ホンダの米国法人は2026年10月1日、2027年型シビック タイプR(Honda Civic Type R)の改良モデルを発表しました。米国でのメーカー希望小売価格は48,695ドル(約769万円)からで、ディーラーには10月中に順次届く予定です。この新型シビック タイプRは前面の冷却性能、サスペンション設定、ブレーキペダルの感触、レブマッチ制御を見直し、シートヒーターやグーグル搭載システムを標準で装備します。現行モデルから1,800ドル(約28万円)上がった価格に見合う中身か、日本での扱いとあわせて整理します。

車の概要:ホンダ シビック タイプRとは?
シビック タイプRは、シビックをベースにした高性能ハッチバックです。1997年に日本で初代が登場し、2027年に世界で30周年、北米で10周年を迎えます。現行のFL5型は、タイプRとして6世代目にあたります。ホンダによると、米国で販売台数が最も多いホットハッチで、同じクラスでMTのみの車はこの1台です。6速MTだけを設定する点が最大の特徴です。エンジンはK20C型ターボで、米国オハイオ州のアナ・エンジン工場で生産しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ボディサイズ(日本の現行仕様) | 全長4,595mm×全幅1,890mm×全高1,405mm |
| ホイールベース(日本の現行仕様) | 2,735mm |
| エンジン | K20C型 直列4気筒ターボ |
| 排気量(日本の現行仕様) | 1,995cc |
| 最高出力(米国) | 315馬力 |
| トランスミッション/駆動方式 | 6速MT/FF |
| EPA燃費(市街地/高速/複合) | 22/28/24mpg |
| 米国価格 | 48,695ドル(約769万円)、目的地手数料別 |

ホンダ シビック タイプRのエクステリアデザイン
最大の変更点は前面です。フロントバンパーのデザインを改め、グリル開口部を大きくしました。空気の流れの乱れを抑えてエンジンの冷却性能を高め、サーキットで高負荷の走行を続けたときも性能を保ちやすくするとしています。フロントスプリッターも深くなり、ダウンフォースが増えました。



ボディカラーは4色です。新色のメテオライトグレー・メタリックに、ブーストブルー・パール、ソニックグレー・パール、チャンピオンシップホワイトがあります。チャンピオンシップホワイトは、ホンダのレーシングカーの歴史を象徴する色です。


ホンダ シビック タイプRのインテリアデザイン
室内では、レーシングシート風のフロントスポーツシートにシートヒーターがつきました。タイプRとして初の装備です。3段階の温度調整スイッチは、エアコンのローレット加工のダイヤルの隣に置いています。


赤い摩擦の大きいスエード調のシート表皮には、黒いストライプが入る新しい穴あきパターンを採用しました。体のずれを抑えつつ、接触部の通気性を確保して運転中の疲労を減らすとしています。インストルメントパネル上部とフロントドア上部には、ウルトラスエード®を使いました。フロントガラスへの映り込みを抑え、視界を保つ狙いです。

そのほか、次の変更があります。
- ダイヤモンド柄のメッシュ調ダッシュトリムパネルを黒縁で囲む意匠にした
- エアコンのダイヤルとエアベントのノブを黒にした
- アルミ製シフトノブ、コンソールトリム、ドアハンドルをより濃いグレーにした
- フロントドアパネルのトリムをシルバーにした
- 自動防眩式のルームミラーを新たに装備した


インフォテインメントには、アレクサ搭載に加え、タイプRで初めてグーグル搭載システムを採用しました。グーグル ジェミニ、グーグルマップ、グーグルプレイを使えます。ジェミニは複数のやり取りにわたって文脈を保ったまま会話できるとしています。センターコンソールには、標準のワイヤレス充電器の上にUSB-Cポートを2つ追加しました。
ホンダ シビック タイプRの走行性能
エンジンはK20C型ターボで、最高出力は315馬力です。ホンダは、米国で販売した歴代のホンダ車で最もパワフルな量産車だとしています。

ボンネット内では、エンジンカバーのデザインが変わりました。日本で販売された初期のタイプRを思わせる意匠です。
2027年型の走りに関する変更は、次の調整です。
- 「+R」モードのサスペンション減衰力を最適化し、路面追従性を高めてバウンドや突き上げを抑えた
- レブマッチ制御を改め、ダウンシフト時のエンジンの反応を速くした
- ブレーキペダルにヨークスプリングを追加し、リンクのガタを抑えて踏んだ感触をダイレクトにした



