メルセデス・ベンツ日本は2026年9月18日、メルセデスAMG GLCに「GLC 53 4MATIC+(ISG)」を追加し、SUVとクーペを発売しました。価格はSUVが1,275万円、クーペが1,318万円です。直列6気筒ターボと48Vマイルドハイブリッドを組み合わせ、エンジン最高出力449PSを発揮します。後輪操舵を標準装備し、導入記念限定車「Edition Dark Performance」も合計150台で用意します。
車の概要:メルセデスAMG GLCとは?
メルセデスAMG GLCは、ミドルサイズSUVのメルセデス・ベンツ GLCをベースに、エンジンや足回りをスポーツ走行向けに仕立てたモデルです。日本では初代GLCのSUVが2016年、クーペが2017年に登場し、現行は2代目に当たります。
2023年に日本発売された2代目GLCクーペと同じ世代に加わる今回のGLC 53は、SUVとクーペの両方で直列6気筒の走りを選べる追加モデルです。ボディ全体のフルモデルチェンジではなく、スポーツモデルのラインアップ拡充です。
5人乗りの室内に加え、SUVは通常時560L、後席を倒すと最大1,680Lの荷室を確保します。クーペは通常時545L、最大1,490Lです。走行性能を重視しながら、家族での移動や荷物を積む用途にも対応する構成です。

メルセデスAMG GLCのエクステリアデザイン
GLC 53は縦型ルーバーのAMG専用ラジエターグリルと、Aウイング形状のフロントエプロンを採用します。張り出したフェンダー、ディフューザー付きリアエプロン、左右4本出しの排気口、AMGスポイラーリップによって、通常のGLCとの違いを表現しています。

GLC 53のSUVとクーペは、20インチAMGアルミホイールを標準装備します。タイヤは前265/45R20、後295/40R20で、後輪側を太くした組み合わせです。両ボディともAMGダイナミックパッケージを選ぶと21インチとなり、タイヤは前265/40R21、後295/35R21に変わります。

ボディサイズは、SUVが全長4,750mm、全幅1,920mm、全高1,640mmです。クーペのボディサイズは、全長4,790mm、全幅1,920mm、全高1,605mmです。クーペはSUVより40mm長く、35mm低い形となります。
限定車のブラック外装と21インチ鍛造ホイール
Edition Dark Performanceは、SUV・クーペともAMGナイトパッケージ、AMGエクステリアナイトパッケージⅡ、AMGスタイリングパッケージを採用します。限定車専用デカール、AMGパフォーマンススポイラーリップ、ブラックのブレーキキャリパー、21インチAMG鍛造アルミホイールも両ボディの専用装備です。SUVにはブラックルーフレールが付きます。


通常車のAMGダイナミックパッケージで選ぶ21インチホイールと、限定車の21インチ鍛造ホイールは別仕様です。サイズだけでなく、デザインと仕様にも違いがあります。



写真左:21インチAMG鍛造ホイール/右:専用デカール。いずれもEdition Dark Performanceの欧州仕様車(画像:メルセデス・ベンツ日本)。
メルセデスAMG GLCのインテリアデザイン
GLC 53のSUV・クーペは、AMGドライブコントロールスイッチ付きのAMGパフォーマンスステアリングを採用します。ステアリングの表皮はナッパレザーで、センターコンソールにはAMGのレタリングが入ります。


通常車のシート表皮はレザーARTICO/MICROCUTです。SUV・クーペとも70万円のレザーエクスクルーシブパッケージを選ぶと本革シートとなり、運転席・助手席のシートベンチレーター、Burmester 3Dサラウンドサウンドシステム、サウンドパーソナライゼーション機能が加わります。
Edition Dark PerformanceのSUV・クーペは、ブラックの本革にマキアートベージュのステッチを組み合わせます。コッパーアクセント付きAMGカーボンファイバーインテリアトリムと、同色ステッチのAMGフロアマットも専用装備です。

限定車は両ボディともパノラミックスライディングルーフ、前席シートベンチレーター、Burmester 3Dサラウンドサウンドシステムなどを装備し、通常車で選択する快適装備もまとめて備えています。

