日産セレナの歴代モデルを解説|C23〜C28の違いと進化、最新型モデル

最終更新: 2026年9月18日時点の情報です。

日産 セレナは、1991年の初代C23型から6代目C28型まで続く、家族向けのミドルサイズミニバンです。長い歴史を通じて変わらないのは、多人数で乗れることに加え、乗り降りや車内移動、荷物の出し入れまで考えた使い勝手。そこへ省燃費技術、モーター駆動のe-POWER、運転支援が加わってきました。歴代モデルの違いを、登場年だけでなく「家族の移動をどう変えたか」から整理します。

日産セレナC28型と家族の旅行シーン
家族での旅行をイメージした日産 セレナ。写真は6代目C28型の登場時(2022年発表)のモデルです。

日産 セレナの歴史をひと目で

世代・型日本での登場大きな変化
初代・C23型1991年バネットセレナとして登場。商用車由来の空間を家族向けに展開
2代目・C24型1999年FFを基本とする乗用車専用モデルへ転換。両側スライドドアを採用
3代目・C25型2005年室内空間とシートの使いやすさを拡充。家族向けミニバンとしての性格を強化
4代目・C26型2010年アイドリングストップを採用。2012年にS-HYBRIDを追加
5代目・C27型2016年プロパイロット、デュアルバックドアを採用。2018年にe-POWERを追加
6代目・C28型2022年e-POWERと運転支援を進化。ガソリン車に続き2023年にe-POWER車を発売

C23〜C28は世代を整理する呼び方です。車検証などに記載される車両型式は、駆動方式や動力の種類によって異なります。また、世代が変わるフルモデルチェンジと、同じ世代の一部改良・マイナーチェンジは別です。例えば2026年発売モデルの改良もC28型の中での変更に当たります。

初代C23型:バネットの空間を家族のために使う

1991年6月に登場した初代は「バネットセレナ」を名乗りました。日産の1990年代の車種年表にも、C23型のバネットセレナと商用仕様のバネットセレナカーゴが並んで記録されています。

初代を理解するポイントは、現在の日産 セレナと車体の成り立ちが異なることです。エンジンを車室の前方下部に置く構成から、広い空間を人が快適に過ごすために活用していました。商用車の積載性を乗用車へ生かす発想が出発点であり、現在のような前輪駆動を基本とする構成になるのは次の世代です。

背の高い車体や大人数で使える室内だけを見ると現行車との共通点が目立ちますが、運転席の配置や乗降感覚まで同じではありません。歴代モデルを比べる際は、初代を今の日産 セレナの小型版として捉えるより、家族向けミニバンという用途を作った原点として見ると、その後の変化が分かります。

2代目C24型:乗用車専用化で現在につながる形へ

1999年に登場した2代目では、FF、つまり前方のエンジンで前輪を駆動する方式を基本とする構成へ移りました。商用モデルを廃止し、乗用車専用に転換したことが、歴代の中でも大きな節目です。

両側スライドドアとマルチスライドシートも採用しました。車内の広さに加え、左右どちらから乗るか、乗員と荷物に合わせて座席をどう動かすかという、日常の使い方へ工夫を広げています。「モノより思い出。」という広告コピーもこの世代のものです。日産の歴代紹介は、車体構成の転換と家族で使うための機能を併せて説明しています。

編集部としては、この世代が日産 セレナの役割を明確にしたと捉えています。送迎や買い物をこなしながら、休日には家族で遠出する。そのために乗用車としての設計と、室内を使い分ける仕組みを組み合わせた方向性が、後の世代にもつながっています。

3代目C25型:室内の広さを使い切るミニバンへ

2005年登場のC25型は、家族向けの使い勝手をさらに前面に出した世代です。日産のヘリテージコレクションでは、開発コンセプトを「BIG! EASY! FUN! BOX」と紹介し、大きなスライドドア、収納、扱いやすいシートを特徴に挙げています。

