BMWは2026年7月22日、新型BMW iX3を日本で発売しました。BMWの次世代モデル群「ノイエ・クラッセ」の量産第1弾となる電気自動車で、価格は982万円からです。109.1kWhのバッテリー、最大906kmのWLTCモード一充電走行距離、800Vアーキテクチャ、最大320kWの急速充電対応など、電動化技術を大幅に刷新しています。

車の概要:BMW iX3とは?
BMW iX3は、BMW X3と同クラスに位置する電気自動車のSAV(スポーツ・アクティビティ・ビークル)です。
初代BMW iX3は2018年にコンセプトカーとして登場し、日本では2021年から販売されました。従来型BMW X3をベースとした初代に対し、新型は型式「NA5」となり、BMW iX3としては2代目にあたります。
最大のポイントは、BMWが「ノイエ・クラッセ」と呼ぶ新世代車両コンセプトの量産第1弾になったことです。第6世代BMW eDrive、800Vの電気システム、新しいデジタル基盤、次世代デザイン言語をまとめて導入しています。
<ノイエクラッセについては以下の記事で紹介>

日本仕様ではBMW iX3 50 xDriveとBMW iX3 50 xDrive M Sportの2グレードを設定します。いずれも前後にモーターを搭載した4輪駆動ですが、ホイールやM専用装備、一充電走行距離に違いがあります。
また、新型BMW iX3は2026年の「ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー」と「ワールド・エレクトリック・ビークル」を受賞しています。


BMW iX3のエクステリアデザイン
新型BMW iX3は、これからのBMWに展開される新しいデザイン言語を採用しました。
フロントでは縦方向に伸びるキドニー・グリルと垂直基調のLEDライトを組み合わせています。1960年代の「ノイエ・クラッセ」で使われていたBMWのデザイン要素を、現代の電気自動車として再構成したものです。

キドニー・グリルを発光させる「BMWアイコニック・グロー」、アダプティブLEDヘッドライト、フラットなドアハンドルなどはBMW iX3 50 xDriveとBMW iX3 50 xDrive M Sportの両方に標準装備されます。

足元はグレードによって明確に異なります。BMW iX3 50 xDriveには255/45R20タイヤと20インチのエアロダイナミック・ホイール1046バイカラーを標準装備します。一方、BMW iX3 50 xDrive M Sportは255/40R21タイヤと21インチMライト・アロイ・ホイール・スタースポーク・スタイリング1050Mバイカラーが標準です。

ボディサイズは、全長4,780mm、全幅1,895mm、全高1,635mmです。



BMW iX3のインテリアデザイン
インテリアの中心となるのが、新世代の「BMWパノラミックiDrive」です。
フロントウインドウ下部の約110cmにわたって情報を表示する43.3インチのBMWパノラミック・ビジョンと、ダッシュボード中央に置かれる17.9インチのフリーカット・デザイン・コントロール・ディスプレイを組み合わせています。

従来型の一般的なメーターパネルを廃止し、速度、シフトポジション、バッテリー残量、走行可能距離などを前方に表示します。
BMW iX3 50 xDriveとBMW iX3 50 xDrive M SportにはBMW 3Dヘッドアップ・ディスプレイ、前席マルチファンクション・シート、前席リラクゼーション機能、前後席シートヒーター、3ゾーン・オートマチック・エア・コンディショナー、365W・13スピーカーのharman/kardon HiFiスピーカー・システムなどを標準装備します。

シートを含む内装仕様では、BMW iX3 50 xDriveにコンテンポラリー・インテリアブラック、BMW iX3 50 xDrive M SportにはBMW Mインテリアブラックが標準設定されます。
荷室容量は通常時520Lで、後席を倒すと1,750Lまで拡大します。さらにボンネット下にも58Lの収納スペースがあります。






