2026年10月1日、アストンマーティンはSUVの新モデル、アストンマーティン DBX GT(Aston Martin DBX GT)を発表しました。DBX Sと同じ727PSのV8ツインターボを搭載し、足回りや遮音、シートに快適性を重視した変更を加えています。0–100km/h加速3.3秒という性能を備えつつ、家族や同乗者との長距離移動に軸足を置いた仕様です。初回納車は2026年10〜12月を予定しており、日本向けの専用ページも公開されています。

車の概要:アストンマーティン DBX GTとは?
アストンマーティン DBXは、2019年11月20日に初公開されたブランド初のSUVです。スポーツカーの走りと、5人乗り・5ドアの実用性を組み合わせたモデルで、今回のDBX GTは初代DBXシリーズに加わる新しい派生モデルです。
DBX Sがスポーティな外観と走りを前面に出すのに対し、DBX GTは穏やかな乗り味と車内での過ごしやすさを重視しています。荷室容量は総容量638L、荷室カバー下で491Lあり、後席まで使って旅行の荷物を積む用途にも対応します。

アストンマーティン DBX GTのエクステリアデザイン
金属のダブルベーングリルとボディ同色の下部
フロントには、2枚の羽根を組み合わせた形状の金属製ダブルベーングリルを採用しています。ブライト仕上げとダーク仕上げを用意し、グリルの横方向のラインを左右の開口部へつなげています。デイタイムランニングライトも組み込み、車幅を強調する顔つきに仕上げています。
DBX GTはフロントバンパー下部、サイドシル、リアディフューザーを標準でボディ同色にしています。下部まで色をそろえることで、ボディの曲面が連続して見える構成です。



時計づくりを着想源にしたサイドストレーキ
側面の金属製サイドストレーキは2分割構造です。時計づくりの仕上げ技法を着想源に、磨き上げた面とサテン仕上げの面を組み合わせています。リアの4本の排気口は、左右それぞれ2本を横並びに配置し、外側を光沢仕上げ、内側をサテン調のアルマイト仕上げにしています。



22インチ鍛造ホイールを標準装備
DBX GTは、Satin Titaniumのダイヤモンド切削仕上げを施した新しい22インチ鍛造ホイールを標準装備します。標準22インチ仕様のタイヤサイズは前285/40 ZR22、後325/35 ZR22です。
グローバル発表の標準タイヤはピレリ Scorpion Zero All-Seasonです。23インチのホイールとタイヤをオプションで用意し、P-Zero SummerまたはScorpion Zero All-Seasonを組み合わせます。アストンマーティンは、標準の22インチ仕様を乗り心地とロードノイズの抑制を重視して選んだとしています。
ボディサイズは、全長5039mm、全幅1998mm、全高1680mmです。全幅はボディのみ、全高はルーフレール込みの数値で、ドアミラーを格納した全幅は2154mm、展開時は2175mmになります。
アストンマーティン DBX GTのインテリアデザイン
10mmのメモリーフォームと新しいシート形状
前後席はクッションとサイドサポートの形状を見直しています。クッション構造に厚さ10mmのメモリーフォームを加え、体を支える形状と座ったときの柔らかさを両立させる設計です。
後席には、左右の座面と背もたれを独立した形状にした4+1シートレイアウトをオプションで用意します。左右席のヘッドレストを延長し、サイドサポートも充実させながら中央席を残した、合計5人乗りの構成です。標準装備のパノラミックガラスルーフからは、後席にも自然光が入ります。
以下は新しい前後席の写真です。後席はオプションの4+1シートレイアウトの装着例です。


前席1脚に691mの糸を使用
DBX GT専用の刺繍を新しいシートに施し、キルティングと穴あき加工を組み合わせています。内装色は単色、2色、3色の配色を用意し、セミアニリンレザーと毛足の長いフロアマットも採用します。
前席は1脚につき691mの糸を使い、3297個の穴あき加工を施しています。製作にかかる時間は1脚あたり4時間半を超えます。こうした手仕事を、シートの形状やクッションの変更と合わせて取り入れた点が、GTの内装の特徴です。


画面と物理スイッチを組み合わせた操作系
運転席には12.3インチの情報ディスプレイ、中央には10.25インチのタッチスクリーンを配置します。ドライブモードの回転式コントローラーや物理スイッチには金属を使い、触れて操作する部分の質感にも配慮しています。
Apple CarPlay UltraとAndroid Autoにも対応します。Apple CarPlay Ultraは中央画面とメーター画面を連携させ、車速や回転数などの車両情報とスマートフォンの機能を同じ表示環境で扱える仕組みです。Apple CarPlay Ultraの提供状況は、車両モデルや市場によって異なります。