室内が広くても、座席を動かすのに手間がかかったり、日用品を置く場所が足りなかったりすると、その広さを日常で生かしにくくなります。C25型は、空間の大きさと扱いやすさを一緒に考える日産 セレナの性格を理解しやすいモデルです。サイドウインドーの形にも特徴を持たせ、箱型ミニバンの中で車種を見分けやすくしました。

日産のC25型紹介によると、2005〜2010年の6年間で販売は約45万台に達しています。数字は当時の実績であり、現在の販売順位を示すものではありませんが、家族向けミニバンとして定着していった時期を知る材料になります。

4代目C26型:使い勝手を守りながら省燃費化

C26型は2010年11月に発売されました。室内空間やシートアレンジを重視する方向性を引き継ぎつつ、アイドリングストップなどで燃料消費を抑える取り組みを進めています。登場時の日産発表では、減速時の回生充電とエンジン再始動を担うECOモーターが説明されています。回生充電とは、減速時のエネルギーを電気として回収する仕組みです。

2012年8月にはS-HYBRID(スマートシンプルハイブリッド)が加わりました。後年のe-POWERと同じ「ハイブリッド」の仲間ですが、主役はエンジンで、モーターが補助する方式です。日産のC26型FAQでは、エンジンの補助は発進後の加速中に行うと説明しています。

したがって、中古車の車名に「S-HYBRID」と付いていても、e-POWERと同じ走行方式だと考えてはいけません。日産 セレナが電動化へ進む過程では、まずエンジン車の省燃費化を進め、その後にモーター駆動を主役にする選択肢が増えた、という順序になります。

5代目C27型:運転支援とe-POWERが加わる

2016年8月登場のC27型では、プロパイロットを採用しました。高速道路などで車速・車間距離や車線中央付近の走行を支援する機能で、家族を乗せた長距離移動での運転負担を軽くする方向へ進化しています。ドライバーに代わってあらゆる道路を走る機能ではありません。

荷室の使い方では、バックドア上部だけを開けられるデュアルバックドアが加わりました。車両後方の空間が限られる場面で、小さな荷物を出し入れするための工夫です。乗車中だけでなく、駐車してからの使い勝手も重視する日産 セレナらしい変化といえます。

2018年3月にはe-POWER車を追加。エンジンは発電を担当し、車輪をモーターで駆動する方式を選べるようになりました。通常の乗用仕様のC27型e-POWERは7人乗りで、8人乗りのS-HYBRID車などとは座席構成も異なります。同じC27型でも、動力と定員をセットで見る必要があります。

また、プロパイロットはC27型なら全車に付いているわけではありません。日産の仕様別FAQによると、標準・オプション設定は時期とグレードで異なり、2019年8月の改良では制御も更新されています。中古車の装備欄では「C27型」「後期型」という呼び方だけで判断せず、実車の搭載内容を確認したいところです。

6代目C28型:電動化と家族の使い勝手を両立

C28型は2022年11月に発表され、ガソリン2WD車が同年12月、ガソリン4WD車が2023年1月、e-POWER車が同年4月に発売されました。日産の発売時期を確認できるFAQでも、動力・駆動方式ごとに時期が分かれています。

日産セレナC28型登場時の白い車両の外観
2022年11月に発表された6代目C28型の外観。写真は登場時のモデルです。

e-POWERではシステムを更新するとともに、乗車定員の選択肢も広げました。2022年11月発表時の基準車の装備・諸元表では、e-POWERのX、XV、ハイウェイスターVが8人乗り、LUXION(ルキシオン)が7人乗りです。C27型e-POWERの7人乗りから、モーター駆動と8人乗車を両立できる仕様へ広がったことは、利用する人数が多い家庭にとって大きな違いです。

LUXIONにはプロパイロット2.0を採用しました。通常のプロパイロットとは機能と使用条件が異なり、一定の条件でハンズオフを可能にしますが、ドライバーの前方注視や適切な対応が必要です。装備の多さだけでなく、7人乗りの座席構成が使い方に合うかも選択の軸になります。C28型登場時の解説は、この世代への移行を扱っています。

