トヨタは2026年9月3日、トヨタ クラウン スポーツの一部改良を発表しました。改良モデルは9月21日に発売されます。今回の改良ではPHEVに「SPORT Z」を新設定したほか、HEVのシステム出力と燃費を向上。全車へのパドルシフト採用や新色追加、オーディオの強化など、走りと商品性の両面に手が入っています。

車の概要:トヨタ クラウン スポーツとは?
トヨタ クラウン スポーツは、16代目クラウンを構成する4つのボディタイプのひとつです。16代目ではクロスオーバー、スポーツ、セダン、エステートを展開しており、クラウン スポーツは2023年に登場しました。従来のクラウンが持つセダン中心のイメージから大きく踏み出した、5人乗りSUVという位置づけです。
2026年9月の一部改良では、PHEVの選択肢をSPORT RSだけでなくSPORT Zまで拡大しました。HEVには第5世代ハイブリッドシステムを導入し、システム最高出力を従来の172kW(234PS)から176kW(239PS)へ引き上げています。
さらに全車にパドルシフトを標準装備し、トヨタプレミアムサウンドシステムをSPORT RSとSPORT Zに標準化しました。ボディカラーにはニュートラルブラックを追加し、サイドデカールの設定も全車へ拡大しています。

トヨタ クラウン スポーツのエクステリアデザイン
トヨタ クラウン スポーツは、大きく張り出したリヤフェンダーや低く見せたキャビン、大径ホイールを組み合わせたSUVです。今回の一部改良で基本的なボディ造形は維持しつつ、深みのあるニュートラルブラックを新たなボディカラーとして設定しました。

足元はグレードによって仕様が異なります。SPORT RSは235/45R21タイヤと21×8.5Jアルミホイールを組み合わせ、ホイールをマットブラック塗装としています。SPORT ZとSPORT Gは235/45R21タイヤと21×8.5Jアルミホイールを標準装備し、こちらはグロスブラック塗装です。
SPORT RSでは225/45R21タイヤとマットブラック塗装の21インチホイールを選ぶと6,600円減額されます。SPORT ZとSPORT Gも225/45R21タイヤとグロスブラック塗装の21インチホイールを6,600円減額のメーカーオプションとして選択できます。
サイドデカールは全車に22,000円のメーカーオプションとして設定され、バイトーンのボディカラー選択時に装着できます。今回の改良では、このサイドデカールを選択できるグレードが拡大されました。
HEVのボディサイズは、全長4,720mm、全幅1,880mm、全高1,565mmです。PHEVのボディサイズは、全長4,720mm、全幅1,880mm、全高1,570mmです。





トヨタ クラウン スポーツのインテリアデザイン
室内は運転席側と助手席側を非対称に構成したコックピットデザインを採用し、12.3インチTFTカラーメーターとカラーヘッドアップディスプレイを全車に装備します。
SPORT RSはスポーツシートとスポーツレザーを採用し、内装色はブラックを基本とします。ディンプル加工を施した本革巻きステアリングとシフトノブもSPORT RS専用装備です。メーカーオプションのブラックレッドパッケージでは、ブラック&センシュアルレッド内装となり、ステアリングやインストルメントパネル、シートベルトなどにもレッドを取り入れます。
SPORT ZはPHEV、HEVともに本革のスポーティシートを採用します。ブラックのほかサンドブラウンも設定され、助手席肩口のパワーシートスイッチなども備えます。一方、SPORT Gは上級ファブリックと合成皮革を組み合わせたシートとなり、内装色はブラックです。
オーディオも明確なグレード差があります。SPORT RSとSPORT Zには10スピーカーと8chオーディオアンプからなるトヨタプレミアムサウンドシステムと、12.3インチHDディスプレイオーディオPlusを標準装備します。SPORT Gは通常の12.3インチディスプレイオーディオと6スピーカーです。
また、今回の改良では寒冷地仕様が全車標準となっています。





