2026年5月7日、レクサスはBEV(バッテリー電気自動車)の3列シートSUV「レクサス TZ」を世界初公開しました。 レクサスブランド初となる3列BEV SUVとして、日本をはじめ北米・欧州・中国市場への展開が予定されています。

車の概要:レクサス TZとは?
レクサス TZは、トヨタのプレミアムブランド「レクサス」が2026年に世界初公開した、ブランド初となる3列シートBEVのSUVです。 レクサスは1989年の創業以来、常にイノベーションを追求してきましたが、TZはその集大成のひとつといえるモデルで、第1世代にあたります。
TZのポジションとしては、レクサスの3列シートSUV「TX」のBEV版にあたると位置づけられており、ボディサイズや車格はTXを上回る大型モデルです。 開発テーマは「DISCOVER LIMITLESS」——日常のルーティンから人々を解放し、新しい体験や冒険を可能にするという願いが込められています。
コンセプトは「Driving Lounge」。運転する楽しさ(Driving)と、どの席でもくつろげる居心地の良さ(Lounge)を高次元で融合することを目指しました。 車両の生産はトヨタ自動車九州で行われます。

レクサス TZのエクステリアデザイン
レクサス TZのエクステリアは、LEXUS共通のデザイン哲学「Provocative Simplicity」をベースに、シンプルさと先鋭さを融合したスタイリングが採用されています。 スピンドルボディをシンプルなひと塊で構成し、建築デザインを思わせる幾何学グラフィックで仕上げることで、車格感のある堂々とした存在感を演出しました。
フロントフェイスには、内向きのL字デイタイムランニングランプと外向きのL字ターンランプを組み合わせた「ツインLシグネチャーランプ」が採用され、先進性とSUVらしい力強さが一体となった表情を作り出しています。 フロントグリルにはBEVのシグネチャーとして発光エンブレムを搭載。昼夜を問わず高い視認性とブランドの象徴性を演出します。

サイドビューは、低重心かつロングホイールベースのプラットフォームを活かした伸びやかなシルエット。シャープなエッジと高い質感の面構成により、躍動感と力強さを際立てています。 リヤは、空力性能を追求するためにルーフ後端を大胆に下げ、張り出したフェンダー造形でワイド感とSUVらしいスタンスを表現。「リヤLシグネチャーランプ」により、一目でレクサスと認識できるデザインに仕上げられています。


ホイールには20インチ・22インチの2サイズが用意され、いずれも意匠性と空力性能を両立した設計を採用。20インチと22インチにはマルチスポーク意匠の樹脂カバー付エアロホイール、22インチにはさらに造形美を追求したアルミホイールも設定されています。 ボディカラーは新開発色「SONIC TELLUS(ソニックテーラス)」を含む全11色を展開し、ルーフバイトーンも設定されています。
空力性能にも妥協はなく、Cd値0.27を達成。 ドアハンドルからガラスとウェザーストリップのわずかな段差に至るまでフラッシュサーフェス化が施され、床下にはフルアンダーカバーにディンプルやフィンを組み合わせることで空気抵抗の低減と操縦安定性の向上を両立しています。
レクサス TZのボディサイズは、全長5,100mm、全幅1,990mm、全高1,705mmです。





レクサス TZのインテリアデザイン
レクサス TZのインテリアは、「Driving Lounge」というコンセプトを体現すべく、乗員全員のくつろぎを最優先に設計された空間です。 新開発プラットフォームによる低床・ロングホイールベース(3,050mm)パッケージで広々とした室内空間を実現しており、フロント・セカンド・サードシートのすべてで快適な居住性を確保しています。
インストルメントパネルは薄型設計で、水平基調のすっきりしたデザインを採用。メーターフードをなくしてパネル上面を低く抑えることで、ドライバーの開放的な前方視界を確保しています。 ステアリングやインストルメントパネル部には「Responsive Hidden Switches(レスポンシブヒドゥンスイッチ)」を採用。手をかざすと機能アイコンが点灯し、シンプルな見た目を保ちながらしっかりとした押下感で操作できる次世代スイッチです。

シートは全3列にわたってこだわり抜いた設計が施されています。フロントシートは分割構造で立体感と座り心地を両立。助手席とセカンドシートにはレクサスのSUVとして初となるオットマンを設定し、シートベンチレーションも装備されています。 サードシートはソファのような座り心地を目指した設計で、大人2人がゆったりと座れるヘッドクリアランスと側方視界を確保。セカンドシートバックのウォークインスイッチを押せばスムーズにサードシートへ移動できます。
特筆すべきは、世界最大長・最大面積を誇るシェード開口を持つ大開口薄型可動パノラマルーフ。サードシートに座っていても空の景色を楽しめるよう、シェードの配置と開口長が徹底的に設計されています。