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その後も同じC28型の中で改良が続きました。2024年9月の一部改良ではボディカラーや価格を見直し、2024年にはe-POWERの4WDであるe-4ORCEを追加。さらに2025年12月発表・2026年発売モデルの改良へと続いています。年式の異なるC28型を比較するときは、登場時の仕様を全車共通として扱わないことが大切です。

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世代を横断すると、何が変わったのか

S-HYBRIDとe-POWERは駆動の考え方が違う

比較軸S-HYBRIDe-POWER
走行の中心エンジンの働きをモーターが補助車輪はモーターで駆動
エンジンの役割車輪を駆動する動力源発電用の動力源
日産 セレナへの登場C26型の途中からC27型の途中から
見分けるポイント「ハイブリッド」という呼び名だけで判断しない世代に加え、定員と駆動方式も確認

日産のe-POWER技術解説が示すように、e-POWERはガソリンエンジンを発電専用に使います。外部充電を前提とせず、ガソリンを補給して使う点も電気自動車とは異なります。

中古車を比較するときは、燃費の数字だけでなく、発進時の応答やエンジン作動時の音を試乗で確かめると違いを捉えやすくなります。古いカタログと新しいカタログでは燃費の測定方式も異なるため、数値だけを横並びにして優劣を決めるのは避けたいところです。

車体の寸法と、室内の使い方を分けて見る

C28型の2022年11月発表時の基準車では、標準ボディの全幅が1,695 mm、ハイウェイスターVとLUXIONが1,715 mmです。日産 セレナという車名だけでは幅が決まらず、同じ世代でも仕様の確認が必要になります。AUTECHなどの特装車は別に確認してください。

さらに、車体の幅が分かっても、家族で使いやすいかは別の問題です。チャイルドシートを付けたまま後席へ移動できるか、乗員が増えたときに荷物を置けるか、駐車場所でドアを開けられるかまで見ると、シートアレンジやデュアルバックドアの価値を判断しやすくなります。

現行C28型は日産の中でどんな車か

日産 セレナは、大人数で移動するための実用性を中心に据えながら、電動化と運転支援を日常の家族利用へ取り込む車種と整理できます。上級ミニバンの日産 エルグランドも比較先になりますが、日産 セレナでは、毎日の送迎や買い物から週末の遠出までを一台でどうこなせるかを見ると特徴が分かります。

単に高価な装備を増やした車ではありません。C28型でも、スマートマルチセンターシートを持つ仕様と、LUXIONのような異なる座席構成を選ぶ仕様があります。前者は中央のシートを移動させることで、乗車人数や車内の通路を使い分けられます。

日産セレナC28型の3列シートと室内配置
C28型登場時の室内。写真は2列目中央にも座席を備える仕様で、LUXIONなどとは座席構成が異なります。

専門媒体の視点もこの点と重なります。webCGのC28型ガソリン車の試乗記は、車内移動や3列目へ乗り込む動線を評価しています。一方で、3列目を格納する際の操作などにも触れており、便利な点だけで判断しないための参考になります。これは同媒体の試乗評価であり、当サイト独自の実走評価ではありません。

編集部としては、日産 セレナの位置付けを「多人数で乗れる」だけで終わらせず、人が乗っている状態で何を動かせるか、荷物の出し入れでどの操作が必要かまで含めて考えます。上級仕様の装備が魅力的でも、必要な定員や通路を失うなら、使い方に合う別の仕様を選ぶ余地があります。

中古で選ぶなら、世代より先に必要な条件を決める

C26型はS-HYBRIDとe-POWERの違いを理解したうえで、整備履歴や状態を重視して検討したい世代です。年式が古い車ほど、購入価格だけでなく、販売店が確認した状態や今後必要になる整備の説明を受けることが大切になります。C23〜C25型も、希少性や思い入れと、日常の移動手段として求める条件を分けて考えたいところです。