EPA燃費は市街地22mpg、高速28mpg、複合24mpgです。複合は約10.2km/Lに相当します。
ホンダ シビック タイプRの安全性能・運転支援
運転支援機能のホンダセンシングは全車に標準で、2027年型では3つの機能を強化しました。衝突軽減ブレーキ(CMBS)は二輪車と自転車を見つけやすくなり、アダプティブクルーズコントロール(ACC)はブレーキと加速の反応が良くなりました。車線維持支援(LKAS)は、道路の傾きなどの外乱に対する制御を改善しています。
タイプRでは初めて、衝突後ブレーキ(PCB)を全車に装備します。多重衝突で被害が広がるのを軽減する機能です。ホーンも2音式に改めています。ホンダセンシングは全車共通で、今回の強化は上の3機能とPCBです。
ホンダ シビック タイプRの価格
米国での2027年型シビック タイプRのメーカー希望小売価格(MSRP)は48,695ドル(約769万円)です。目的地手数料1,295ドル(約20万円)を加えた総額(TSRP)は49,990ドル(約790万円)になります。グレードはタイプRの1種類です。
2026年1月の発表時点で、2026年型のMSRPは46,895ドル(約741万円)でした。2027年型は1,800ドル(約28万円)高く、目的地手数料は1,195ドルから1,295ドルに上がっています。手数料込みの総額では、48,090ドルから49,990ドルへ1,900ドル(約30万円)の上昇です。
| 項目 | 2027年型 | 2026年型 |
|---|---|---|
| MSRP | 48,695ドル(約769万円) | 46,895ドル(約741万円) |
| 目的地手数料 | 1,295ドル(約20万円) | 1,195ドル(約19万円) |
| 合計 | 49,990ドル(約790万円) | 48,090ドル(約760万円) |
プレミアム塗装色を選ぶ場合は、455ドル(約7万円)が別にかかります。税金、登録費用、ディーラーオプションも含まれていません。

ホンダ シビック タイプRの発売時期
2027年型シビック タイプRは、米国のホンダディーラーに2026年10月中に順次届き始める予定です。
ホンダ シビック タイプRは日本で発売されるか
今回の発表は米国向けで、日本での導入の有無も、時期も、価格も発表されていません。日本のホンダ公式サイトでは、現行のシビック タイプRはRACING BLACK Packageだけが617万9,800円(消費税込み)で載っています。現在は注文の受け付けを一時停止している案内も出ています。
日本でシビックの6速MTを選ぶなら、2026年6月に改良されたRS(448万8,000円)が現行の選択肢です。

ホンダ シビック タイプRを辛口評価
最初に気になるのは値上げです。MSRPは前年型から1,800ドル(約28万円)上がりました。サスペンション、レブマッチ、ブレーキペダルは調整の範囲で、シートヒーターやグーグル搭載システム、自動防眩ミラーは快適装備の追加です。走りの数字を求める人には、価格差の理由が見えにくい改良です。
プレミアム塗装色を選ぶと、総額はさらに増えます。MSRPに目的地手数料1,295ドルと塗装代455ドルを足すと、50,445ドル(約797万円)です。税金と登録費用は別にかかります。
変速機が6速MTしかない点も、選ぶ人を限ります。操る楽しさを支える特徴ですが、ATは選べません。
日本の読者にとっては、国内の情報がまだないことも弱点です。日本の現行車は受注停止中で、約769万円という米国価格の円換算を日本価格の目安にはできません。日本価格が決まるまで、国内のライバルとの比較は難しいままです。
一方で、前面の冷却改善とシートヒーターは、サーキットでも日常でも効く実用的な変更です。
ホンダ シビック タイプRのライバル車
日本で比べやすいのは、GRカローラとゴルフ Rです。日本仕様のシビック タイプRは、最高出力330PS(243kW)で、駆動方式はFF、変速機は6速MTのみです。米国の315馬力とは、数値をそのまま比べられません。
トヨタ GRカローラ
GRカローラのRZは、6速MT(4WD)が568万円(消費税込み、2025年9月時点)です。8速ATのGR-DAT(4WD)も選べます。1,618cc 3気筒ターボで、最高出力は304PS(224kW)です。

フォルクスワーゲン ゴルフ R
ゴルフ Rは714万9,000円(消費税込み)からです。TSIターボで、最高出力は333PS(245kW)、駆動方式は4MOTION(フルタイム4輪駆動)です。タイプRの日本価格である617万9,800円より高くなります。
FFのMT専用車を選ぶならタイプR、4WDで価格を抑えるならGRカローラ、予算を上げて333PSを求めるならゴルフ Rが向いています。
ホンダ シビック タイプRのまとめ
2027年型シビック タイプRは、前面の冷却と空力、サスペンション、ブレーキペダル、レブマッチを細かく磨き、シートヒーターやグーグル搭載システムなどの装備を足した改良です。価格は48,695ドル(約769万円)からで、1,800ドル(約28万円)の値上げになりました。
6速MTのホットハッチを毎日乗れる範囲で楽しみたい人に向いた1台です。日本ではGRカローラやゴルフ Rがライバルになるため、日本導入の有無と価格の発表が待たれます。
ホンダ シビック タイプRのよくある質問
Q. 2027年型シビック タイプRの価格はいくらですか?
米国のMSRPは48,695ドル(約769万円)で、目的地手数料1,295ドル(約20万円)を加えると49,990ドル(約790万円)です。2026年型からMSRPは1,800ドル(約28万円)上がりました。
Q. 2027年型シビック タイプRの発売はいつですか?
米国のホンダディーラーに、2026年10月中に順次届き始める予定です。
Q. 日本でも2027年型シビック タイプRは発売されますか?
日本での導入の有無や時期、価格は、まだ発表されていません。日本のホンダ公式サイトでは、現行のRACING BLACK Packageが617万9,800円(消費税込み)で載っていますが、注文の受け付けを一時停止しています。
Q. 2027年型シビック タイプRの主な変更点は?
前面の冷却とフロントスプリッター、サスペンション、レブマッチ、ブレーキペダルの見直しと、シートヒーター、グーグル搭載システム、新色の追加です。
Q. シビック タイプRにATはありますか?
設定はありません。6速MTのみです。




コメント