メルセデスAMG GLCの走行性能
2,996ccの直列6気筒で449PS・600Nmを発揮
GLC 53のSUV・クーペは、M256M EVOと呼ばれる直列6気筒ターボエンジンを搭載します。日本の諸元表におけるエンジン型式は「256」、総排気量は2,996ccです。最高出力は449PS(330kW)/5,500〜6,100rpm、最大トルクは600Nm/2,200〜5,000rpmを発生します。
吸排気ポートを改良したシリンダーヘッド、新しい吸気カムシャフト、容量を増した吸気システムとインタークーラーを採用します。ブースト圧1.5barの排気ターボに加え、最大7.5kWの電力で作動する電動コンプレッサーを使い、アクセル操作に対する応答と高回転域の伸びを高めています。
オーバーブースト時の最大トルクは、最長10秒間で640Nmです。この640Nmは欧州参考値であり、常時発生する600Nmとは分けて捉える必要があります。
両ボディとも第2世代のISGと48V電気システムを採用します。ISGは短時間の加速補助として17kW・205Nmを発生し、減速時のエネルギー回収やエンジン再始動にも使われます。エンジンの449PSにISGの出力を単純に足した値を、システム最高出力として扱うことはできません。
変速機は9速ATのAMG SPEEDSHIFT TCT 9Gです。走行モードに応じた変速制御に加え、パドルによるマニュアル操作にも対応します。新しい排気システムは専用レゾネーターを備え、走行モードによって加速時やアクセルオフ時の音を変化させます。
四輪駆動と後輪操舵を標準装備
GLC 53のSUV・クーペは、完全可変トルク配分のAMG 4MATIC+を標準装備します。状況に応じて前後輪への駆動力を配分し、ESP Sportでは後輪寄りの走行特性となります。
両ボディのAMG RIDE CONTROLサスペンションはスチールスプリングを使い、各輪の減衰力を路面や走行状態に応じて調整します。ダンパー特性はComfort、Sport、Sport+の3段階から選べます。
ブレーキは両ボディとも、前390×36mmのベンチレーテッドディスクに6ピストン固定式キャリパー、後360×26mmのディスクに1ピストンフローティング式キャリパーを組み合わせます。
リア・アクスルステアリングもSUV・クーペとも標準です。後輪を最大2.5度操舵し、約100km/hを境に前輪と逆方向から同方向へ切り替えます。高速域の同位相操舵は最大0.7度で、低速域での旋回性と高速域での安定性を両立する狙いです。日本仕様の最小回転半径は両ボディとも5.9mです。
ドリフトモードを含むAMGダイナミックパッケージ
通常車の走行モードはSlippery、Comfort、Sport、Sport+、Individualの5種類です。SUV・クーペとも70万円のAMGダイナミックパッケージを選ぶと、AMGダイナミックプラスパッケージ、電子制御AMGリミテッド・スリップ・デフ、AMGダイナミックエンジンマウントなどが加わります。
このパッケージによってRACEモードと、メルセデスAMGのSUVで初採用となるドリフトモードを利用できます。ドリフトモードでは後輪駆動として作動します。通常車の全車に標準で付く機能ではありません。
AMGダイナミックパッケージには21インチホイール、レッドのブレーキキャリパー、AMGリアルパフォーマンスサウンド、AMGカーボンファイバーインテリアトリムも含まれます。車両本体と同パッケージの合計はSUVが1,345万円、クーペが1,388万円で、登録諸費用などは別途必要です。
Edition Dark Performanceは、SUV・クーペともAMGダイナミックプラスパッケージ、電子制御AMGリミテッド・スリップ・デフ、AMGダイナミックエンジンマウント、AMGリアルパフォーマンスサウンドを備えます。
WLTCモード燃費:SUV 10.6km/L、クーペ10.7km/L
通常車の車両重量はSUVが2,050kg、クーペが2,060kgで、パノラミックスライディングルーフ装着時はそれぞれ30kg増えます。限定車は同ルーフを備えるため、SUVが2,080kg、クーペが2,090kgです。
WLTCモード燃費は通常車・限定車ともSUVが10.6km/L、クーペが10.7km/Lです。市街地モードは両ボディとも7.1km/L、郊外モードも両ボディとも11.3km/Lで、高速道路モードはSUVが12.8km/L、クーペが13.0km/Lとなります。使用燃料はハイオクガソリン、燃料タンクは62Lです。
メルセデスAMG GLCの価格
メルセデスAMG GLC 53の価格は1,275万円からです。今回追加された4モデルのメーカー希望小売価格は次のとおりです。