C27型では、ガソリン・S-HYBRID系とe-POWER、乗車定員、プロパイロットの有無を先に確認します。2019年の改良前後でも運転支援の制御が異なりますが、改良後という理由だけで必要な装備がすべて付いているとは限りません。

C28型は、e-POWERの8人乗り仕様やLUXIONの運転支援を選択軸にできます。ただし、e-4ORCEや特装車を含めて定員を一括りにせず、販売店の仕様書と実車を照合してください。家族構成に合わせた乗員配置を先に決めると、装備を比較する順序がはっきりします。

いずれの世代も、相場や故障しにくさを一律に断定することはできません。この記事では中古相場の安さで世代を順位付けせず、必要な座席・動力・運転支援を満たす車両を絞るために歴代の違いを使います。

ノア/ヴォクシー、ステップワゴンとの比較軸

トヨタ ノア/ヴォクシー、ホンダ ステップワゴンは、日産 セレナと同じく家族で多人数乗車する際の比較対象です。比較するときは同じ時期のモデルをそろえ、シートの動かし方と荷室へのアクセスを確かめると特徴が見えてきます。

トヨタの2022年発売モデルでは、3列目シートを格納しやすくする仕組みなど、乗員と荷物に応じた操作性を重視しています。ホンダの2022年発売モデルは3列目シートを床下へ収納する方式です。日産 セレナのデュアルバックドアは、大きなバックドア全体を開けずに小さな荷物へアクセスする発想で、解決しようとする場面が異なります。トヨタの発売資料とホンダの発売資料でも、各車の室内機能を確認できます。

3列目を左右に跳ね上げ自転車を積んだ日産セレナC28型の荷室
C28型登場時の荷室使用例。3列目を左右へ跳ね上げ、車内に自転車を積んだ状態です。

例えば、3列目を頻繁に収納して大きな荷物を積む家庭と、3列目に人を乗せたまま買い物袋を出し入れする家庭では、評価する操作が変わります。カタログの室内寸法だけで決めず、普段使う荷物やチャイルドシートを想定して、実車で動かしてみることが比較の近道です。

日産 セレナの歴史から見える選び方

歴代の日産 セレナは、C24型での車体構成の転換、C25型での空間活用、C26型の省燃費化、C27型の運転支援とe-POWER、C28型での選択肢の拡充という流れで捉えられます。新しい世代になるほど装備は変わりますが、必要な人数で乗り、荷物を積み、無理なく乗り降りできるかという判断軸は共通です。

現在の車種概要と発表・改良ごとの記事は、日産 セレナの車種ハブにまとめています。歴代解説で世代を整理し、検討する年式の発表記事と当時の仕様書を照らし合わせると、同じ車名の中の違いを見分けやすくなります。

よくある質問

日産 セレナの現行モデルは何代目ですか?

2026年9月18日時点では、2022年に発表された6代目C28型です。ガソリン車とe-POWER車では発売時期が異なります。2026年発売モデルのマイナーチェンジもC28型の中の改良で、7代目への世代交代ではありません。

S-HYBRIDとe-POWERは同じ仕組みですか?

異なります。S-HYBRIDはエンジンの働きをモーターが補助する方式です。e-POWERはエンジンで発電し、車輪はモーターで駆動します。日産 セレナへの追加は、S-HYBRIDがC26型の2012年、e-POWERがC27型の2018年です。

e-POWERはすべて7人乗りですか?

すべてではありません。C27型の通常の乗用仕様は7人乗りですが、C28型には8人乗りのe-POWER仕様があります。LUXION、e-4ORCE、特装車などは座席構成が異なるため、世代だけでなく年式とグレードも確認してください。

更新履歴

  • 2026-09-18 初稿作成。C23〜C28型の世代変遷、S-HYBRIDとe-POWERの違い、乗車定員と運転支援の確認点を整理。

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