音響面では、Mark Levinson™オーディオシステムを採用し、21スピーカーの最適配置によって音楽ホールのような立体的な音場を実現。通常の音場設定に加え、後席を重視した音場設定も選択できます。
さらに「Sensory Concierge(センサリーコンシェルジュ)」が、イルミネーション・音楽・マルチメディア動画・空調を連動させ、3つのモードで乗員の感性に寄り添う演出を行います。 照明は「幽玄」「幻想」「奏」「移ろい」「閃光」「鼓動」という6つの世界観を持つLEDイルミネーションで構成され、空間を彩ります。 香りのおもてなしとして5種類のフレグランスが用意され、それぞれ専用の映像・音楽・イルミネーションと連動する演出も楽しめます。

インテリアカラーは、ホワイトアッシュ・モーヴ・グレースケールの3色を設定。 素材には四国産の竹繊維を樹脂に練り込んだ「Forged bamboo」と、植物由来原料の「高触感バイオウルトラスエード™」を随所に採用し、サステナビリティと上質感を両立させています。






レクサス TZの走行性能
レクサス TZは、BEVならではの低重心・高剛性という特性をフル活用し、走る喜びとラウンジのような快適性を同時に実現しています。 フロントとリヤにそれぞれ167kWの高出力モーターを搭載し、AWD駆動のシステム最高出力は300kW(407.8PS)を発揮。0-100km/h加速は5.4秒を実現しています。
「LEXUS味磨き活動」の集大成として、フロントエンド・リヤエンド・フロア前後の4か所すべてにボディの土台強化が施されています。 これにより、LEXUSらしい「Lexus Driving Signature」として、しっとりとした一体感のある乗り味が実現しています。
サスペンションはTZ専用に開発。フロントにマクファーソンストラット式、リヤにマルチリンク式を採用し、前後を問わず長時間の乗車でも疲れを感じさせない快適な乗り心地を追求しています。 さらに「Dynamic Rear Steering(DRS)」を装備し、後輪を最大4度転舵することで低速での取り回し性、高速での安定性を向上。最小回転半径は5.4m(DRS付)と、全長5.1mの大型ボディながら優れた取り回しを発揮します。

ドライブモードはNORMAL・SPORT・ECO・RANGE・REAR COMFORTの5種類を設定。とくに注目の「REAR COMFORTモード」では、DRSによる横揺れ制振制御、ブレーキ時のノーズダイブ抑制、加速時のピッチング抑制という3つの制御を組み合わせ、後席乗員の快適性を最優先にした穏やかな走りを実現しています。
「インタラクティブマニュアルドライブ(Interactive Manual Drive)」は、8速の仮想有段ギヤをパドルシフトで操作できる機能で、MT車を操るような感覚と高揚感を電動SUVで味わえます。 バッテリーはスタンダードレンジ(76.96kWh/104セル)とロングレンジ(95.82kWh/312セル)の2種類を設定し、日本国内でのWLTC航続距離は620kmを目標に開発が進められています。 150kW急速充電ではSOC 10〜80%まで約35分での充電が可能です。

レクサス TZの安全性能・運転支援
レクサス TZには最新の「Lexus Safety System+」が採用され、より広く・遠くまで対象物を認識できるよう進化しています。 レーダークルーズコントロール(全車速追従機能付)は地図連携機能とエコランモードを新たに追加。一時停止標識や丁字路、料金所手前での自動減速など、より多彩なシーンで運転をサポートします。
レーンチェンジアシスト(LCA)はより簡単でスムーズな車線変更を支援するよう改良され、プリクラッシュセーフティ(PCS)は交差点での出会い頭シーンへの対応も強化されています。 ドライバーモニターは眠気の兆候を新たに検知する機能が追加され、ドライバー異常時対応システムは高速道路や自動車専用道での路肩停車機能が追加されました。
TZとして特に注目されるのが、LEXUSとして初採用となる「車内置き去り通知システム(Cabin Detection Alert System)」です。 60GHzレーダーによる電波式センサーが3列目頭上に配置され、ブランケットをかけた幼児でも検知できる高精度な設計が採用されています。 また、パノラミックビューモニターには新開発の3Dビューが採用され、スワイプ操作で好きな視点から周囲を確認できます。

レクサス TZの価格
レクサス TZの価格
レクサス TZの価格については、2026年5月時点でまだ正式発表されていません。 国内での発売は2026年冬頃を予定しており、価格の正式発表もそれに先立って行われる見込みです。
価格帯の参考として、同ブランドの類似モデルを見てみましょう。現行の同門3列シートSUV「レクサス TX」の2026年モデル(北米)は、エントリーグレードのTX350(2WD)が57,090ドル(約847万円)からスタートし、PHEV仕様のTX550h+ラグジュアリーの最上位グレードが80,960ドル(約1,201万円)となっています。 なお、TXは現時点で日本市場での発売は行われていません。
BEVモデルでは、現行「RZ」が790万円〜を設定しています。 大型3列BEV SUVというTZのキャラクターを踏まえると、TXのガソリン仕様を上回る価格帯、すなわち900万円〜1,200万円前後になるとの見方が有力です。 正式な価格情報が公開され次第、改めて確認をお勧めします。

