ボルボEX30(Volvo EX30)はボルボー・カー・ジャパンが販売している新たな電気自動車のコンパクトSUVです。
EX30は、コンパクトながらも、ボルボが世界に誇る高い安全性能、環境に優しいサステナビリティ、最新のテクノロジー、洗練されたスカンジナビアンデザイン、そして新しいユーザー体験を凝縮したモデルです。ボルボ最小型のSUVであり、標準的な機械式立体駐車場に収まるサイズ感で、都市生活に最適な選択肢となります。また、このコンパクトEVはボルボ車の中で最速の加速性能を誇ります(海外仕様)。また一充電航続距離は560kmと長距離ドライブを実現しています。

車の概要:ボルボ EX30とは?
ボルボEX30とはボルボのコンパクトSUVのEVです。2023年6月に世界初公開されました。そしてボルボEX30は日本での販売も開始されており、2023年11月に発売、2024年2月からデリバリー開始となっています。サブスクリプション形式でも展開されています。
ボルボは、2040年を目処に企業活動全体で環境負荷のない「クライメート・ニュートラル」企業へと変貌することを目指しています。これを実現するために、2030年までに販売する全ての車両を電気自動車に切り替える計画を発表しており、EX30はこの野心的な目標に向けた重要な一歩を示しています。さらに、ボルボ・カー・ジャパンは、2025年までに日本国内で1万台以上の電気自動車を販売することを目標としており、EX30はその目標達成に向けた鍵となる車種と期待されています。

ボルボの電動車ラインアップに新たに加わったボルボEX30は、ボルボがこれまでに製造した電気自動車の中で最も小型ながら、最も環境への影響が少ない車種です。EX30の製造から利用、最終的な廃棄に至るまでのライフサイクル全体でのCO2排出量を削減する取り組みにより、既存モデルのC40およびXC40と比較して、CO2排出量を25%低減する成果を実現しました。これは、内外装の素材選びにもこだわり、環境負荷の低減に寄与しています。
EX30はそのコンパクトな体格にもかかわらず、ボルボが誇る高水準の安全性を兼ね備えており、特に都市部の厳しい交通状況を考慮した安全機能を多数搭載しています。例えば、周囲の自転車や電動キックボードなど、他の交通参加者を検知してドアを開ける際に警告を発する「ドア・オープニング・アラート」を全ドアに装備するなど、都市部での安全性を重視した機能が特徴です。
ボルボ・カー・ジャパンの不動奈緒美社長は、日本でのEX30の発表に際し、「欧州発表後、速やかに日本での発表ができたことを大変嬉しく思います。これは、日本市場へのボルボ本社からの強い期待の現れであり、EX30が日本のユーザーにとって最適な選択となるよう、日本特有のニーズに合わせた調整が施されています。特に、標準的な機械式立体駐車場に対応するなど、日本市場の要望を踏まえた設計になっています。日本におけるボルボ車の販売では、既に電気自動車が全体の1割以上を占めており、EX30の投入により、さらなる販売加速が期待されます」とコメントしています。この発言からは、日本市場に対するボルボの強いコミットメントと、EX30がその野心を体現する一台であることが伺えます。

ボルボ EX30のエクステリアデザイン
新型ボルボEX30のエクステリアは洗練されたEVならではのミニマルで北欧ブランドらしいスカンジナビアンデザインが特徴的です。EV専用に設計されたEX30は、ロングホイールベースと大径ホイール、そしてバランスの取れたオーバーハングを採用することで、コンパクトながらもシンプルかつダイナミックな外観を実現しています。特に、グリルレスのフロントデザインと、デジタル技術を駆使したトールハンマーヘッドライトやマルチセグメントLEDで構成されたテールライトの採用は、EVとしてのアイデンティティを際立たせ、新世代のボルボ車としてのスタイリッシュさと都会的な魅力を強調しています。

ボルボEX30のボディサイズは全長4235mm、全幅1835mm、全高1550mm、ホイールベース2650mmです。

ボルボ EX30のインテリアデザイン
新型ボルボEX30は、最新技術とスカンジナビアンデザインの融合により、独自の世界観とユーザー体験を実現しています。インテリアでは、2種類のインテリア「ルーム」から選択可能で、環境に配慮された素材が採用されています。廃棄物から生まれ変わった再生プラスチックや、再生可能な繊維である亜麻、約70%をリサイクルポリエステルで占めるウール混紡素材、3Dニットのシート素材、さらにはリサイクル素材やバイオ素材を活用した「ノルディコ」シートなど、持続可能な素材による快適な室内空間を実現しています。

また、EX30のインテリアデザインは、機能的でありながら洗練されたスマートな配慮がなされています。素材使用量を抑えつつも、スペースを有効に活用することで、コンパクトながらも豊かな車内体験を提供しています。このアプローチの一例として、ボルボが初めて取り入れたホームオーディオにインスパイアされたサウンドバーは、車内のあらゆる場所をハイエンドなサウンドで包み込みます。複数のスピーカーを一つにまとめ、Harman Kardonの高品質なサウンドシステムと組み合わせ、スマートな設計により配線や素材の使用を減少させ、ドアの収納スペースを大きく取ることも可能にしました。

