2026年9月10日、レクサスはフラッグシップセダン「レクサス LS」を一部改良し、同日に発売しました。今回はボディ中央部の補強や振動を抑える新構造、サスペンションとステアリングの制御変更によって乗り心地と操縦安定性を磨いたほか、全車にパノラマルーフをメーカーオプション設定しています。成熟した5代目に対し、走りの基本部分へ再び手を入れた改良です。

車の概要:レクサス LSとは?
レクサス LSは、1989年のレクサスブランド創設時から続くフラッグシップモデルです。日本では初代から3代目に相当するモデルが「トヨタ セルシオ」として販売され、2006年登場の4代目からレクサス LSの車名で国内販売されています。
現行型は2017年に登場した5代目です。全長5,235mm、全幅1,900mm、ホイールベース3,125mmという大型セダンで、現行のLS500hは3.5L V型6気筒エンジンとモーターを組み合わせたハイブリッドを搭載します。
ラインアップにも大きな変化があります。2025年10月の一部改良の時点では、3.5L V型6気筒ツインターボを積むガソリン車のLS500と、ハイブリッドのLS500hがあり、双方に最廉価の“I package”が設定されていました。
一方、2026年9月時点ではLS500hの“F SPORT”“version L”“EXECUTIVE”に、それぞれ2WD(FR)とAWDを組み合わせた計6仕様となっています。LS500と“I package”は現在のラインアップにはありません。ただし、今回の一部改良によって両仕様が整理されたとは発表されておらず、2025年10月時点と現在のラインアップが異なるという事実として捉える必要があります。
レクサスでは、コンパクトSUVのUXが2027年2月で生産終了することも公表されており、ラインアップ全体が動いている時期にあたります。
さらにレクサスは2025年10〜11月、次世代のLSを示すコンセプトとして、従来の「Luxury Sedan」ではなく「Luxury Space」を掲げた6輪の大型ミニバン型「LEXUS LS Concept」を公開しました。

次のLS像を大胆に提示する一方で、現行セダンにも継続して改良を加えていることになります。現行LSの生産終了は発表されていないため「最後のセダンLS」と断定することはできませんが、レクサスが掲げる「Always On」の考え方に沿って、現行型を最後まで磨き続けているという見方もできます。

レクサス LSのインテリアデザイン
今回のインテリアで大きな変更点となるのが、全車にメーカーオプションとして追加されたパノラマルーフです。
赤外線と紫外線を抑えるIR・UVカット機能を備え、ルーフを少し持ち上げるチルト機構と、ガラスを車体外側へスライドさせる方式を採用しています。前後を分けて動かせる電動サンシェードも備えます。
ルーフ前方にはメッシュ状の風よけを配置しました。開けて走行した際に発生する風切り音を抑えながら、後席を含めて室内へ光を取り込めるようにしています。

“EXECUTIVE”では、オーナメントパネルに「切子調カットガラス」を組み合わせられる内装色の選択肢も増えました。
切子とは、ガラスの表面を細かく削り、幾何学的な模様などを生み出す日本の伝統的なガラス加工です。レクサス LSでは、その表情を取り入れたカットガラスをインテリアパネルに用いています。今回の変更では装備そのものを新設するのではなく、選択可能な内装色を広げています。