トヨタ クラウン スポーツの走行性能
HEVはA25A-FXS型2.5L直列4気筒エンジンと前後モーターを組み合わせる第5世代ハイブリッドシステムへ進化しました。システム最高出力は176kW(239PS)となり、従来の172kW(234PS)から5PS高められています。
エンジン単体では最高出力137kW(186PS)/6,000rpm、最大トルク221Nm/3,600〜5,200rpmです。フロントモーターは100kW(136PS)、最大208Nm、リヤモーターは40kW(54PS)、最大121Nmを発生します。駆動方式はSPORT GとSPORT ZのどちらもE-Fourです。
WLTCモード燃費はSPORT Gが22.4km/Lです。従来の21.3km/Lから1.1km/L改善しています。SPORT ZのHEVは22.3km/Lです。SPORT Gは燃費を優先しつつ239PSを得られるため、日常走行を中心に考えるなら効率の高い仕様といえます。
PHEVはA25A-FXS型2.5Lエンジンに高出力モーターを組み合わせ、システム最高出力225kW(306PS)を発生します。エンジン単体は130kW(177PS)、最大219Nmで、フロントモーターは134kW(182PS)、270Nm、リヤモーターは40kW(54PS)、121Nmです。

PHEVのWLTCモード燃費はSPORT Z、SPORT RSともに20.3km/Lで、満充電からのEV走行距離は90kmです。普段の移動をEV走行でこなしつつ、長距離ではガソリンを利用できることがHEVとの大きな違いになります。
新設定のPHEV SPORT Zには前後18インチの大型ブレーキディスクを採用します。一方、SPORT RSはフロントに20インチベンチレーテッドディスクと対向6ピストンアルミキャリパーを備え、フロントとリヤのキャリパーをレッド塗装としています。SPORT RSには路面やコーナー情報に応じて減衰力を制御するNAVI・AI-AVSも装備され、PHEVの中でもより走りを重視した仕様です。
全グレードにパドルシフトが標準装備され、SPORT RSにはディンプル加工本革巻きステアリングとディンプル加工本革シフトノブが組み合わされます。
車両重量はSPORT Gが1,800kg、HEVのSPORT Zが1,810kg、PHEVのSPORT Zが2,020kg、SPORT RSが2,030kgです。PHEV SPORT ZはHEV SPORT Zより210kg重くなる一方、システム最高出力は239PSから306PSへ67PS高くなるため、加速性能を重視する場合はPHEVの優位性が明確です。

トヨタ クラウン スポーツの安全性能・運転支援
トヨタ クラウン スポーツはToyota Safety Senseを全車に搭載します。プリクラッシュセーフティは歩行者を昼夜、自転車を昼夜、自動二輪車を昼間に検知できる仕様で、レーントレーシングアシスト、レーンディパーチャーアラート、全車速追従機能付きレーダークルーズコントロール、ロードサインアシストなどを備えます。
さらにプロアクティブドライビングアシスト、ドライバー異常時対応システム、発進遅れ告知機能を採用します。ブラインドスポットモニターには安心降車アシストや後方車両接近告知なども組み合わされています。
ヘッドライト制御はSPORT RSとSPORT Zにアダプティブハイビームシステムを設定し、SPORT Gはオートマチックハイビームを採用します。価格を抑えたSPORT Gでは、一部の運転支援・視界装備が上位グレードとは異なる点に注意が必要です。

トヨタ クラウン スポーツの価格
トヨタ クラウン スポーツの価格は532万7,300円からです。
2026年9月時点の標準モデルは、HEVがSPORT GとSPORT Z、PHEVがSPORT ZとSPORT RSの計4仕様となります。
| グレード | パワートレイン | 駆動方式 | 価格(税込) |
|---|---|---|---|
| SPORT G | 2.5L HEV | E-Four | 5,327,300円 |
| SPORT Z | 2.5L HEV | E-Four | 6,061,000円 |
| SPORT Z | 2.5L PHEV | E-Four | 6,927,800円 |
| SPORT RS | 2.5L PHEV | E-Four | 7,777,000円 |
SPORT Gは239PSの新しいHEVを最も低い価格で選べるグレードで、シート表皮やオーディオなどを簡素化することで価格を抑えています。
HEVのSPORT Zは本革シート、トヨタプレミアムサウンドシステム、ディスプレイオーディオPlusなどを備え、快適装備と22.3km/Lの燃費を両立する中核グレードです。
PHEVのSPORT Zは今回新設されたグレードです。306PSのプラグインハイブリッドシステムと90kmのEV走行距離を持ちながら、SPORT RSより84万9,200円低い価格に設定されています。
SPORT RSはPHEV専用の最上位グレードで、NAVI・AI-AVS、対向6ピストンフロントブレーキキャリパー、レッドキャリパー、スポーツシートなど走行性能を重視した装備を追加します。

