新型アバルト 500e:アバルト初のEV登場 [徹底解説]

アバルトが電動化の新時代を牽引する新型「アバルト 500e」が、日本に上陸。電気自動車(EV)としては異例の評価を受け、2023-2024年の日本カー・オブ・ザ・イヤーの10ベストカーに選ばれたこのモデルは、アバルト初の電動車として話題沸騰中です​​。2023年10月28日に販売を開始し、その革新性とパフォーマンスで市場に新風を吹き込んでいます​​。

<日本カー・オブ・ザ・イヤー 2023-2024 10ベストカー解説記事はこちら>

車の概要:アバルト 500eとは?

アバルト 500e(Abarth 500e)は、アバルトのエントリーモデルである「500」の電気自動車版です。アバルト 500はフィアット 500をベースにアバルトがチューニングをして販売されている2ドアハッチバック車です。500のプラットフォームをベースに開発され、500のデザインを踏襲しながら、アバルトらしいスポーティな走行性能を実現しています。新型アバルト 500eは、アバルトの電動化戦略の核となるモデル。伝統と先進技術が融合したデザイン、パフォーマンス、サウンドのすべてが、アバルトらしさを体現しています。この車はただのEVではありません。その走りは、まさにスポーツカーそのもの。アバルトの象徴であるサソリのロゴも、電動モビリティへの移行を象徴するように大胆にリデザインされています​​​​。

アバルト 500eのエクステリアデザイン

新型アバルト 500eのエクステリアデザインは、アバルトの伝統を継承しつつ、電動化への進化を体現しています。以下のポイントが特に注目に値します:

  1. スタイリングの革新:新型アバルト 500eは、伝統的な「595/695」シリーズの面影を残しながら、未来を見据える先鋭的なスタイリングに昇華しています。チャーミングかつ獰猛な外観は、アバルトの電動化戦略の中核として、次世代のアバルトを象徴しています​​​​。
  2. フルLEDヘッドライトの採用:フロントフェイスにはフルLEDヘッドライトを採用。これにより、パフォーマンスへの自信とアバルトらしい鮮烈な個性が表現されています。夜道でもより遠くまで鮮明に照射する機能性も備えています​​。
  3. 18インチアルミホイール:車両の足元には、グレーマット塗装が施された18インチのダイヤモンドカット アルミホイールが装着されており、静止している時でも躍動感を感じさせるデザインです​​​​。
  4. サソリのロゴのリデザイン:アバルトの象徴であるサソリのロゴは、電動モビリティへの移行を象徴するように大胆にリデザインされ、内外装の随所に散りばめられています​​。
  5. スコーピオン・エンブレムとアバルトレタリング:新しいデザインの「スコーピオン・エンブレム」を車体の両サイドに配置。また、これまでのアバルトモデルと異なり、フロントグリルにはダークチタングレーの「アバルトレタリング」を採用しており、新たなアバルトの顔となっています​​。
  6. コンパクトながらもアグレッシブなプロポーション:全長3.6mのコンパクトな車体に、スポーティな印象のフロントバンパーやリップスポイラーを配し、引き締まったスタイリングに仕上げられています。また、EV専用ロゴがサイドのリアフェンダー上部に施されている点も特徴的です​​。

ボディサイズとスペック:

  • 全長:3,675mm
  • 全幅:1,685mm
  • 全高:1,520mm
  • ホイールベース:2,320mm
  • 車両重量:1,360kg(ハッチバック)、1,380kg(カブリオレ)
  • 乗車定員:4名​

アバルト 500eのインテリアデザイン

新型アバルト 500eのインテリアデザインは、スポーツカーのエキサイティングな感覚と上質な快適性を見事に融合させています。

  1. ブラック基調のスポーティな内装:車内はブラックを基調にしたスポーティな仕上がり。インパネ(インストルメントパネル)、ステアリングホイール、シートにはスウェード素材が採用され、高級感あふれる印象を与えています​​​​。
  2. サソリのレリーフが刻まれたスポーツシート:ヘッドレスト一体型のスポーツ志向のシートには、アバルトの象徴であるサソリのレリーフが刻まれており、アバルトオリジナルの空間を演出しています。また、シートにはなめらかな肌触りのアルカンターラが採用されています​​​​​​。
  3. サウンドジェネレータによる独自のサウンドシステム:アバルトのガソリンエンジンを忠実に再現したサウンドジェネレータが装備されており、EVとは思えないエキサイティングな走りを再現しています。このサウンドシステムは、スタジオでの音響研究と試験を重ね、延べ6000時間以上をかけて開発されたものです​​​​。
  4. JBLプレミアムサウンドシステム:クリーンな高音、唸るような低音、滑らかな中音域を美しく再現するJBLプレミアムサウンドシステムを搭載しており、どんなドライブシーンでもコンサートのような音響体験を提供します​​。
  5. 5:5分割可倒式リアシート:5:5分割可倒式のリアシート(ヘッドレスト付)を採用。荷物の大きさに合わせて収納スペースをフレキシブルにアレンジでき、日常のショッピングから週末の旅行まで、様々なニーズに対応します​​。
  6. 温かみのあるダークカラーリング:インテリアはダークで温かみのあるカラーリングが特徴。力強さと高級感が両立され、洗練された未来的なタッチが加えられています​​。