BMW iX3の走行性能
新型BMW iX3には、第6世代のBMW eDriveを採用します。
BMW iX3 50 xDriveとBMW iX3 50 xDrive M Sportはいずれも前後2モーター式の4輪駆動です。フロントには交流誘導電動機を採用し、最高出力123kW(167PS)、最大トルク255Nmを発生します。
リアには交流同期電動機を搭載し、最高出力240kW(326PS)、最大トルク435Nmです。システム全体では最高出力345kW(469PS)、最大トルク645Nmとなります。
通常走行では必要に応じてフロントモーターの駆動を停止し、効率を高める制御を採用します。

109.1kWhバッテリーで最大906km
搭載するリチウムイオンバッテリーの総電力量は109.1kWhです。円筒形セルを直接パックに組み込むセル・トゥ・パック方式を採用しています。
BMW iX3 50 xDriveの交流電力量消費率はWLTCモードで138Wh/km、一充電走行距離は906kmです。
BMW iX3 50 xDrive M Sportは150Wh/km、一充電走行距離は835kmです。
同じモーターとバッテリー、同じ2,330kgの車両重量ながら、20インチタイヤを履くBMW iX3 50 xDriveのほうが電費に優れます。21インチタイヤなどを採用するBMW iX3 50 xDrive M Sportでは航続距離が71km短くなるため、長距離移動を重視する場合は標準グレードが有利です。
最大320kWの急速充電に対応
日本仕様では800Vアーキテクチャにより最大320kWの受電能力を備えます。
240kW急速充電器を使用したBMWによる実測では、外気温25℃の条件で15分間に約395km走行相当を充電できます。最大350kWの超急速充電器を使用した場合は、外気温22℃の条件で15分間に約420km走行相当を充電できるとしています。
バッテリー残量10%から80%までの急速充電時間は約26分です。
V2Hにも対応し、対応機器を組み合わせれば車両の電力を住宅へ供給できます。V2Lにも対応するため、外部給電器を介して電気機器への給電も可能です。

BMW Heart of Joyで車両制御を統合
走行性能の中核には「BMW Heart of Joy」と呼ばれる高性能コントロールユニットを採用します。
パワートレイン、ブレーキ、回生制御、ステアリングなどを統合して高速処理し、アクセル操作から減速、停止までの車両挙動を制御します。
BMW iX3 50 xDrive M SportにはMスポーツ・ブレーキを標準装備しますが、BMW iX3 50 xDriveには設定されません。
さらにBMW iX3 50 xDrive M Sportでは22インチBMW Individualエアロダイナミック・ホイール1053Iバイカラーを24万5,000円で選択できます。BMW iX3 50 xDriveには22インチホイールの設定はありません。

BMW iX3の安全性能・運転支援
BMW iX3 50 xDriveとBMW iX3 50 xDrive M Sportには「ドライビング・アシスト・プラス」を標準装備します。
アクティブ・クルーズ・コントロール、ステアリング&レーン・コントロール・アシスト、レーン・チェンジ・ウォーニング、レーン・ディパーチャー・ウォーニング、衝突回避・被害軽減ブレーキ、クロス・トラフィック・ウォーニングなどを搭載します。
さらに大きな変更が「ハイウェイ・アシスト」です。高速道路で一定の条件を満たせば、130km/hまでステアリングから手を離した状態で運転支援を利用できます。ただしSAEレベル2の運転支援であり、自動運転ではありません。ドライバーは前方を注視し、必要な場合にはただちに操作する必要があります。
レーン・チェンジ・アシストでは、システムが安全に車線変更できると判断して提案した際、ドライバーがドアミラーを見る動作によって車線変更を承認できる仕組みも採用します。
ハイウェイ・アシストは2026年11月以降の利用開始を予定し、新車購入から3年間は無償です。その後も利用する場合は有料サブスクリプションへの加入が必要になります。