インフォテインメントシステムに関しても、EX30は最先端の体験を提供します。Google、Apple、Qualcommといった技術大手との協力の下、ダッシュボード中央の12.3インチセンタースクリーンを通じて、運転に関する情報やナビゲーション、メディア再生などの機能が直感的に操作できるよう設計されています。「Calm」表示機能やGoogle搭載のハンズフリー支援、ナビゲーション、Google Playでのお気に入りアプリの利用など、快適で集中力を保つドライブを支援します。5G対応で迅速な応答速度を実現し、ボルボ車として初めてワイヤレスでのApple CarPlay機能も備えています。

ボルボ EX30の走行性能
新型ボルボEX30のシングルモーター仕様では最高出力272PS、最大トルク343Nmを発生させ、0-100km/h加速は5.3秒とEVならではの性能を誇ります。ボルボEX30は、高性能なNMCバッテリーを搭載し、一度の充電で最大560km(WLTCモード)の航続距離を実現しています。このバッテリーの容量は69kWhに及び、電気自動車としての長距離移動の可能性を広げています。そして、わずか26分でバッテリーを10%から80%まで充電することが可能です。この迅速な充電性能により、日常の利用はもちろん、長距離の旅行でも快適なドライブを楽しむことができます。

また欧州仕様のボルボEX30ではデュアルモーターモデルもラインナップされており、最高出力428馬力、0-100km/h加速は3.6秒とボルボ車の中で最速の加速性能を誇ります。
ボルボ EX30の安全性能・運転支援機能
ボルボEX30は、交通量が多い都市部での安全性をさらに高めることを目的に設計されています。特に自転車や電動キックボードなどとの接触リスクを減少させるための革新的な安全機能を備えています。車両のドアを開ける際に、周囲に危険が迫っている場合は音声と視覚によって警告する「ドア・オープニング・アラート」が、その一例です。この機能により、ドライバーや乗員がドアを開ける前に、周囲の安全を確認することが容易になります。
加えて、EX30にはボルボが独自に開発したアルゴリズムを用いて、ドライバーの顔や目の動きを約1秒間に13回も検知し、注意散漫や眠気を感知する「DAC(ドライバー・アラート・コントロール)」機能が搭載されています。このシステムは、ドライバーの集中力が低下している可能性がある場合に警告を発し、事故のリスクを低減させます。

さらに、「インターセクション・サポート」という機能も新たに追加され、前方から他の車両が突然横切るような状況でも自動的にブレーキをかけて車両を停止させ、衝突を回避あるいはその影響を軽減するサポートを提供します。これらの先進的な安全技術は、ボルボが長年にわたって築き上げてきたパッシブセーフティの基準を踏襲しつつ、アクティブセーフティ機能とドライバーサポートシステムの範囲をさらに広げています。
ボルボ EX30の価格
新型ボルボEX30の価格は5,590,000円です。内燃エンジン車と同様の価格帯に設定されています。
さらに、ボルボでは車の「所有」ではなく「利用」を望むカスタマー向けに、月額95,000円でのサブスクリプションサービスを300台限定で提案しています。このサービスは申込金や初期費用が不要で、任意保険や各種費用が含まれており、契約期間は最大24ヶ月。ユーザーが3ヶ月前に申し出れば、追加費用なしで契約を解除可能となっています。
ボルボ EX30の発売時期
新型ボルボ EX30は2023年11月中旬に販売が開始され、2024年2月にデリバリーが開始されました。

ボルボ EX30のサステナビリティ追求
EX30はボルボがこれまでに製造した中で、最もカーボンフットプリントが小さい車として位置づけられています。この車は、ただ走行時にCO2を排出しない電気自動車であるだけではなく、設計から製造、輸送に至るまでの全プロセスにおいて、CO2排出量の削減に努めています。内外装の素材にリサイクル素材を使用すること、そして部品の数を減らすことにより、CO2排出を抑えることに成功しています。これらの努力は、20万キロメートル走行した際の総CO2排出量を30トン以下にまで低減する成果をもたらしています。
ボルボが史上最小のカーボンフットプリントを達成できた背景には、車体の小型化を図ることで必要とされる素材の量を減少させたことがあります。この取り組みは、製造プロセスにおけるCO2排出量の大きな要因であるアルミニウムやスチールの使用量を減らすことに貢献しています。EX30においては、使用される全アルミニウムの約25%、全スチールの約17%がリサイクル素材からなり、また、全プラスチックの約17%もリサイクル素材であることが特筆されます。これらの数字は、ボルボ車の中で最も高い割合を誇っており、EX30が環境に配慮した設計と製造において、同社のフラッグシップとなっていることを示しています。

ボルボ EX30のキャンペーン
ボルボが新たに打ち出した「Volvo Smallest Showroom」キャンペーンは、ボルボ史上最もコンパクトなSUV「EX30」の魅力を伝えるためのユニークな試作でした。このプロモーションは、東京の原宿を始点に、大阪、名古屋、福岡と、日本の主要都市を巡りました。「小さなことが、世界を大きく変える」というコンセプトのもと、EX30を象徴するような精巧に作られたミニチュアショールームが、これらの都市の街角に突如として現れました。
この「Volvo Smallest Showroom」は、見る者を驚かせ、探索の楽しみを提供します。まるで宝探しのように、人々は日常の風景の中に突如出現するこの小さなショールームを見つけ出し、EX30の持つポテンシャルと、ボルボが提案する新しい価値観に触れることができます。この斬新なプロモーションアプローチは、ただ車を見せるだけでなく、体験を通じてブランドメッセージを伝えることで、大きな話題と驚きを提供しました。
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