レクサス TZの発売時期
日本でのレクサス TZの発売は、2026年冬頃を予定しています。 発表は2026年5月7日(日本時間)に愛知県のトヨタテクニカルセンター下山で行われました。
日本以外では、北米・欧州・中国市場でも同様に展開される予定で、グローバルに販売が行われる見込みです。 生産はトヨタ自動車九州が担当します。

日本で発売されるか
レクサス TZは日本でも正式に発売されます。 公式発表でも「日本での発売は、2026年冬頃を予定しています」と明記されており、国内市場への投入が確定しています。
充電規格については、日本仕様ではCHAdeMOに対応しているほか、V2H(Vehicle to Home)機能も搭載予定です。 また、日本国内ではAC100VでのAC外部給電(最大約1.5kW)が利用できるため、アウトドアや災害時の給電用途にも対応できます。

レクサス TZの辛口評価
レクサス TZをあえて辛口で評価します。
まず気になるのが、その重量と車格です。プロトタイプ値で車両重量2,630kgという数値は、同クラスの3列BEV SUVの中でもかなりのヘビー級。 「クルマの大きさを感じさせない走り」をうたっているものの、2.5トンを超えるボディを5.4秒で100km/hまで加速させるとなれば、タイヤや足回りへの負荷も相当なものが予想され、経年によるメンテナンスコストへの懸念は拭えません。
「インタラクティブマニュアルドライブ」で8速のバーチャルシフトや擬似エンジンサウンドを再現するというアプローチは、EV本来の静粛性・シームレスな加速感という魅力とは一線を画す方向性です。「本物」のMT体験を求めるドライバーにはどこか物足りなく、逆にEVの爽快感を好む層には不要な機能に映ることもあるでしょう。
また、全長5,100mm・全幅1,990mmというボディサイズは、都市部の立体駐車場や一般的な機械式駐車場には入らないケースがほとんどです。 ファミリー層をターゲットとしたモデルにもかかわらず、都市生活での取り回しの難しさは現実的な課題といえます。
さらに、価格の正式発表前とはいえ、現行BEVモデルより大幅に高い価格帯が予想されます。 日本のEV普及環境や充電インフラの整備状況を考えると、メインカーとして日常使いするにはまだハードルが高いと感じるユーザーも一定数いるでしょう。

レクサス TZのライバル車
レクサス TZが対峙するライバルは、3列シートを持つプレミアムBEV SUVのカテゴリーに集中します。
| モデル | ブランド | 駆動 | 航続距離(目安) | 定員 |
|---|---|---|---|---|
| テスラ モデルY L | テスラ | AWD | 約515km | 6〜7名 |
| BMW iX xDrive50 | BMW | AWD | 約630km | 5名(3列なし) |
| メルセデス EQS SUV | Mercedes-Benz | AWD | 約600km | 6〜7名 |
| キャデラック エスカレード IQ | キャデラック | AWD | 約724km | 7名 |
テスラ モデルY Lはひと回り小型ながら、3列シート搭載の電動SUVという点でTZと直接競合します。 メルセデス EQS SUVはプレミアムBEV 3列SUVとして最も近い競合ポジションにあり、どちらを選ぶかはブランド・乗り味・内装の質感への好みが分かれます。キャデラック エスカレード IQは北米市場でのライバルとなる超大型プレミアムBEV SUVです。

主要スペック
| 項目 | 諸元(プロトタイプ値) |
|---|---|
| 全長 | 5,100mm |
| 全幅 | 1,990mm |
| 全高 | 1,705mm |
| ホイールベース | 3,050mm |
| 車両重量 | 2,630kg |
| 駆動方式 | AWD |
| システム最高出力 | 300kW(407.8PS) |
| フロント/リヤモーター最高出力 | 各167.0kW(227PS) |
| フロント/リヤモーター最大トルク | 各268.6N·m |
| 0-100km/h加速 | 5.4秒 |
| バッテリー総電力量(ロングレンジ) | 95.82kWh |
| バッテリー総電力量(スタンダード) | 76.96kWh |
| 航続距離(日本/WLTC) | 約620km |
| DC急速充電(150kW、10→80%) | 約35分 |
| タイヤサイズ | 255/45R22・255/55R20 |
| 最小回転半径(DRS付) | 5.4m |
| 荷室容量 | 290L〜2,017L |
| Cd値 | 0.27 |

まとめ
レクサス TZは、ブランド初のBEV 3列シートSUVとして、走る歓びと上質な居住空間を高次元で融合させた意欲作です。 「Driving Lounge」というコンセプトのもとで開発されたその内外装は、単なる移動手段を超え、同乗者全員に豊かな時間を提供することを目指しており、ファミリー層からラグジュアリーカーファンまで幅広い層の注目を集めています。 2026年冬の日本発売に向けて、正式な価格やグレード展開の発表が待たれます。


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