BMW iX3の価格
BMW iX3の価格は982万円からです。
| グレード | パワートレイン | 駆動方式 | 価格(税込) |
|---|---|---|---|
| BMW iX3 50 xDrive | 前後2モーター・345kW(469PS) | 4WD | 982万円 |
| BMW iX3 50 xDrive M Sport | 前後2モーター・345kW(469PS) | 4WD | 1,034万円 |
BMW iX3 50 xDriveは20インチホイールを標準装備し、906kmの一充電走行距離を確保する、航続距離重視の仕様です。
BMW iX3 50 xDrive M Sportは21インチMライト・アロイ・ホイール、BMW Mインテリアブラック、Mスポーツ・ブレーキなどを標準装備し、外観と走りの演出を強めた仕様です。

BMW iX3の発売時期
BMW iX3は2026年7月22日に日本で販売を開始しました。納車は2026年7月下旬以降とされています。
日本国内向けとして正式発表されたモデルで、BMW正規ディーラーで販売されています。ハイウェイ・アシストについては車両発売より遅く、2026年11月以降に利用可能となる予定です。
BMW iX3を辛口評価
BMW iX3をあえて辛口で評価します。
まず気になるのは、BMW iX3 50 xDrive M Sportの価格と航続距離の関係です。価格はBMW iX3 50 xDriveより52万円高い1,034万円ですが、WLTCモード一充電走行距離は906kmから835kmへ71km減少します。交流電力量消費率も138Wh/kmから150Wh/kmへ悪化するため、M Sportは見た目やM装備を優先する代わりに、EVとして重要な効率では明確な代償があります。
車両重量も軽くありません。BMW iX3は両グレードとも2,330kgで、同じ全幅1,895mmのレクサス RZ550e “F SPORT”の2,120kgに対して210kg重くなっています。109.1kWhという大容量バッテリーを積むため単純比較はできませんが、全長4,780mmのSUVとして2.3tを超える重量は意識しておきたい数値です。
また、1,034万円のBMW iX3 50 xDrive M Sportでもパノラミック・ガラス・サンルーフは21万9,000円のメーカーオプションです。さらにパーキング・アシスト・プロフェッショナルは6万4,000円で、両方を付けたBMW iX3 50 xDrive M Sportは1,062万3,000円になります。1000万円を超える上位グレードでも、こうした装備が車両価格に含まれない点は購入前に確認したいところです。
一方で、BMW iX3 50 xDriveの906kmというWLTCモード航続距離と最大320kWの急速充電性能は大きな強みです。345kW(469PS)、645Nmの4WD性能まで備えながら906kmを確保しており、長距離EVとしての性能を優先するならBMW iX3 50 xDriveの完成度が目立ちます。

BMW iX3のライバル車
アウディ Q6 e-tron
BMW iX3に最も近い価格とサイズで競合するのがアウディ Q6 e-tronです。
4WDのアウディ Q6 e-tron quattro advancedは1,010万円で、WLTCモード一充電走行距離は652km、システム最高出力は315kWです。BMW iX3 50 xDriveは982万円で906kmのため、価格を抑えながら航続距離では254km長くなります。
レクサス RZ
レクサス RZ550e “F SPORT”は950万円で、BMW iX3 50 xDriveより32万円安いAWDの電気SUVです。
システム最高出力は300kW(約408PS)、WLTCモード一充電走行距離は582kmです。BMW iX3 50 xDriveより210kg軽い2,120kgで、ステアバイワイヤなど独自のドライビング技術を採用します。一方、航続距離はBMW iX3 50 xDriveが324km上回ります。
ポルシェ マカン 4 Electric
ポルシェ マカン 4 Electricは1,120万円で、電動4輪駆動を採用します。
ローンチコントロール使用時の最高出力は300kW(408PS)、WLTCモード一充電走行距離は604kmです。BMW iX3 50 xDriveより138万円高く、航続距離ではBMW iX3が302km長いため、数値上の航続性能よりポルシェの走行性能やブランド性を重視するユーザー向けの選択肢です。
BMW iX3を選ぶべきなのは、1000万円前後のプレミアム電動SUVで、AWDと長い航続距離、短時間での急速充電を重視する人です。
一方、車両重量の軽さやステアバイワイヤを求めるならレクサス RZ、ポルシェならではの走行性能を優先するならポルシェ マカン 4 Electricが候補になります。

