2024年3月19日、イタリアの自動車メーカー ランチアは新型イプシロン(Lancia Ypsilon)のマイルドハイブリッド(MHEV)モデルを追加し発売すると発表しました。ランチアは2024年2月に新型イプシロンの100%電気自動車(EV)モデルを発表しており、イプシロンはEVとマイルドHVの2タイプの設定となりました。電動自動車バージョンが公開されて数週間後、その成功を受けて、現在、最高出力100馬力のマイルドハイブリッド電動車バージョンである新型ランチア・イプシロン・エディション・リミタータ・カッシーナの予約受付が始まっています。

車の概要:ランチア イプシロン HVとは?
ランチア イプシロンとはイタリアの自動車メーカー ランチアのプレミアムコンパクトカーで5ドアハッチバックです。初代イプシロンは1994年に登場。その後モデルチェンジを重ね、2011年に3代目ランチアが発売されました。そして2024年、13年ぶりにフルモデルチェンジを行い、4代目ランチアが世界初公開されました。2月にEVモデルの新型イプシロンが発表され、今回マイルドハイブリッドモデルの新型イプシロンが発表されました。
ランチアは現在イタリアのみでの展開となっており、新型イプシロンもまずはイタリアで発売されました。2024年上半期にはヨーロッパ展開を進めていきます。まずはベルギー、オランダでランチアブランドが復活し、ついでフランス、スペインなどが続きます。将来的には主要都市部をターゲットに70を超える新しいディーラー網を欧州全土に展開する予定です。

この動きは、ランチアの10年戦略計画がステランティスの「Dare Forward」戦略計画に沿って順調に進んでいることを示しています。ランチアの電動化戦略には、2年ごとに3つの新型車を市場に投入する計画が含まれており、2026年からは電気自動車モデルのみを発表し、2028年からは電気自動車のみを販売する方針です。
新型イプシロン EVモデルについて、以下の記事で詳しく紹介しています。
<ランチア新型イプシロン:13年ぶりフルモデルチェンジ カッシーナとのコラボモデル 価格は約650万円>
ランチア イプシロンのエクステリアデザイン
新型イプシロンのエクステリアデザインは、「ピュア(純粋)」と「ラディカル(革新的)」を組み合わせた造語の「Pu+Raデザイン」コンセプトを採用した最初のランチア車です。

フロント部分は、ランチアの象徴的な「聖杯」グリルをモチーフにデザインされ、3つのLEDビームにより日夜を問わずクリアに視界を維持することが可能です。リア部分には、ランチア・ストラトスに敬意を表する丸型LEDライトが配置され、新しいデザインのアクセントとして「Y(ギリシャ語でイプシロンの意味)」の文字が水平に配されています。さらに、新しいランチアのロゴを囲むように配置された2つのヘッドライトが目を引きます。17インチのダイヤモンドカットアルミホイールは、放射状のスポークが「Y」の文字から着想を得たデザインで、車のエクステリアを一層引き立てます。

新型イプシロンHVのボディサイズは、全長4.08m、全幅1.76m、全高1.44mとなっています。

ランチア イプシロンのインテリアデザイン
ランチアとイタリアの高級家具ブランド カッシーナ、2つの著名なイタリアン・ブランドが、共有する価値と理念を背景に協力し、限定モデルのランチア・イプシロン・エディション・リミタータ・カッシーナ(LANCIA YPSILON EDIZIONE LIMITATA CASSINA)を市場に投入しました。このコンパクトかつ洗練された自動車は、ランチアの伝統的なデザイン要素とカッシーナのモダンな家具デザインが融合したモデルです。

内装においては、新型ランチア・イプシロン・エディション・リミタータ・カッシーナが提供する快適性とデザインのクオリティが際立っています。リブ編みのブルーベルベット製のヒーター付きマッサージシート、カッシーナのシグネチャーが施された多機能なタボリーノ、そして運転席専用スペースなど、細部に渡るこだわりが見受けられます。伝統的な「パンノ・ランチア」のリサイクルベルベットなど、サステナブルな素材の選択も特徴の一つです。

ランチア イプシロン MHEVの走行性能
新型ランチア・イプシロン・エディション・リミタータ・カッシーナに、新しいハイブリッドモデルがラインナップに加わりました。このモデルは、1.2リットル、48Vの3気筒ハイブリッドエンジンを搭載しており、最高出力は100 HP(74kW)に達します。この最新世代のハイブリッドエンジンは、優れた効率性と信頼性を両立させており、最高速度190km/h、0-100km/h加速は9.3秒となっています。また、電気モードへの切り替えが可能で、特に都市部での走行に適した、低燃費かつスムーズな運転体験を提供します。

このハイブリッドバージョンは、6速e-DCTオートマチックトランスミッションを搭載しています。さらに、e-スタート、w-パーキング、e-キューイング、e-クリープなどの先進の電子制御機能がサポートし、ドライバーに合わせたパーソナライズされた運転スタイルを実現します。この統合されたシステムにより、運転者はより個人的な要望や好みに応じたドライビングを楽しむことができます。

ランチア イプシロンの安全性能・運転支援機能
5人乗りのこのモデルは、ステランティスが初めて市販車に導入したS.A.L.A.インフォテインメント・システムとレベル2の自動運転機能を備え、快適で安全なドライビング体験を提供します。フロントとリアに配置された2つの180°カメラは、ブラインドスポットをカバーし、10.25インチのディスプレイは車の周囲の状況をはっきりと示します。新型LANCIA YPSILON EDIZIONE LIMITATA CASSINAは、あらゆるニーズに応えるために自動緊急ブレーキ(AEB)とアダプティブクルーズコントロール(ACC)を装備しており、全方位的な安全性と快適性を実現しています。
ランチア イプシロンの価格
新型ランチア・イプシロン・エディション・リミタータ・カッシーナ MHEVバージョンの価格は約460万円(28,000ユーロ)からの設定です。

ランチア イプシロンの発売時期
イタリアで新型イプシロンのEVモデルは2月に、マイルドHVモデルは3月に発売されました。
ランチア イプシロンは日本で発売される?
ランチアブランドの展開は現在ヨーロッパ全土で予定されていますが、日本での販売復活は未発表です。そのため新型イプシロンの日本での販売については現時点では予定はありません。
ランチア イプシロンのライバル車
以下の車がランチア イプシロンの主な競合モデルです。
フィアット 500
フィアット 500は、イタリアの自動車メーカーフィアットが製造販売するコンパクトカーです。丸みを帯びた可愛らしいデザインが特徴です。
アルファロメオ ミト
アルファロメオ ミトは、イタリアの自動車メーカーアルファロメオが製造販売するコンパクトカーです。スポーティーなデザインと走行性能が特徴です。
アウディ A1
アウディ A1は、ドイツの自動車メーカーアウディが製造販売するコンパクトカーです。プレミアムブランドらしい上質な内装と先進技術が特徴です。
ミニ
ミニは、イギリスの自動車メーカーミニが製造販売するコンパクトカーです。個性的なデザインとゴーカートフィーリングと呼ばれる独自の走行性能が特徴です。

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