レクサス LSの走行性能
今回の改良で最も踏み込んだ変更が走行性能です。
レクサス LSではこれまで車体の前端と後端を補強してきましたが、今回は新たにセンタートンネルも補強しました。センタートンネルは前席の間を前後方向に通る車体中央部の構造で、ここを強化することで車体全体がねじれにくくなり、サスペンションをより狙いどおりに動かしやすくしています。
後輪側のサスペンション周辺を支える補強材と、荷室周辺の補強材には「REDS(レスポンス向上減衰構造)」を採用しました。
これは補強材に熱で硬化する樹脂を塗り、焼き付けることで、車体に伝わる細かな振動を抑えやすくする構造です。特に細かく速い振動を減らし、操縦安定性と乗り心地の改善につなげています。
さらにAVSも調整されています。AVSは、路面状況や車両の動きに応じてショックアブソーバーの硬さを電子制御する可変サスペンションです。今回のチューニングでは、カーブで車体が左右に傾くロールや、加減速時に前後へ傾くピッチを抑え、車体をより水平に保ちやすくする方向へ手が入れられました。
EPSも変更されています。EPSはモーターの力でハンドル操作を補助する電動パワーステアリングで、今回はドライバーがハンドルを切った量に対して車両がより自然に反応するよう調整しています。
パワートレインは8GR-FXS型3,456cc V型6気筒エンジンとモーターを組み合わせるマルチステージハイブリッドです。エンジンは299PS、最大トルク356Nm、駆動用モーターは180PS、300Nmで、ハイブリッドシステム全体では359PSを発揮します。
WLTCモード燃費は2WD(FR)が13.6km/L、AWDが12.5km/Lです。2WDは燃費を重視しやすく、AWDは4輪へ駆動力を配分できるため、降雪路などでのトラクションを重視するユーザーに適した構成です。
今回の改良は出力を引き上げるものではなく、車体や足回り、ステアリングを細かく調整し、同じパワートレインから得られる乗り味を変える内容が中心です。

レクサス LSの価格
レクサス LSの価格は1,414万円からです。
| グレード | パワートレイン | 駆動方式 | 価格(税込) |
|---|---|---|---|
| “F SPORT” | 3.5L V6ハイブリッド | 2WD(FR) | 14,140,000円 |
| “F SPORT” | 3.5L V6ハイブリッド | AWD | 14,620,000円 |
| “version L” | 3.5L V6ハイブリッド | 2WD(FR) | 16,040,000円 |
| “version L” | 3.5L V6ハイブリッド | AWD | 16,520,000円 |
| “EXECUTIVE” | 3.5L V6ハイブリッド | 2WD(FR) | 17,570,000円 |
| “EXECUTIVE” | 3.5L V6ハイブリッド | AWD | 18,050,000円 |
“F SPORT”は専用の20インチアルミホイールやスポーツシートなどを備え、LSのなかでも運転する側を意識した仕様です。
“version L”はセミアニリン本革シートなどを採用し、運転席と後席双方の快適性を重視する位置づけです。
“EXECUTIVE”は後席の快適装備を充実させた最上位仕様で、今回選択肢が広がった切子調カットガラスも“EXECUTIVE”向けの設定です。
2025年10月時点のLS500hと比較すると、継続する“F SPORT”は2WD、AWDとも35万円、“version L”は2WD、AWDとも47万円、“EXECUTIVE”は2WD、AWDとも32万円高い価格設定となりました。
価格帯は1,414万円から1,805万円であり、一般的な乗用車とは明確に異なるフラッグシップセダンの領域です。グレード選びでは単純な価格差よりも、自ら運転するのか、後席利用を重視するのかで“F SPORT”“version L”“EXECUTIVE”を分けて考える方が実態に合っています。

レクサス LSの発売時期
一部改良されたレクサス LSは、2026年9月10日に発売されました。
発表と同日の発売で、全国のレクサス店で取り扱われる日本国内向けモデルです。
レクサス LSを辛口評価
レクサス LSをあえて辛口で評価します。
まず、グレードを上げた際の価格上昇はかなり大きくなっています。2WDで見ると“F SPORT”の1,414万円に対し、“version L”は1,604万円で190万円高く、“EXECUTIVE”は1,757万円で“F SPORT”より343万円高くなります。後席装備を重視すると価格が一気に1,600万〜1,800万円級へ入るため、装備内容を細かく吟味する必要があります。
次にAWDのコストです。すべてのグレードで2WDより48万円高く、WLTCモード燃費も2WDの13.6km/Lに対してAWDは12.5km/Lとなります。AWDが必要な使用環境でなければ、購入価格と燃費の両方で負担が増えます。
車体の大きさも無視できません。全長5,235mm、全幅1,900mmで、最小回転半径は2WDが5.6m、AWDが5.9mです。特にAWDでは狭い立体駐車場や住宅街で取り回しに気を使う場面が増えます。
一方で、今回の改良は装飾だけで商品価値を維持しようとした内容ではありません。車体中央の補強、振動を減らすREDS、可変サスペンションと電動パワーステアリングの再調整など、乗り心地と操縦性を構成する基礎部分へ手を入れています。359PSのハイブリッドを生かしつつ、速さではなく乗り味を詰め直した点は、現行レクサス LSらしい改良と評価できます。