BMW iX3の主要スペック
| 項目 | BMW iX3 50 xDrive | BMW iX3 50 xDrive M Sport |
|---|---|---|
| 全長 | 4,780mm | 4,780mm |
| 全幅 | 1,895mm | 1,895mm |
| 全高 | 1,635mm | 1,635mm |
| ホイールベース | 2,895mm | 2,895mm |
| 最低地上高 | 176mm | 176mm |
| 乗車定員 | 5名 | 5名 |
| 車両重量 | 2,330kg | 2,330kg |
| モーター | HF1002N0型 交流誘導電動機(前)/HD1001N0型 交流同期電動機(後) | HF1002N0型 交流誘導電動機(前)/HD1001N0型 交流同期電動機(後) |
| バッテリー | リチウムイオン 109.1kWh | リチウムイオン 109.1kWh |
| 総排気量 | - | - |
| 最高出力 | システム345kW(469PS)/前123kW(167PS)/後240kW(326PS) | システム345kW(469PS)/前123kW(167PS)/後240kW(326PS) |
| 最大トルク | システム645Nm/前255Nm/後435Nm | システム645Nm/前255Nm/後435Nm |
| トランスミッション | 1速固定式 | 1速固定式 |
| 駆動方式 | 4WD | 4WD |
| WLTCモード電費 | 138Wh/km | 150Wh/km |
| WLTCモード一充電走行距離 | 906km | 835km |
| タイヤ | 255/45R20 | 255/40R21 |
| 最小回転半径 | 未発表 | 未発表 |
日本仕様の主要諸元では両グレードのモーター、バッテリー容量、車両重量は共通ですが、タイヤサイズの違いなどを含む仕様差によって電費と航続距離に差があります。トランスミッションは1速固定式の電動ドライブです。


BMW iX3のまとめ
新型BMW iX3は、ノイエ・クラッセ第1弾として電動パワートレイン、充電、車両制御、インターフェースをまとめて刷新した2代目モデルです。
特にBMW iX3 50 xDriveは906kmのWLTCモード一充電走行距離と最大320kWの急速充電、345kW(469PS)の4WDシステムを982万円で組み合わせています。M Sportのデザインよりも航続距離を優先するならBMW iX3 50 xDrive、M専用装備や21インチホイールを重視するならBMW iX3 50 xDrive M Sportが向いています。
BMW iX3のよくある質問
Q. BMW iX3の価格はいくらですか?
BMW iX3 50 xDriveは982万円、BMW iX3 50 xDrive M Sportは1,034万円です。いずれも前後2モーターによる4WDを採用しています。
Q. BMW iX3は1回の充電で何km走れますか?
BMW iX3 50 xDriveはWLTCモードで906kmです。BMW iX3 50 xDrive M Sportは835kmとなり、標準グレードのほうが71km長く走れます。
Q. BMW iX3はいつ発売されましたか?
日本では2026年7月22日に販売を開始し、納車は2026年7月下旬以降です。ハイウェイ・アシストは2026年11月以降の利用開始が予定されています。
Q. BMW iX3は日本で発売されていますか?
日本国内向けモデルとしてすでに正式発売されています。BMW iX3 50 xDriveとBMW iX3 50 xDrive M Sportの2グレードが設定されています。
Q. BMW iX3 50 xDriveとM Sportはどちらを選ぶべきですか?
航続距離と電費を優先するなら、906kmを走れるBMW iX3 50 xDriveが適しています。21インチMホイールやMスポーツ・ブレーキなどの専用装備を重視するならBMW iX3 50 xDrive M Sportが候補です。
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