翌5月22日(金)から全国のホンダ販売店で取り扱いが始まっています 。

車の概要:ホンダ スーパーワンとは?
ホンダ スーパーワンは、N-ONEシリーズを直系の祖先に持つ、ホンダの「Nシリーズ」プラットフォームを活用した小型EV(電気自動車)です。Nシリーズは1967年発売の「N360」を原点とし、2012年に現代版として「N-BOX」「N-ONE」「N-WGN」などが展開をスタート。N-ONEは2012年に初代、2020年に2代目へとフルモデルチェンジを果たし、2025年にはEV版の「N-ONE e:」として電動化されました 。
ホンダ スーパーワンはそのN-ONE e:をベースとしながら、軽自動車の枠を超えて全幅を拡大した専用シャシーを採用した新しいカテゴリーのモデルです 。ネーミングに込められた意味は「EV・軽自動車の枠を超越する存在(Super)として、ホンダならではの唯一無二(One and Only)の価値を届けたい」というものであり、軽商用EV「N-VAN e:」、軽乗用EV「N-ONE e:」に続く新たなEVとして、ホンダのラインアップに加わりました 。

グランドコンセプトは「e: Dash BOOSTER(イー ダッシュ ブースター)」。環境性能や日常の使い勝手にとどまらず、走る喜びを五感で体感できる演出を盛り込んだ「FUNなEV」を目指して開発されています 。
ホンダ スーパーワンのエクステリアデザイン
ホンダ スーパーワンのエクステリアは、「見てユカイ」をキーワードに、走りへのワクワク感を一目で伝えるスポーティなスタイリングが特徴です 。最も目を引くのが、ワイドなタイヤをしっかりと包み込む張り出したブリスターフェンダー。エッジを効かせたスクエアな造形によって立体感と力強さを際立たせており、ロー&ワイドのどっしりとしたフォルムを形成しています。1967年に一世を風靡したホンダ「シティターボ II」を彷彿とさせるワイドボディのスタイルは、往年のホンダファンにとってもたまらないデザインでしょう 。

フロントバンパー下部のエアインテークには短いフィンを整列させたデジタルなデザインを採用し、フロントエアカーテンやブリーザーといった空力デバイスも実用的な機能美として組み込まれています 。リアビューでも同様にブリスターフェンダーが張り出し、リアアンダーパネルを一体成型部品とすることで視覚的なノイズを削減。ホンダのロゴもプラチナ調の「Honda」エンブレムを採用し、上質感を醸し出しています 。

ボディカラーは、ホンダ新色の「ブーストバイオレット・パール」をはじめ、「プラチナホワイト・パール」「チャージイエロー」「ルミナス・グレー」「クリスタルブラック・パール」の全5色に加え、ルーフをブラックで引き締める2トーンカラーも4色用意されています 。
ホンダ スーパーワンのボディサイズは、全長3,580mm、全幅1,575mm、全高1,615mmです 。





ホンダ スーパーワンのインテリアデザイン
ホンダ スーパーワンのインテリアは、「気持ちとシンクロするSUPERな室内空間」をコンセプトに、走りへの没入感を高める演出が随所に散りばめられています 。ベースとなるN-ONE e:のシンプルで水平基調のインストルメントパネルを継承しつつ、コックピット感をより強調したドライビング空間として仕上げました。

注目の装備がデジタルで再現した「トリプルメーター」です。チューニングカーを想起させる3連メーターをデジタルで表現しており、BOOSTモードやSPORTモードを選択すると、中央の瞬間電費計が専用設定のタコメーター表示に切り替わり、仮想エンジン回転数を表示します 。さらに助手席側に設置されたLEDインパネラインイルミネーションは、通常時はブルー、BOOSTモード選択時には紫(ブルージェットをモチーフにした色)へと変化し、視覚的な高揚感も演出します 。

フロントスポーツシートは、単体ではアシンメトリー(左右非対称)でありながら、左右一組でシンメトリーとなる遊び心あるデザインを採用。レーシングストライプを彷彿とさせるブルーラインがスポーティな印象を際立たせています 。シートのサイドサポートは、N-ONE e:に比べて座面で+20mm、背もたれで+35mm高く設計されており、コーナリング中のホールド性を大幅に向上させています 。本革巻きステアリングホイールにはBOOSTモード専用スイッチとパドルシフトを標準装備し、ステアリングヒーターも備えています。