| グレード | パワートレイン | 駆動方式 | 価格(税込) |
|---|---|---|---|
| GLC 53 4MATIC+(ISG) | 2,996cc直列6気筒ターボ+ISG・9速AT | 四輪駆動 | 1,275万円 |
| GLC 53 4MATIC+ クーペ(ISG) | 2,996cc直列6気筒ターボ+ISG・9速AT | 四輪駆動 | 1,318万円 |
| GLC 53 4MATIC+ Edition Dark Performance(ISG) | 2,996cc直列6気筒ターボ+ISG・9速AT | 四輪駆動 | 1,558万円 |
| GLC 53 4MATIC+ クーペ Edition Dark Performance(ISG) | 2,996cc直列6気筒ターボ+ISG・9速AT | 四輪駆動 | 1,585万円 |
通常のSUVは、荷室の広さとGLC 53の走行性能を両立する基本モデルです。通常のクーペは、後方へなだらかに下がるルーフラインを好む人に向きます。SUVのEdition Dark Performanceは、専用の黒基調の内外装と走行・快適装備を備えた50台限定車です。クーペのEdition Dark Performanceは、クーペのスタイルに同様の専用装備を組み合わせた100台限定車です。
限定車のボディカラー別価格と台数は以下です。マット塗装のMANUFAKTURグラファイトグレーマグノは50万円の有償オプションです。
| 限定車のボディ | オブシディアンブラック | グラファイトグレーマグノ |
|---|---|---|
| SUV | 1,558万円・30台 | 1,608万円・20台 |
| クーペ | 1,585万円・70台 | 1,635万円・30台 |
いずれも消費税込みの車両価格です。保険料、登録諸費用、消費税以外の税金、リサイクル料金などは含まれません。
メルセデスAMG GLCの発売時期
GLC 53のSUV・クーペとEdition Dark Performanceは、2026年9月18日に日本国内で発売されました。全国のメルセデス・ベンツ正規販売店で取り扱います。日本仕様はいずれも右ハンドルです。
新車購入から3年間は、走行距離無制限の「メルセデス・ケア」が適用されます。一般保証修理、定期メンテナンス、24時間ツーリングサポート、地図データ更新が対象で、地図更新には対象デジタルプロダクトの有効化が必要です。終了後は有償の「保証プラス」「メンテナンス プラス」も用意します。
メルセデスAMG GLCの辛口評価
メルセデスAMG GLCをあえて辛口で評価します。まず、話題のドリフトモードまで使うには、通常車では70万円の追加費用が必要です。車両本体との合計はSUVで1,345万円、クーペで1,388万円となり、「1,275万円から」という入口価格だけでは装備内容を判断できません。
次に、1,920mmの全幅と5.9mの最小回転半径は、日本の狭い駐車場では事前確認したい数値です。後輪操舵を標準装備していても、車体の幅が縮むわけではありません。SUV・クーペとも最低地上高は150mmで、SUVという形から高い悪路走破性を期待するより、舗装路での運動性能を重視して選ぶモデルです。
限定車のマット塗装も、見た目だけで選ぶには大きな追加費用です。SUVは塗装込み1,608万円、クーペは1,635万円となり、別途諸費用もかかります。専用意匠が必須か、通常車に必要なオプションを加えれば満足できるかで、選ぶ仕様は変わります。
一方、通常車でも449PSの直列6気筒、完全可変四輪駆動、後輪操舵、可変ダンパーを備えます。内外装の限定性よりエンジンとシャーシの基本性能を重視するなら、通常車から検討する価値があります。
メルセデスAMG GLCのライバル車
BMW X3 M50 xDrive:直列6気筒の比較候補
BMWの公式サイトによると、X3 M50 xDriveは1,023万円で、48Vマイルドハイブリッドを組み合わせたシステム最高出力398PS、システム最大トルク580Nmを発揮します。GLC 53のSUVより252万円低い車両価格で、直列6気筒と四輪駆動を選べる点が比較の軸です。
ただし、BMWの398PSはシステム出力、GLC 53の449PSはエンジン出力です。数値の定義が異なるため、その差だけを加速性能の差とみなすことはできません。
アウディ SQ5スポーツバック:クーペとの価格差に注目
アウディの公式サイトによると、SQ5スポーツバックは1,098万円で、2,994ccのV型6気筒ターボから367PS・550Nmを発揮します。四輪駆動のquattroを採用し、全幅は1,900mmです。GLC 53クーペより車両価格が220万円低く、車幅も20mm狭い点が比較材料となります。