これらの要素は、新型アバルト 500eのインテリアがただのEVではなく、アバルトのDNAを継承した、ドライバーを刺激するスポーツカーであることを示しています。

アバルト 500eのドライビング性能

新型アバルト 500eのドライビング性能は、電気自動車(EV)の新たな地平を切り開くものです。

  1. パワフルな電動モーター:アバルト 500eは、最大出力155PSを発揮する強力な電動モーターと42kWhのリチウムイオンバッテリーを組み合わせています。これにより、排出ガスをまったく出さずに刺激的で小粋な走りを実現しており、アクセルを踏み込んだ瞬間からドライバーを魅了します​​。
  2. 優れた加速性能:新型アバルト 500eは、特に20-60km/hの低中速域での加速性能に焦点を当てています。これにより、シティドライブでも躍動的な走りを約束します。また、ガソリンモデルと比べてよりバランスの取れた前後重量配分により、クイックなハンドリングと安定性を両立しています​​。
  3. 選択可能なドライビングモード:バッテリーの消費電力やフィーリングの異なる3タイプのドライビングモード(「ツーリスモ」、「スコーピオン・ストリート」、「スコーピオン・トラック」)が用意されており、好みやシーンに応じて選択が可能です。これにより、様々な環境で新たなドライビングエクスペリエンスを提供します​​​​​​。
  4. アバルト・サウンドジェネレーター:アバルトの特徴であるエンジン音をEVでも再現するために開発された「アバルト・サウンドジェネレーター」を搭載。これにより、アバルトのガソリンエンジンの鮮烈な咆哮を忠実に再現し、ドライバーの感覚を刺激します​​​​。
  5. 効率的なドライブの追求:電気自動車ならではの効率性に加え、アバルト 500eはエキサイティングなドライビング体験を追求しています。低中速域でも優れた加速性能を持ち、日常の運転からスポーツドライビングまで幅広いシーンに対応します​​​​。

アバルト 500eの安全性能

以下の安全機能、運転支援機能をアバルトとして初採用しました。

  1. トラフィックサイン レコグニション&インテリジェントスピードコントロール:このシステムは、道路上の交通標識を認識し、追い越し禁止や制限速度などの情報をドライバーに伝達します。これにより、スピードリミッターの設定速度を標識の速度に合わせて走行できるようになります​​。
  2. ブラインドスポット モニター:ドライバーの死角にある車両をドアミラーに内蔵された警告灯と警告音で知らせる機能です。ただし、車線変更前には目視での確認が必要です​​。
  3. 360°パーキングセンサーとリアパーキングカメラ:11個のセンサーが360°のドローンビューを作成し、駐車時の障害物を検出して接近状況を警告音で知らせます。また、リアパーキングカメラは後方映像と車幅線を表示し、アラーム音で障害物との距離を知らせます​​。
  4. 衝突被害軽減ブレーキ[歩行者検知機能付]:クルマや歩行者、自転車などとの衝突回避を目的としたシステムですが、必ずしも衝突を避けられるわけではありません​​。
  5. レーンキーピングアシスト:ウィンカーを使わずに車線変更をすると警告を発信し、走行レーンの逸脱を警告灯で知らせ、ステアリングを振動させて車線維持をアシストします。ただし、このシステムはドライバーの運転を代行するものではなく、常に交通状況を把握し、ブレーキを使用できる状態にしておく必要があります​​。

アバルト 500eの価格

アバルト 500eの価格は615万円〜645万円です。

モデル名税込価格
Abarth 500e Turismo Hatchback¥6,150,000
Abarth 500e Turismo Cabriolet¥6,450,000

アバルト 500eの発売時期

日本でのアバルト 500eの発売日は2023年10月28日です。

アバルト 500eのライバル車

アバルト 500eの競合モデルは以下のとおりです。

  • プジョー e-208 GT

e-208 GTは、プジョーの人気コンパクトカー「208」のEVモデルです。最高出力136馬力の電気モーターを搭載し、スポーティな走行性能を発揮します。また、個性的なエクステリアデザインと未来的な内装デザイン、充実した装備も特徴です。価格は649万円から。

  • フィアット 500e

500eは、フィアットの人気コンパクトカー「500」のEVモデルでアバルト500eの姉妹車のような位置付け。最高出力118馬力の電気モーターを搭載し、スポーティな走行性能を発揮します。また、コンパクトなボディサイズと、個性的なデザインも特徴です。価格は522万円から。

  • MINI Cooper SE(ミニクーパー SE)

Cooper SEは、MINIの人気コンパクトカー「Cooper」のEVモデルです。最高出力184馬力の電気モーターを搭載し、ミニ特有のゴーカートフィーリングなドライビングが楽しめます。日本での価格は未発表。

これら競合のなかでアバルト 500eは、アバルトらしいスポーティな走行性能と、サソリロゴなどの個性的なデザイン、超コンパクトなボディなどが特徴として際立っています。

まとめ

アバルト 500eは、アバルトの長い歴史の中で初の完全電動車として、新しい時代の幕開けを告げるモデルです。伝統的なアバルトのスポーティな魂を受け継ぎつつ、電動化による新たな価値と魅力を提供しています。非常にユニークな車としてチェックしておきたい車です。

アバルト 500e 公式ページはこちら

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