ホンダ スーパーワンの走行性能
ホンダ スーパーワンの走行性能を語るうえで欠かせないのが、専用開発の「BOOSTモード」です。通常の走行では最高出力を47kWに制限して走りと電費をバランスさせる一方、BOOSTモード作動時には電流制限を解除し、最高出力を70kW(95ps)・最大トルク162Nmまで引き上げます 。これにより、コンパクトなボディと小型EVクラス最軽量の車両重量1,090kg(ホンダ調べ、2026年5月時点)が組み合わさり、刺激的な加速性能を発揮します 。
また、EVでありながらまるでスポーツカーを操るような感覚を再現する「仮想有段シフト制御」が搭載されています。7段変速の仮想ギア段を設定し、アップシフト・ダウンシフトの変速感をモーターのトルク制御で忠実に再現。さらにパドルシフトによるマニュアル操作も可能で、レブリミッターを模したトルクカットや断続的なサウンドで”レブ当て”のような演出まで体験できます 。アクティブサウンドコントロールがアクセル開度や車速に応じた仮想エンジンサウンドをリアルタイムで生成し、室内スピーカーから出力することで、五感に訴える走行体験を提供しています。

ドライブモードはBOOSTのほかに「SPORT」「NORMAL」「ECON」「CITY」の全5種類。「CITYモード」では市街地走行に特化したシングルペダルコントロールが作動し、アクセルペダルのみで加減速から完全停車まで対応します 。シャシー面では、N-ONE e:比でトレッドを40mm拡大した1,345mmのワイドトレッドに、185/55R15の大径ワイドタイヤを採用。専用アルミ鍛造ロアーアームや高剛性ハブ、強化リアアクスルビームなど多数のシャシー強化が施されており、フロント接地点横剛性をN-ONE RSに対して約37%、リアを約57%高めた専用サスペンションセッティングが驚くほどシャープなハンドリングをもたらします 。
WLTCモードの航続距離は274km。29.6kWhの薄型大容量バッテリーを床下に搭載し、普通充電(6kW)で約4.5時間、急速充電(50kW)で約30分(80%まで)での充電に対応しています 。

ホンダ スーパーワンの安全性能・運転支援
ホンダ スーパーワンには、ホンダの先進安全運転支援システム「Honda SENSING(ホンダ センシング)」が全車標準装備されています 。搭載される機能は計14項目に及び、主なものとして以下が挙げられます。
- 衝突軽減ブレーキ(CMBS)
- 歩行者事故低減ステアリング
- 路外逸脱抑制機能
- 標識認識機能
- 渋滞追従機能付アダプティブクルーズコントロール(ACC)
- 車線維持支援システム(LKAS)
- トラフィックジャムアシスト(渋滞運転支援機能)
- 誤発進抑制機能・後方誤発進抑制機能・近距離衝突軽減ブレーキ(踏み間違い衝突軽減システム)
- パーキングセンサーシステム
- 急アクセル抑制機能(ディーラーオプションでオン設定可能)
走りの楽しさを追求したモデルでありながら、日常の安全をしっかりカバーするシステムが充実しているのは、ホンダの良心と言えるでしょう。
ホンダ スーパーワンの価格
ホンダ スーパーワンの価格は339万200円(消費税10%込み)からです 。グレードは1種類のみで、FF(前輪駆動)・4名乗りの設定となっています。なおボディカラーによって追加料金が発生し、プレーンカラー(クリスタルブラック・パールを除く)は+33,000円、2トーンカラーは+104,500円となります 。保険料・税金(消費税を除く)・登録費用・リサイクル料金などは別途必要です。

ホンダ スーパーワンの発売時期
ホンダ スーパーワンは、2026年5月22日(金)に日本国内で発売されました 。
日本で発売されるか
すでに日本国内での販売が開始されています 。ホンダは今後も日本市場のニーズに応えるEVを拡充していく方針を掲げており、2028年中には「N-BOX」のEV版の投入も予定しているとのことです。ホンダ スーパーワンはその布石となる、日本専売の本格FUN EVです 。