レクサス LSのライバル車
メルセデス・ベンツ Sクラス
直接的なライバルとなるのがメルセデス・ベンツ Sクラスです。
メルセデス・ベンツ日本の公式サイトによると、Sクラス セダンの価格は1,598万円からで、レクサス LS500h “version L”の2WD、1,604万円とわずか6万円差です。この価格帯にあたるS 450 d 4MATICは3.0L直列6気筒ディーゼルを搭載します。車体は全長5,195mmで、レクサス LSの5,235mmより40mm短いサイズです。
レクサス LS500hがガソリンハイブリッドによる静粛性と13.6km/LのWLTCモード燃費を特徴とするのに対し、S 450 d 4MATICはディーゼルとAWDを組み合わせるという違いがあります。
アウディ A8 L
後席空間まで重視するなら、アウディ A8 L 60 TFSI e quattroも価格帯が重なるライバルです。
価格は1,556万円で、3.0L V型6気筒ターボとモーターを組み合わせたプラグインハイブリッドを搭載します。全長5,320mm、ホイールベース3,130mmで、レクサス LSより全長は85mm長く、ホイールベースは5mm長くなっています。駆動方式はAWDです。
レクサス LSは充電設備を必要としないハイブリッドとFRを選べることが特徴で、アウディ A8 Lは外部充電可能なプラグインハイブリッドとロングボディを求めるユーザーに向いています。
自ら運転する機会が多く、ハイブリッドの扱いやすさと今回磨かれた乗り味を重視するならレクサス LSが候補になります。ディーゼルの大トルクを重視するならメルセデス・ベンツ Sクラス、外部充電と大型の後席空間を求めるならアウディ A8 Lが比較対象になります。
レクサス LSのまとめ
2026年9月のレクサス LSは、センタートンネルの補強や振動を抑えるREDS、可変サスペンションと電動パワーステアリングの調整によって、フラッグシップの核となる乗り心地と操縦性を磨いた一部改良です。
全車で選べるパノラマルーフも加わり、現行ラインアップはLS500hの3グレード、計6仕様となりました。次世代LSのコンセプトがすでに示されるなかでも、現行セダンの完成度を重視し、運転席と後席の双方で快適性を求めるユーザーに向いたモデルです。
レクサス LSのよくある質問
Q. レクサス LSの価格はいくらですか?
2026年9月モデルはLS500h “F SPORT”の2WDが1,414万円で最も安く、“EXECUTIVE” AWDが1,805万円で最も高くなります。現行ラインアップはすべて3.5L V型6気筒ハイブリッドです。
Q. レクサス LSの発売日はいつですか?
一部改良モデルは2026年9月10日に発表され、同日に発売されました。全国のレクサス店で取り扱われる日本国内向けモデルです。
Q. レクサス LS500のガソリン車は現在も選べますか?
2026年9月時点の現行ラインアップはLS500hのみで、LS500は含まれていません。2025年10月時点ではLS500とLS500hの双方が設定されていました。
Q. レクサス LSに“I package”はありますか?
2026年9月時点では“I package”は現行ラインアップに含まれておらず、“F SPORT”が最廉価グレードです。LS500h “F SPORT”は2WDが1,414万円、AWDが1,462万円です。
Q. レクサス LSのパノラマルーフは標準装備ですか?
標準装備ではなく、“F SPORT”“version L”“EXECUTIVE”を含む全車で選択できるメーカーオプションです。IR・UVカット機能、チルト&アウタースライド機構、前後分割の電動サンシェードを備えています。






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