遮音材と後席側面の合わせガラス
DBX GTは車体各部の遮音と車内の密閉性にも手を加えています。ドアパネル、前後のホイールアーチ周辺、荷室に遮音材を配置し、後席の側面には遮音合わせガラスを採用します。毛足の長いカーペットも車内の音を抑えるための要素です。
アストンマーティンは、走行中の会話のしやすさを表す「Articulation Index」が13%向上したとしています。同乗者との会話や電話、オーディオを聞く場面に関わる指標で、GTの静粛性を示す数値として公表されています。
標準のオーディオは800W・14スピーカーのAston Martin Premium Audioです。Bowers & Wilkinsの1600W・23スピーカーのシステムも用意されています。

アストンマーティン DBX GTの走行性能
727PS・900Nmを発揮するV8ツインターボ
パワートレインはDBX Sと共通の3982cc V8ツインターボです。最高出力は535kW(727PS)/6250rpm、最大トルクは900Nm/3000〜5250rpmで、湿式多板クラッチを使う9速ATと電子制御AWDを組み合わせます。
0–100km/h加速は3.3秒、最高速度は310km/hです。低中回転域から900Nmを発揮するため、追い越しや加速の余力を確保した構成です。DBX GTではアクセルペダルの操作感と出力の応答を調整し、9速ATの変速制御も専用に設定しています。アストンマーティンは、低速の市街地走行から全開加速まで、変速の滑らかさと一貫性を高めたとしています。

小さな振動を抑える専用ダンパーバルブ
足回りは3室式エアサスペンションと48Vの電子制御アンチロールシステム「eARC」を備えます。DBX GTには専用のダンパーバルブと減衰設定を採用し、粗い路面や路面の凹凸で生じる、高い周波数の細かな振動に対応しています。
専用バルブはダンパー内部のオイルの流れを制御します。アストンマーティンは、こうした振動を車内へ伝えにくくしながら、スポーティに走る場面では車体の動きを抑えるとしています。選択した走行モードに応じてばね特性も変え、旋回時のグリップと操舵への応答を調整します。
変速機のマウントブッシュも新しくしています。同社のスーパーカー開発で得た知見を取り入れ、取り付け剛性を高めることで変速機と車体の相対的な動きを管理します。さらに、車体と後部サブフレームの間に縦方向のダンパーを2本追加しています。大きな穴や急な路面のうねりを通過したときの車体の動きを整える狙いがあります。
カーボンセラミックブレーキとGT専用の排気音
DBX GTのカーボンセラミックブレーキは、前420mm、後390mmのディスクを備えます。ステアリングはDBX Sと共通の13.8:1のギア比で、回転直径は12.0mです。
排気音にも専用の調整を施しています。リアマフラー内部で排気の流れを2段階で混ぜ、耳につく金属的な音を抑える設計です。GTモードでは穏やかな音、SportとSport+モードではV8の音をより強く聞かせる設定にしています。
グローバル仕様のWLTP複合燃料消費量は14.3L/100kmで、km/Lに換算すると約7.0km/Lです。CO2排出量は319g/kmです。
アストンマーティン DBX GTの安全性能・運転支援
DBX GTのグローバル仕様には、先行車との距離を保ちながら速度を調整するアダプティブクルーズコントロール(ACC)と、衝突の危険に応じて制動を支援する自動緊急ブレーキ(AEB)を備えます。車線逸脱警告(LDW)と車線維持支援(LKA)も搭載し、車線を外れそうな場面で警告や操舵の支援を行います。
死角にいる車両を知らせるブラインドスポット警告(BSW)と車線変更警告(LCW)、降車時の接近を知らせるドア退出警告(DEW)、後退時の横断交通検知(RCT)も備えます。ドライバーアテンションアシストは、視線の逸れを含むドライバーの注意状態を監視します。
360度カメラと前後の駐車センサーは、車両周辺の確認を支援する装備です。幅のあるボディを狭い駐車区画へ入れる場面で、周囲との位置関係を確認するために使えます。
アストンマーティン DBX GTの価格
アストンマーティン DBX GTの価格は、2026年10月1日時点で未発表です。国内向けの車両価格も公表されていません。
| グレード | パワートレイン | 駆動方式 | 価格(税込) |
|---|---|---|---|
| DBX GT | 3982cc V8ツインターボ・9速AT | AWD | 未発表 |
海外での価格感を示す参考として、Man of Manyの2026年10月1日付の記事では、既存DBXシリーズの豪州価格を約5196万円(47万5000豪ドル)からと紹介しています。現地の登録・公道走行に伴う諸費用を含まない価格で、DBX GT専用の価格ではありません。同誌はGTも既存シリーズに近い高価格帯になると見ています。

