アストンマーティンは2026年10月1日、英国ロンドンのメイフェアに旗艦拠点「Q London」を開設したと発表しました。営業開始は10月5日です。ここでは車両を見るだけでなく、実物の色や素材に触れ、大型画面で仕上がりを確かめながら、自分の一台の仕様を相談できます。ニューヨークに続くQの拠点で、何ができるのでしょうか。

ロンドン中心部に開設した旗艦拠点
Q Londonの所在地はメイフェアのバークリー・スクエア14番地。2フロアで約587m²を使い、最大4台のアストンマーティンを展示します。運営は同社のディーラーパートナー、H.R.オーウェンです。10月1日の開設発表に合わせてアストンマーティン DBX GTも世界初公開されました。ただし、Q Londonそのものの営業開始日は10月5日と案内されています。
地上階には展示車両、気軽に話せる席、仕様相談ラウンジ、コーヒーバーが並びます。ガラス張りの正面から入ると、ブロンズで覆ったアーチと吹き抜けが続く構成です。車を眺めるショールームと、時間をかけて仕様を考える場所を一つの建物に収めています。


Qで選べるもの
「Q by Aston Martin」は、アストンマーティンの社内パーソナライゼーションサービスです。ステッチ、レザー、外装色といった仕立てから、特別なモデルや一台限りの注文まで、幅広い領域を扱います。Q LondonではQチームと直接相談し、色、内装材、仕上げの選択肢を検討できると同社は説明しています。
その幅を示す例が、Qと特別車両部門SVOが手がけたアストンマーティン ヴァレンです。ただし、特別モデルの製作と通常の注文車の色・素材選びは同じ条件ではありません。希望した仕様がすべて実現するという意味にもなりません。Q Londonの役割は、実物を確かめながら希望を具体化し、担当者と相談できる場所を設けたことにあります。

500点超の素材と映像
仕様相談ラウンジのマテリアルライブラリーには、ボディや内装の色、レザー、ステッチのパターンなど、500点を超える実物見本をそろえています。画面上では似て見える色でも、素材の手触りや光を受けたときの印象は実物で確かめる必要があります。同社は見本を、デジタル映像を補う要素と位置づけています。


大型のデジタルコンフィギュレーターは、約8m幅、約3m高の画面に車をほぼ実車大で映します。車両の基本モデルから特別モデルまで表示でき、デザインスタジオの設計データを使って、仮想の光が車体に当たる様子も再現します。小さな色見本と画面上の完成イメージを行き来しながら、選択肢を絞れる仕組みです。
地下階には予約制の個別相談室があり、別の素材見本の壁と映像設備を備えます。地上階がブランドや車に触れる入口なら、地下は個別の仕様を深く詰める空間です。イベントにも使われる予定で、木材の床や壁、ガラスと石灰岩の階段など、内装そのものにも素材選びを見せています。



ニューヨークから続くQシリーズ
Q Londonの構成には前例があります。アストンマーティンは2023年6月、米国ニューヨークのパークアベニュー450番地に、初の超高級旗艦拠点「Q New York」を開設しました。そこでも実物の色・内装材と大型映像を組み合わせ、デザイナーと相談しながら仕様を決める体験を打ち出しています。今回のロンドン拠点は、その考え方を英国の中心部へ展開したものです。
共通するのは、完成車を並べるだけでなく、注文車を作る過程を店内で見せる点です。ニューヨークでは実物見本と映像を合わせた仕様決めを提案し、ロンドンでは500点超の見本、ほぼ実車大の映像、地下の個別相談室まで具体化しました。ロンドンの画面は約8m×3mで、ニューヨークの仕様とは異なります。
Q Tokyoなど日本でのQの展開にも期待したいところです。
車を選ぶ人への意味
Q Londonが変えるのは、英国のこの拠点で仕様を考えるときの選び方です。ボディ色とレザーの組み合わせを画面で見て、手元の見本で質感を確かめ、担当者と相談する流れが一か所でつながります。完成後の姿を想像しにくい細かな仕立てほど、この組み合わせには意味があります。
一方、今回の発表は英国の施設についてのものです。日本の販売条件や相談窓口が変わるという発表ではありません。日本で車両の仕様を検討している人にとっては、Qが実物見本と映像をどう使うのかが分かる事例であり、国内で同じサービスを受けられるという案内ではありません。
同時に披露されたDBX GTも、車両の性能だけでなく、購入時に何を選び、どう仕立てるかを考える場で紹介されました。Q Londonの開設と車両発表を一緒に見ると、アストンマーティンが車そのものと注文体験を同じ空間で見せようとしていることが分かります。

まとめ
Q Londonは、ロンドンのメイフェアに設けられたアストンマーティンの旗艦販売・仕様相談拠点です。最大4台の展示に加え、500点超の実物見本と約8m×3mの画面、予約制の個別相談室を備えます。10月1日に開設が発表され、営業は10月5日から始まります。Q New Yorkから続く、素材に触れながら完成車を思い描く注文体験を、英国で形にした施設です。



コメント