日産は2026年10月1日、2026年7〜9月の米国販売実績を発表しました。インフィニティを含む日産グループの総販売は前年同期比1.4%増の226,474台。一方、個人向け販売は7.8%増の196,018台でした。レンタカー向けを減らしながら、販売店を通じた個人向け販売を伸ばしたことが今回の特徴です。SUVとピックアップが支える販売の変化と、11月に投入予定の新型ローグ ハイブリッドへのつながりを整理します。
米国Q3販売は総販売1.4%増、個人向け7.8%増
今回の「Q3」は暦年の第3四半期、2026年7〜9月を指します。日産ブランドの総販売はほぼ横ばいでしたが、個人向け販売は6.8%増。インフィニティは両方の区分で約2割の増加となりました。
| ブランド・集計範囲 | 総販売台数 | 総販売の前年同期比 | 個人向け販売台数 | 個人向けの前年同期比 |
|---|---|---|---|---|
| 日産グループ | 226,474台 | +1.4% | 196,018台 | +7.8% |
| 日産ブランド | 210,635台 | +0.2% | 180,619台 | +6.8% |
| インフィニティ | 15,839台 | +20.4% | 15,399台 | +21.0% |
ここでいう個人向け販売は、発表の「retail sales」に当たる区分です。レンタカー会社などへの車両販売を含む総販売とは分けて示されています。たとえば日産ブランドの「6.8%増」を、そのままブランド全体の総販売の伸びと読むことはできません。
1〜9月累計でも同じ傾向が見られます。日産グループの総販売は716,283台で0.6%増、個人向け販売は557,568台で8.1%増でした。四半期だけでなく、年初からの実績でも個人向けの伸びが総販売を上回っています。
レンタカー向け45%減が示す販売構成の変化
日産は、販売店を通じた顧客需要を重視し、レンタカー向けの販売台数を減らす方針を説明しています。日産のレンタカー向け販売は7〜9月に前年同期比45%減、1〜9月累計では33%減となりました。
総販売が小幅増にとどまった一方で個人向けが伸びたのは、こうした販売先の構成変化と併せて見る必要があります。販売台数を一つの合計だけで評価すると、個人向け需要の増加とレンタカー向けの削減が見えにくくなります。
ただし、総販売と個人向け販売の差を、すべてレンタカー向けの台数とみなすことはできません。また、販売先を変えたことや台数が増えたことだけで、日産全体の利益回復まで判断することもできません。今回確認できるのは、米国で個人向け販売を伸ばしながらレンタカー向けを減らしたという実績です。
4〜6月から続く個人向け販売の伸び
個人向け販売の増加は、今回の四半期だけの動きではありません。7月1日に公表した4〜6月の米国販売でも、日産グループの個人向け販売は前年同期比8.0%増、日産ブランドは8.8%増でした。
その時点で、日産ブランドの月間個人向け販売は16か月連続で前年同月を上回っていました。今回の発表では19か月連続となり、9月単月も前年同月比13.2%増を記録しています。
4〜6月と7〜9月の伸び率はいずれも前年同期との比較です。数字の違いを前の四半期からの販売減少と読むのではなく、前年を上回る個人向け販売が続いている点に注目できます。
日産は4〜6月の発表で、ローグとフロンティアの個人向け販売の伸びを挙げ、年内のローグ ハイブリッド投入にも期待を示していました。今回もこの2車種が成長を支えており、既存の主力車が需要をつなぐなかで新しいハイブリッド車を加える流れです。
SUVとピックアップが伸長、乗用車は減少
車種別では、日産 ローグ、日産 フロンティア、日産 アルマーダが総販売と個人向け販売の両方で伸びました。ただし、同じ車種でも販売区分によって伸び率は異なります。
| 車種 | 7〜9月の総販売台数 | 総販売の前年同期比 | 個人向け販売の前年同期比 |
|---|---|---|---|
| 日産 ローグ | 66,021台 | +26.3% | +41% |
| 日産 フロンティア | 23,412台 | +37.5% | +44% |
| 日産 アルマーダ | 6,356台 | +43.2% | +42% |
日産ブランドの集計では、SUVなどを含む「Truck」区分の総販売は158,276台で10.0%増。一方、セダンやスポーツカーなどの「Car」区分は52,359台で21.0%減でした。この「Truck」はピックアップだけの集計ではありません。
SUVが一様に伸びたわけでもありません。日産 パスファインダーの7〜9月の総販売は23,311台で9.5%減でした。SUVとピックアップがブランドを支えていても、車種ごとの強弱は残っています。
インフィニティでは、個人向け販売が前年同期比21.0%増となり、2020年以来で最も多い第3四半期の個人向け販売を記録したと発表しています。インフィニティ QX60が同ブランドの販売台数をけん引し、新たに加わったインフィニティ QX65や、インフィニティ QX80も販売を支えました。
次の焦点は11月のローグ ハイブリッド投入
日産は今回の発表で、2027年型の日産 ローグ ハイブリッドが2026年11月から米国の販売店に到着する予定と説明しました。個人向け販売が41%増えた主力車種に、ハイブリッドの選択肢を加えます。
9月21日に発表された新型の日産 ローグ ハイブリッドは、エンジンを発電に使い、モーターで車輪を駆動する第3世代e-POWERを採用しています。従来の発表では米国投入を2026年秋としており、今回の販売発表で到着予定が11月と具体化しました。
米国でSUVの購入を検討する人にとっては、ローグを選ぶ際のパワートレインの選択肢が増えることが具体的な変化です。一方、今回の7〜9月実績はこの新型車が到着する前の数字です。ローグの販売増を、これから投入するハイブリッド車の効果と捉えることはできません。
新型車が現在の需要をさらに伸ばせるかは、投入後の販売で確認することになります。日本で車を購入する人にとっても日産の主力SUVの動向として関心のある話ですが、この米国販売発表から、日本向けエクストレイルの発売時期や価格を判断することはできません。

まとめ
2026年7〜9月の日産グループの米国販売は、総販売1.4%増に対し、個人向け販売が7.8%増となりました。日産がレンタカー向けを削減する一方、ローグやフロンティアを中心に個人向け需要を伸ばした点が特徴です。
ただし、乗用車の総販売は減少しており、ブランド全体が同じ勢いで伸びているわけではありません。11月のローグ ハイブリッド投入後も、総販売、個人向け販売、車種別の動きを分けて追うことが、米国事業の変化を理解する手がかりになります。



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