トヨタ クラウン スポーツの発売時期
一部改良されたトヨタ クラウン スポーツは2026年9月21日に発売されます。
2026年9月3日の発表から18日後の発売となり、新設定のPHEV SPORT Zも同日からラインアップに加わります。日本国内向けとして発表されたモデルです。
トヨタ クラウン スポーツを辛口評価
トヨタ クラウン スポーツをあえて辛口で評価します。
まず、新設定されたPHEV SPORT Zは6,927,800円まで価格を抑えていますが、SPORT RSの走りに関わる専用装備は省かれています。NAVI・AI-AVSや対向6ピストンフロントキャリパー、レッドキャリパーまで求めると7,777,000円のSPORT RSが必要になり、追加負担は84万9,200円です。
次に、PHEV SPORT ZはHEV SPORT Zより86万6,800円高く、車両重量も1,810kgから2,020kgへ210kg増えます。システム最高出力は239PSから306PSへ上がり、90kmのEV走行も可能になりますが、WLTCモードのハイブリッド燃費はHEV SPORT Zの22.3km/Lに対して20.3km/Lです。自宅で充電できない使い方では、PHEVの価格差を生かしにくくなります。
もうひとつはSPORT Gの装備制限です。532万7,300円というクラウン スポーツとしては低い価格を実現していますが、11万円のパノラマルーフはSPORT RSとSPORT Zに設定され、SPORT Gでは選択できません。価格を抑えたうえで好みの装備を追加するという買い方には制約があります。
一方で、今回の改良によってPHEVの入口がSPORT RSより84万9,200円下がり、HEVは239PSへの出力向上と22.4km/Lまでの燃費改善を実現しました。走りを求めるSPORT RS、電動走行と価格のバランスを取ったPHEV SPORT Z、燃費と装備のSPORT Z、価格重視のSPORT Gと、グレードごとの役割は以前より明確になっています。