ホンダ スーパーワンをあえて辛口で評価します。
ホンダ スーパーワンをあえて辛口で評価します。まず気になるのは価格設定。メーカー希望小売価格339万円という数字は、軽自動車の「手軽さ」という概念からは完全に逸脱しており、同価格帯のコンパクトカーやSUVとの比較が生じます 。BOOSTモード時の最高出力70kW(95ps)は十分ではあるものの、同価格帯のBYD製EVや他の輸入コンパクトEVと比較した場合に、パワーの絶対値という点では際立った優位性は薄いかもしれません。
グレードが1種類のみという設定は、シンプルさという点でメリットもありますが、購入者がカスタマイズや予算調整をしにくい一面もあります。また、WLTCモードで274kmの航続距離は日常使いとしては十分といえる数値ではあるものの、ロングドライブへの不安を完全に払拭できるレベルとまでは言いがたく、充電インフラの整備状況によっては使い勝手に課題が残る局面もあるでしょう 。
さらに、”仮想エンジンサウンド”や”仮想シフト制御”といった演出系の仕掛けに魅力を感じる層には刺さるとしても、「EVはEVらしく、静粛性を楽しみたい」というユーザーには余計なお世話と映る可能性もあります。それでも、コンパクトカテゴリーのEVでここまで”走りの感動”にこだわった一台は珍しく、ホンダの挑戦心が詰まっているという点は素直に評価したいところです。
ホンダ スーパーワンのライバル車
ホンダ スーパーワンは軽自動車規格を超えた小型車登録となるため、ライバルは幅広い価格帯にまたがります 。同じコンパクトEVという軸では、日産・三菱が展開する軽EV「日産 サクラ」「三菱 eKクロスEV」が国内EV市場の先行モデルとして存在感を持ちます。ただしこれらは軽自動車規格の車両で価格帯も大きく異なるため、「走り重視の小型EV」という点でホンダ スーパーワンの直接的なライバルとはやや異なります 。
同価格帯・ボディサイズ帯でのライバルとして意識されるのは、BYDやヴォルクスワーゲンなどの輸入コンパクトEVや、価格帯がやや下のトヨタ ヤリスやスズキ スイフトといったコンパクトカー群です 。また「走りを楽しむ小型車」という観点からは、スズキ スイフトスポーツやトヨタ GRヤリスのような国産ホットハッチとも比較の俎上に上がるでしょう。ホンダ スーパーワンは「EV×ドライビングFUN」という独自の切り口で市場に挑む存在であり、その意味でも現時点では真正面のライバルが少ない、ある種の「一人勝ち」を狙えるポジションにいます。

ホンダ スーパーワンの主要スペック
| 項目 | スペック |
|---|
| 項目 | スペック |
|---|---|
| 全長 | 3,580mm |
| 全幅 | 1,575mm |
| 全高 | 1,615mm |
| ホイールベース | 2,520mm |
| トレッド(前後) | 1,345mm |
| 車両重量 | 1,090kg |
| モーター種類 | 交流同期電動機 |
| 最高出力(通常/BOOST) | 47kW / 70kW(95ps) |
| 最大トルク | 162Nm(16.5kgm) |
| バッテリー総電力量 | 29.6kWh |
| WLTCモード航続距離 | 274km |
| 普通充電時間 | 約4.5時間(6kW) |
| 急速充電時間 | 約30分(50kW、80%まで) |
| タイヤサイズ | 185/55R15 |
| 駆動方式 | FF(前輪駆動) |
| 乗車定員 | 4名 |
| メーカー希望小売価格 | 3,390,200円(税込) |

まとめ
ホンダ スーパーワンは、EVという動力を単なる環境対応の手段にとどめず、「操る喜び」を体感させるためのプラットフォームとして再定義した意欲作です 。軽自動車の枠を超えた専用シャシー、BOOSTモードによる出力最大化、仮想シフト演出、BOSE製プレミアムオーディオ——これらを惜しみなく投入した339万円は、ホンダの本気度を如実に物語っています 。小型EVの新しいスタンダードを目指すこの1台が、日本のEV市場に新しい風を吹き込むことは間違いないでしょう。



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