GLC 53を選ぶなら、直列6気筒の特性に加え、標準の後輪操舵やAMG専用の足回り、必要に応じて追加するドリフトモードまで重視する人に向きます。予算を抑えて6気筒のスポーツSUVを選びたい人は、BMW X3 M50 xDriveやアウディ SQ5スポーツバックも装備込みの見積もりで比較したいところです。
メルセデスAMG GLCの主要スペック
下表は日本仕様の通常モデルです。限定車もエンジンの出力・トルク、寸法、燃費は同じで、車重と標準装備が異なります。
| 項目 | GLC 53 4MATIC+(ISG) | GLC 53 4MATIC+ クーペ(ISG) |
|---|---|---|
| 車両型式 | 4AA-254674 | 4AA-254374 |
| 全長 | 4,750mm | 4,790mm |
| 全幅 | 1,920mm | 1,920mm |
| 全高 | 1,640mm | 1,605mm |
| ホイールベース | 2,890mm | 2,890mm |
| 最低地上高(社内測定値) | 150mm | 150mm |
| 乗車定員 | 5人 | 5人 |
| 車両重量 | 2,050kg | 2,060kg |
| エンジン | 256型(M256M EVO)直列6気筒ターボ | 256型(M256M EVO)直列6気筒ターボ |
| 総排気量 | 2,996cc | 2,996cc |
| 最高出力 | 449PS(330kW)/5,500〜6,100rpm | 449PS(330kW)/5,500〜6,100rpm |
| 最大トルク | 600Nm/2,200〜5,000rpm | 600Nm/2,200〜5,000rpm |
| ISG最大出力・最大トルク | 17kW・205Nm | 17kW・205Nm |
| トランスミッション | 9速AT | 9速AT |
| 駆動方式 | AMG 4MATIC+(四輪駆動) | AMG 4MATIC+(四輪駆動) |
| WLTCモード燃費 | 10.6km/L | 10.7km/L |
| 最小回転半径 | 5.9m | 5.9m |
| 荷室容量(VDA方式) | 560〜1,680L | 545〜1,490L |
| 標準タイヤ(前/後) | 265/45R20/295/40R20 | 265/45R20/295/40R20 |
通常車のパノラミックスライディングルーフ装着時は、SUVが2,080kg、クーペが2,090kgです。限定車も同じ重量で、前265/40R21・後295/35R21のタイヤを標準装備します。掲載写真は欧州仕様車で、日本仕様と装備が異なる場合があります。
メルセデスAMG GLCのまとめ
GLC 53は、SUVの使い勝手を残しながら直列6気筒の力強さとAMG専用シャーシを選べるモデルです。荷室重視ならSUV、ルーフラインの好みを優先するならクーペが候補になります。通常車に必要なパッケージを加えるか、専用意匠と装備をまとめた限定車を選ぶかまで見比べたい、走りを重視する人に向いています。
メルセデスAMG GLCのよくある質問
Q. GLC 53は日本でいつ発売されましたか?
SUV・クーペとも2026年9月18日に日本で発売されました。日本仕様は右ハンドルで、同日に導入記念限定車も発売されています。
Q. GLC 53の価格はいくらですか?
SUVは1,275万円、クーペは1,318万円です。Edition Dark PerformanceはSUVが1,558万円、クーペが1,585万円で、限定車のマット塗装はさらに50万円が必要です。
Q. ドリフトモードは標準装備ですか?
通常車では標準装備ではなく、70万円のAMGダイナミックパッケージに含まれます。Edition Dark Performanceは、ドリフトモードを利用できるAMGダイナミックプラスパッケージなどを装備しています。
Q. 限定車は何台販売されますか?
Edition Dark PerformanceはSUVが50台、クーペが100台で、合計150台です。SUVはブラック30台・マットグレー20台、クーペはブラック70台・マットグレー30台となります。
Q. SUVとクーペでエンジン性能は違いますか?
いずれも2,996ccの直列6気筒ターボとISGを組み合わせ、エンジンは449PS・600Nmです。主な違いはボディ形状、荷室容量、車重、燃費、価格にあります。



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