トヨタ クラウン スポーツのライバル車
レクサス NX
レクサス NXはクラウン スポーツより全長が短いプレミアムSUVですが、HEVとPHEVの両方を用意するため比較対象になりやすいモデルです。
NX350hのAWDは577万円からで、WLTCモード燃費は仕様によって21.6km/Lなどとなります。PHEVのNX450h+はversion Lが749万5,000円、F SPORTが758万5,000円で、WLTCモード燃費は19.6km/Lです。PHEVは18.1kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載します。
クラウン スポーツ SPORT Z PHEVは692万7,800円、燃費20.3km/L、EV走行距離90kmなので、価格と燃費ではNX450h+より低価格かつ若干高効率です。一方、レクサスブランドや販売・サービス体験まで含めて選ぶならNXが有力になります。
マツダ CX-60
マツダ CX-60はFRベースの縦置きパワートレインを採用するSUVで、PHEV Premium SportsとPHEV Premium Modernはいずれも649万5,500円です。4WDと8速ATを組み合わせ、WLTCモードのハイブリッド燃費は14.3km/Lとなります。
クラウン スポーツ SPORT Z PHEVより43万2,300円安く、CX-60は全長4,740mm、全幅1,890mmとクラウン スポーツに近いサイズです。一方、クラウン スポーツはPHEVで20.3km/Lを実現しており、燃費では差があります。
デザインの個性、239PSまたは306PSの電動パワートレイン、全車E-Fourを重視する人にはトヨタ クラウン スポーツが向いています。ブランド性やよりコンパクトな車体を求めるならレクサス NX、FRベースの走りや価格を重視するならマツダ CX-60が比較候補になります。
トヨタ クラウン スポーツの主要スペック
現行の主要諸元は次のとおりです。
| 項目 | SPORT G HEV | SPORT Z HEV | SPORT Z PHEV | SPORT RS PHEV |
|---|---|---|---|---|
| 全長 | 4,720mm | 4,720mm | 4,720mm | 4,720mm |
| 全幅 | 1,880mm | 1,880mm | 1,880mm | 1,880mm |
| 全高 | 1,565mm | 1,565mm | 1,570mm | 1,570mm |
| ホイールベース | 2,770mm | 2,770mm | 2,770mm | 2,770mm |
| 最低地上高 | 160mm | 160mm | 155mm | 155mm |
| 乗車定員 | 5名 | 5名 | 5名 | 5名 |
| 車両重量 | 1,800kg | 1,810kg | 2,020kg | 2,030kg |
| エンジン | A25A-FXS型 直列4気筒+HEV | A25A-FXS型 直列4気筒+HEV | A25A-FXS型 直列4気筒+PHEV | A25A-FXS型 直列4気筒+PHEV |
| 総排気量 | 2,487cc | 2,487cc | 2,487cc | 2,487cc |
| 最高出力 | エンジン186PS/システム239PS | エンジン186PS/システム239PS | エンジン177PS/システム306PS | エンジン177PS/システム306PS |
| 最大トルク | エンジン221Nm | エンジン221Nm | エンジン219Nm | エンジン219Nm |
| 駆動用電池 | ニッケル水素電池 5Ah | ニッケル水素電池 5Ah | リチウムイオン電池 51Ah | リチウムイオン電池 51Ah |
| トランスミッション | 電気式無段変速機 | 電気式無段変速機 | 電気式無段変速機 | 電気式無段変速機 |
| 駆動方式 | E-Four | E-Four | E-Four | E-Four |
| WLTCモード燃費 | 22.4km/L | 22.3km/L | 20.3km/L | 20.3km/L |
| EV走行距離 | - | - | 90km | 90km |
| 最小回転半径 | 5.4m | 5.4m | 5.4m | 5.4m |

トヨタ クラウン スポーツのまとめ
2026年9月の一部改良では、新しいPHEV SPORT Zの追加が最大のポイントです。HEVも239PSへの出力向上と燃費改善を受け、全車パドルシフトや新しいボディカラー、装備の強化が行われました。
532万7,300円のSPORT Gから777万7,000円のSPORT RSまで性格が明確に分かれており、SUVらしい実用性だけでなく、デザインや走り、電動化性能まで重視したい人に向いたモデルです。
トヨタ クラウン スポーツのよくある質問
Q. トヨタ クラウン スポーツの価格はいくらですか?
価格はSPORT Gの532万7,300円から、SPORT RSの777万7,000円までです。新設定されたPHEV SPORT Zは692万7,800円です。
Q. トヨタ クラウン スポーツは日本で発売されますか?
日本国内向けとして2026年9月3日に一部改良が発表され、9月21日に発売されます。新設定されたPHEV SPORT Zも同日から販売されます。
Q. PHEVのSPORT ZとSPORT RSは何が違いますか?
どちらもシステム最高出力306PS、WLTCモード燃費20.3km/L、EV走行距離90kmです。SPORT RSはNAVI・AI-AVSや対向6ピストンフロントブレーキキャリパーなど走行性能向け装備を追加し、SPORT Zより84万9,200円高くなります。
Q. HEVのSPORT GとSPORT Zはどちらを選ぶべきですか?
価格と燃費を優先するなら532万7,300円で22.4km/LのSPORT Gが候補です。本革シートやトヨタプレミアムサウンドシステムなど快適装備を重視するなら606万1,000円のSPORT Zが適しています。
Q. トヨタ クラウン スポーツ PHEVは充電だけで何km走れますか?
SPORT ZとSPORT RSのどちらも、WLTCモードの充電電力使用時走行距離は90kmです。ハイブリッド走行時のWLTCモード燃費は20.3km/Lとなっています。






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