アストンマーティン DBX GTの発売時期
DBX GTの初回納車は、2026年第4四半期、つまり10〜12月に始まる予定です。これはグローバル発表で示された納車予定です。
アストンマーティン DBX GTは日本で発売されるか
日本向け公式サイトには、DBX GTの専用ページと問い合わせの導線が公開されています。2026年10月1日時点で、日本国内の発売日や納車開始日は未発表です。
国内で購入を検討する場合は、車両価格に加え、希望する後席仕様やホイールの設定、納車予定を販売店で確認することになります。
アストンマーティン DBX GTを辛口評価
DBX GTの日常性を考えると、まず気になるのが幅です。ボディのみで1998mm、ドアミラーを格納しても2154mmあるため、駐車場は車体だけの幅で判断できません。回転直径も12.0mあり、快適な乗り味と狭い道での扱いやすさは、それぞれ確認が必要です。
燃料消費も購入後の負担になります。WLTP複合の14.3L/100kmは、試験値で100km走るごとに14.3Lを使う計算です。長距離移動を重ねる用途では、727PSの性能を使う機会だけでなく、移動距離に応じた給油量も考えたいところです。
一方で評価できるのは、DBX Sと同じ出力を維持しながら、細かな振動、変速時の感触、車内の会話、座り心地にまで手を加えたことです。GTの魅力は最高出力の数字よりも、運転者と同乗者がその性能をどのような環境で使えるかにあります。

アストンマーティン DBX GTのライバル車
ベントレー ベンテイガ アズール V8
ベントレー ベンテイガ アズール V8は、V8ツインターボエンジンを搭載する快適性重視のSUVです。日本での参考価格は2022年7月1日時点で3096万円(税込)です。現行V8仕様の最高出力は550PS、最大トルクは770Nm、0–100km/h加速は4.5秒です。
4+1シート仕様や、後席の温度と着座姿勢を調整するAirline Seat Specificationをオプションで用意しています。後席での過ごし方とシート機能を重視する人にとって、DBX GTと比較したいモデルです。
ポルシェ カイエン ターボ Eハイブリッド クーペ GTパッケージ
ポルシェ カイエン ターボ Eハイブリッド クーペ GTパッケージは、2027年モデルの国内価格が2903万円(税込)です。ハイブリッドのシステム最高出力は544kW(739PS)で、スポーツクロノパッケージ装着時の0–100km/h加速は3.6秒、最高速度は305km/hです。
DBX GTの727PS・3.3秒と比べると、システム出力と加速時間で特徴が分かれます。739PSのハイブリッドを候補にしたい人には、カイエンが比較対象になります。
高性能SUVの別の方向性として、アウディ RS Q8とRS Q8 パフォーマンスもあります。DBX GTは、V8の加速力と乗員全員の快適性を両方重視する人に向いています。後席の機能を細かく選びたい人はベンテイガ、ハイブリッドを選びたい人はカイエンが比較候補です。

アストンマーティン DBX GTの主要スペック
グローバル仕様の主要諸元は以下のとおりです。
| 項目 | DBX GT |
|---|---|
| 全長 | 5039mm |
| 全幅 | 1998mm(ボディのみ) |
| 全高 | 1680mm(ルーフレール込み) |
| ホイールベース | 3060mm |
| 最低地上高 | 190mm(GTモード)/235mm(最大オフロード設定) |
| 乗車定員 | 5人 |
| 車両重量 | 2245kg(DIN) |
| エンジン | 90度V型8気筒ツインターボ |
| 総排気量 | 3982cc |
| 最高出力 | 535kW(727PS)/6250rpm |
| 最大トルク | 900Nm/3000〜5250rpm |
| トランスミッション | 湿式多板クラッチ式9速AT |
| 駆動方式 | 電子制御AWD |
| 燃料消費量 | WLTP複合14.3L/100km(約7.0km/L) |
| 最小回転半径 | 約6.0m(回転直径12.0mからの換算値) |
| 0–100km/h加速 | 3.3秒 |
| 最高速度 | 310km/h |
| タイヤサイズ | 前285/40 ZR22、後325/35 ZR22(標準22インチ仕様) |
燃費のkm/L表記は、100を14.3で割った換算値です。
アストンマーティン DBX GTのまとめ
アストンマーティン DBX GTは、727PSのV8を軸に、足回り、遮音、シートを快適性のために調整したSUVです。幅や燃料消費を受け入れられることが購入の前提になります。運転そのものを楽しみながら、家族や同乗者にも長距離移動を心地よく過ごしてほしい人に向いた仕様です。
アストンマーティン DBX GTのよくある質問
Q. アストンマーティン DBX GTの価格はいくらですか?
2026年10月1日時点で、DBX GTの車両価格は未発表です。日本国内の価格も公表されていません。
Q. アストンマーティン DBX GTはいつ発売されますか?
初回納車は2026年10〜12月に始まる予定です。日本向けの専用ページは公開されていますが、国内の発売日・納車開始日は未発表です。
Q. アストンマーティン DBX GTは何人乗りですか?
乗車定員は5人です。左右の後席を独立した形状にした4+1シートレイアウトはオプションで、中央にも1人が座れる構成です。
Q. アストンマーティン DBX GTとDBX Sの違いは何ですか?
最高出力727PS、最大トルク900Nmは共通です。DBX GTは専用のダンパーや変速制御、遮音とシートの変更を通じて、日常走行や長距離移動の快適性を重視しています。



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